負担は全員、恩恵は一部の人?
来年5月には元号が代わり、10月からはいよいよ消費税が10%に引き上げられる。最近の新聞やニュースではこれに関連する話題を見かけない日はありません。
いずれも日常生活に大きなインパクトがありますが、より大きいのはやはり消費税増税。日々の生活の中ですべての国民に影響し、今回の引き上げ幅は2%ですが、前回5%から8%と引き上げられた際には経済的にも大きな影響がありました。その時と同じ轍を踏まない、アベノミクスへの影響を最小限にしたいとのことでしょうか、様々な対策が講じられるようです。
でも、消費増税と同時に検討されていた軽減税率はともかく、その後にいろいろ決められた対策ってどうなんでしょうか。クレジットカードを利用した時のポイント還元、住宅ローン減税の延長や自動車に係る税金の軽減など、金額的には結局消費増税分がそのまま横滑りといった感じです。消費税増税で広く2兆円ほど徴収しておきながら、一部の特定の人にその分を還元するというように見えます。本来消費税増税分は社会保障に充てられるはずで、「増税分は社会保障の増加分に充てています。減税分は他の財源から充てています」と言われても、数字がほぼ同額。ちょっと首をかしげたくもなります。
「消費税10%という既成事実が優先、当初の影響は小さくし、その効果は数年後から」ということなんでしょうか。すべての人に公平な税制というのは現実的に難しいのでしょうが、消費税は広く薄く課税できる仕組みのはず。でもそのために特定の人が恩恵を受けるとしたら、ちょっと公平性を欠くように思うのですがどうでしょう。恩恵を受けることがないものの妬みと言われればそれまでですが。