民間はアウト、国はセーフ?(その2)
同じ事件について3つも記事を書くのは初めてですが、それほど大きな問題ということです。
先週発覚した厚生労働省の毎月勤労統計の問題、この手の問題にしては非常に早く本来受けるべく給付額と、実際に支給されていた分との差額についての概算を公表し、支給することとしました。その額は新聞によれば567億円、この金額は本来払うべきであったものでこれを支給すること自体は、むしろ当然のことで何の問題もありません。
でもこちらは違います。それは対象者の調査や支払いにかかる人件費やシステム開発にかかる事務コストで、その額は200億円。これはもし毎月勤労統計が本来のあるべき調査方法で作成されたものであれば必要にならなかった費用で、100%ムダに費やされる税金であり、労働保険料です。もし民間企業でこれほどの損害を会社に与えてしまったらどうなるかは言うに及ばずです。それもそこに「故意」や「隠ぺい」があれば、損害賠償や刑事罰にもなりかねないほどの大事です。
今後、どのように責任問題が問われるかは分かりませんが、民間と国で仕事に対する責任の大きさが違うようでは、この国の価値観や倫理観がおかしくなってしまいます。もし仮に個人的な責任が問われないのであれば、厚生・労働関係の国家公務員2万人の連帯責任として割り勘をしてでも責任を取るべきではないかと思います。ちなみにお一人100万円、決して安い金額ではありませんが、言い換えれば、それほど多額の国民のお金が使われるということです。それくらいしないと、昨年から続く中央官庁の仕事の杜撰さは改まらないのでは。
本当に何が正しくて、何が間違っているのかわからないという風潮が当たり前になることはないと信じたいのですが。