平成もあと115日
年末から朝日新聞朝刊の1、2面に「エンジングニッポン」と見出しが付けられた記事が連載されています。
その記事の主旨は人口減少・高齢化が進む中での課題や問題点、老いていく社会の中での持続可能性を考えるというもの。毎日考えさせながら読んでいます。今年は改元もあり、平成という時代が終わります。年末年始のテレビや新聞などでも「平成」という言葉の露出が更に増えてきたように感じます。
さて、その記事の中で最も印象的で納得したコメントがあります。それは「低出生率は、今の国のあり方に国民投票でノーを示しているようなもの」というもの。人口学者の金子隆一明治大学特任教授のコメントですが、まさに的を得ていると思いませんか。富が偏在し、教育費にも金がかかり、社会保障も細る一方、正規社員も狭き門、一度ドロップアウトしたらなかなか元に戻れない社会。ターニングポイントすら見えない状況では、結婚して家族を持つということに躊躇してしまいます。
ふとこうなったきっかけって何だったのか、と考えてしまいました。私が社会人になったのが平成元年、世の中はバブルの絶頂期でした。何もかもがイケイケドンドンの時代、それが数年の間に一気に弾け、その後は失われた10年とも20年とも言われた時代、まだまだ先は見えてきません。原因は一つではないのでしょうが、個人的に思うに考え方(情報)や価値観が多様化し過ぎて振り子の戻る場所がなくなっているように思います。昔であれば一方に大きく振れれば、その反動で戻る場所はその反対側だったのですが、今は様々な意見や価値観がいろいろな所から「噴出」して、落ち着かない、決まらない。結局、折衷案の繰り返しのように見えます。世の中が劇的に便利になった半面で、複雑になりすぎて収拾がつかない、至るところで混沌として、みんな息苦しくなっているんじゃないでしょうか。
平成もあと115日、時代が変わり、ほんの少しでも世の中が良い方向に変わるといいのですが。