医療費控除はなぜ自分でしないといけないの
サラリーパーソンの人は勤務先の会社に年末調整に必要な書類を提出することで、納税に関する手続きが一通り終了し年明けに確定申告を行うことはありません。ただ、年末調整で対応できないものに「医療費控除」がありますが、ふと疑問に感じたことはありませんか?
「なぜ医療費控除は確定申告が必要なのか」
私も数年前に家族の医療費の出費が重なったとき、領収書の明細を台紙に貼り、明細を作成し、医療費控除の申請を税務署に提出しました。そのときに同じような疑問を持ち、その理由を調べたことがあります。その理由は大きく2つ、一つ目は年末調整を行うときに、社会保険料控除や生命保険料控除のようには金額が確定していないこと。社会保険料は給与が確定すれば、また生命保険料は毎月の保険料が決まっているため、年末調整の書類を作成する際に金額が確定しています。ところが、医療費控除はその年が終わるまではっきりしないということです。通院中の病気があったり、もしかしたら12月31日に病院に行くかもしれません。12月といえばインフルエンザシーズン、年末調整の書類を提出した後に医療機関にかかり、金額が変わる可能性があるということです。
二つ目は医療費控除をもし会社で処理するとしたら、担当者の人は大変です。仮に領収書がキチンと整理され、明細が作成されていたとしてもそれをチェックしなければなりません。医療費控除は皆さんも御存知の通り、対象になるものとならないものがあります。それを経緯を知らない会社の担当者が白黒をはっきりさせるのは至難の業、社員一人ひとりの医療費控除に対応することは事務処理があまりに大きいということです。社員によっては領収書の束を持ち込んで、「あとはお願い」ということもあるかもしれませんが、とても対応できませんよね。
同じような理由で寄付金控除なども年末調整では対応できません。昨今のふるさと納税も12月でもできるということから、1年が終わらないと金額が確定しないため、自身で確定申告が必要となります。今年の医療費多かったなぁという人、そろそろ領収書の準備を始めておきませんか。