新しいビジネスに向けての三者会談から
昨日はある顧問先企業さまへの定期訪問日、そこで新しいビジネスに向けての打ち合わせをしてきました。
参加者は経営者さん、顧問税理士の先生と私の三人。近くのカフェで男三人ケーキセットをほおばりながら、周りから見るとちょっと目立つテーブルだったかもしれません。集まった目的はこちらの企業さまに人事制度と企業経営会計をリンクさせた新しい取り組みを始めるにあたってのキックオフ、まずはざっくばらんにそれぞれの意見を交換してきました。
本来の目的であった打ち合せが終わった後の雑談で経営者さんが言った一言、「先生方にはとても助けていただいていますが、でも今までやってこなかったことをするのは本当にしんどい。しないといけないのかと思うときがある」。これは士業者が顧問先でよく言われることです。それぞれの業界ごとに独自のルールがあったり、商慣習があったり、考え方があります。そこに税や会計、人事や労務に関する制度を取り入れるには大なり小なりの抵抗があります。
例えば、私はこちらの企業さまの顧問社労士となって約1年。完全週休2日制の導入、36協定の締結、勤務時間の管理(タイムカード)や有給台帳の導入、時間外手当の支払い、社内諸規定の策定などを提案し実現していただきました。多くの企業では当たり前のことが、こちらの企業さまの業界で導入されていることはほぼない制度ばかり。「そんなんせんでいいやん、なんでせなあかんの」からの切り替えでしたが、ようやく軌道に乗り始めています。
かつては業界あるいは企業それぞれのルールでよかったのかもしれません。が、これだけ世の中が複雑になり、情報過多になると、業界や企業といった小さな枠ではなく、社会全体で守らなければならない大きな枠の中で動かざるを得なくなります。その大きな枠を構成する一つが、法律であったり制度といわれるもの。士業者はその枠の中で顧問先企業さまが活動できるようにサポートすることが仕事だと考えています。
いろいろしんどいことに取り組んでいただいたこちらの企業さま、思わぬところから効果が出てきています。それは来年春に数年ぶりに新入社員が入ること。もう一つは実習希望(インターンシップ)の依頼が舞い込んでいること。サポートしている立場としてもうれしいお話しですが、引き続き企業さま、社員さまのお役に立てる専門家でありたいものです。