ホームページから企業のブラック度を知る
2020年卒の採用スケジュールは3月から本格的に開始となります。さて就活生となるみなさんは関心のある会社のホームページをどのように見ていますか。
今やホームページを持っていない会社はほとんどありません。少なくとも私が顧問契約を戴いている企業さまはすべて持っており、掲載内容や情報の発信方法などについての相談を受けることがあります。また他の企業のホームページを見る機会も多いのですが、もし就活生から「注意してみるべきところは?」と聞かれたら、私は次のような点をアドバイスします。
➀常に最新の情報を提供しているかどうか
ホームページは一度作ったら終わりではありません。メーカーであれば新しい商品を発売したり、システム開発企業であれば、新しいソフトウエアを開発したり、プロジェクトに参画したりしています。守秘義務や企業秘密の関係ですべてをオープンとはできないでしょうが、会社の最新情報を常に更新しているかどうかで、その企業の考え方や仕事に対する取り組み方が分かります。ホームページを一度作ってそのままというのは、それ以外の社内の仕組みの多くも同様に、作っておしまいということになっているかもしれません。
②設立からの年数と社員数、採用人数、社員の平均年齢のバランス
毎年それなりの入社人数がいるにも関わらず社員数が少ない、あるいは設立から相当の年数が経過しているにもかかわらず社員数が少ない、の裏には多くの退職者が隠れている可能性があります。創業期ならともかく、社員の平均年齢が若いということも同様で、離職によってベテランと呼ぶべき中堅以上の社員が少ないのかもしれません。
③社員紹介に掲載されている社員のバランス
採用に関するページにインタビュー形式で社員を紹介している企業をよく見かけます。大抵の企業は若手、中堅、管理職をバランスよく配置し掲載していますが、もし若手社員ばかりであれば②と同様のことが考えられます。
④社員数や売上、利益に関する情報が最新分のみでないか
経営や実績に自信のある企業は、良い時悪い時に関係なく、情報を分かり易く掲載しています。どんな企業でも業績の落ちる年、離職者が多くなる年はあります。ただそれをオープンにするか隠すかによって、その企業の自信の大きさ、将来に向けての取り組み方がわかります。いい時だけを出して悪いときは出さない、というのは何かが隠れています。
⑤同じ名字の人が多くないか
役員名が掲載されていて、そこに同じ名字の人が複数人いる場合、同族企業である可能性があります。もちろん、同族企業のすべてが悪いとは言いませんが、その一族でないと経営層になれない、あるいは長年積み重ねてきたものが天の声や鶴の一声でひっくり返ってしまう、という弊害があることも否定できません。収益が経営者一族に流れ、社員に還元されないということも起こり得ます。同族経営の企業への就職には、よくその企業のことを理解して慎重に考えた方がよいでしょう。
もし、少しでも気になったらネットで口コミを調べてみるのも方法の一つです。もちろん、ネットの情報のすべてを鵜呑みにはできませんが、会社のホームページとあまりにかけ離れたことが多く口コミされているようであれば、「何か怪しい」と考えてもよいでしょう。自分が就職するかもしれない企業のことです。色々な情報を集め、しっかり見極めて選択していきましょう。