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どうしていつもこうなんでしょうか

真如堂(20190111)

また何とも言えないお役所のお仕事ぶりが明らかになりました。

 

9日の朝日新聞朝刊の1面の記事、「雇用・労災保険 過少給付」の見出し。もっとも私のビジネスに影響のあるキーワードだけに食い入る様に記事を読みました。読んだ後につぶやいた一言は「どうしていつもこうなんだろう」です。

 

雇用保険や労災保険から受ける給付には、定額いくらと決まっているものもありますが、多くはそれぞれが受けている、あるいは受けていた給与をベースにした日額が基準となります。その日額の何日分といった具合で様々な給付金をうけることができます。ただ、いったんその日額を固定してしまうと、世の中の物価の変動や給与水準の変化に対応できません。例えば若い頃の低い給与を基準にして労災保険の給付を長期にわたって受ける場合、年月の経過とともにその金額が実態に見合わなくなります。そこで、見直しの基準として用いられるのが厚生労働省が発表する「毎月勤労統計」による平均給与額。厚生労働省のホ-ムページでも毎月アップされている統計資料です。例えば直近分で公表されているのは、「毎月勤労統計調査-平成30年11月分結果速報」です。

 

この統計は本来すべての事業所を対象にして調査・発表されることになっているのですが、新聞記事によると、厚生労働省では少なくとも東京都分については、従業員500人以上の事業所は全体の3分の1ほどの事業所のみを抽出して調べていたとのこと。さらにこういった不適切な調査は2004年から続いていたとのことです。この結果、比較的給与水準の高い事業所が除かれたことで、平均給与は正しく調査した場合と比較して全体的に低くなっていたことがわかり、これをベースにして支払われていた雇用保険や労災保険の給付も過少給付となっていた人がいることが判明した、というのが記事の主旨でした。本日の続報では、こうした結果で過少に給付された人はのべ2,000万人、過少給付された額ははのべ数百億円にもなり、さらに組織的な隠ぺい工作の可能性があるようで、なんともひどい話です。

 

保険制度でせっかく物価や賃金に連動した仕組みを作っていても、そのベースとなる数字が誤っていては意味がありません。誤りというよりは故意に本来の調査基準を曲げそれを隠ぺいしていたら、事は大問題だと思うのですが、さて今後どう着地するのでしょうか。もし不足額を調査して追加して支給となると、また多くの税金(保険料)が使われるのですね。

 

 

2019年01月11日 06:55
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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