問題の本質をすり替えないことを望みます
昨日に引き続き、厚生労働省の毎月勤労統計の話題。
問題が具体的な数字となって公表されました。労災保険や雇用保険の過少給付の対象者の延べ人数は1,973万人、給付額の総額は567億5,000万円とのことです。2004年から2017年まで、一部の職員は知っていたことがその情報が共有されていなかったとの見解ですが、果たして官僚組織の中でこういったことがあり得るのかどうか疑問です。
今後、過少給付となった対象者全員に不足分を支給する方針ですが、約半数の1,000万人については住所データが残っていないということでホームページなどで周知されます。すべての人がホームページを見ることができる環境にいる訳ではありませんし、少なからず亡くなっている人もいるでしょう。雇用保険は労働者も保険料を払っているだけに、保険料だけしっかり徴収されるのに給付はされないでは納得いきませんよね。
ここで頭をよぎるのが、2007年に起きた「消えた年金」「浮いた年金」問題。当時の社会保険庁が解体され、政権交代のきっかけともなるのほど大きな問題でしたが、このときの総理大臣が現在の安倍首相。連休明けから政治家から色々な言動が出てくるのでしょうが、議論してほしいのはその原因と影響調査、今後に向けた改善策であって政局ではありません。ここぞとばかりに声高にまず「辞任」「退陣」ではなく、まずは議論をしてほしいものです。
年金問題の2007年と今回、奇しくも亥年。亥年は参議院議員選挙があり過去にも大きく政局が動いた年。さてこの問題、どこまで尾を引くのでしょうか。