京都の市バス事情
ここ数年の観光客の急増で、京都市民から悲鳴が上がっているものの一つ、それは「市バスに乗れない」「市バスから降りれない」です。
以前は観光シーズンで有名な観光地の間や、JR・私鉄の駅を結ぶ路線で混雑していた京都市バス、今は時期や路線を問わず観光客が乗車します。おそらく宿泊先である民泊や簡易宿泊所が市内に散在していたり、「えっ、ここにいくの」というところが、外国人観光客にとっては目的地だったりと、市内の至る所が移動の目的地になっていることもあるのでしょう。そして観光客がバスの車内に持ち込むのが、大きなキャリーバッグ。これが車内の通路をふさぎ、「市バスに乗れない」「市バスから降りれない」の原因となっています。
この混雑解消にようやく京都市バスが取り組むことが先日の新聞に掲載されていました。今年の春から、主に観光地を走る路線では、4人分の座席を無くし6つほどのスーツケースを置けるスペースを、通勤通学などで主に市民が利用する路線では、1人分の座席をなくして荷物置き場を設置した新型の車両を導入するというものです。また観光シーズンなどの繁忙期限定で走っている臨時便では、運賃を先に払って下りる「前乗り後降り」を導入するとのことです。
観光シーズンともなると、歩道を歩いていて横を通り過ぎるバスは常に満員。乗車している人の多くは観光客という今の状況。こういった対策がどれくらいの効果をもたらすかは分かりません。ただ個人的には、期間限定でも観光客専用のバスを導入するくらいのことをしないと、今の混雑は解消されないのではとも思います。
先日も京阪電車で見かけた光景は、お隣の国の観光客家族6人、大人から小さな子供までそれぞれがキャリーバッグをゴロゴロ転がし、発車ベルを全く気にせずにスマホを片手に雑談しながら乗り込んでくる様子。こんなことが至る所で繰り返されたら、複雑な思いになりますよね。