年金は月額67円、保険料は月額70円アップ
平成31年度の国民年金(老齢基礎年金)の年金額と、現役世代が支払う保険料額が決まりました。
年金の受給額や保険料額は、物価の変動や賃金の変動率が加味されて毎年見直しが行われています。特に来年度の年金額には公的年金被保険者の減少と平均余命の伸びに基づく「マクロ経済スライド」も発動されるため、実際の物価変動率よりも年金の上昇が抑えられ、年金の年額としては現在の779,300円から800円アップして780,100円に、月額で67円のアップとなります。年金は偶数月の15日に支給されるため、新しい年金額での支給は今年の6月分からとなります。
また、現役世代が支払う保険料は、平成17年から29年までは毎年280円づつ引き上げられてきましたが、今年度は保険料改定率が引き下げられたことで平成29年度に比べて月額150円安くなっています。それでも月額で16,340円、決して安くはありませんが、来年度は70円引き上げられます。その理由は新しい保険料免除制度の導入によるもの。その制度とは、産前産後期間の保険料免除制度。厚生年金や健康保険には既に導入されている制度ですが、同様の仕組みが国民年民の第1号被保険者(主に自営業者や学生、無職の人などが該当)にも導入されることによるものです。
☞制度の詳細はこちら「平成31年4月から国民年金保険料の産前産後期間の免除制度が始まります」~日本年金機構のホームページより
平成31年度の国民年金の保険料額は、実は法律上では月額17,000円となっています。が、実質の賃金変動率を加味した保険料改定率が1.0に満たないため、その分安くなっているのです。つまり、現役世代の実質賃金が伸びていないことによるもの。といっても保険料自体は平成17年に比べて月額3,320円も引き上げられています。相互扶助であれば負担は仕方がないのですが、毎年ジワリジワリと負担が重くなる一方では、なかなか気分は明るくなりませんよね。