年次有給休暇は時間単位でも取得できます
今年の4月から取得が義務化される年次有給休暇、取得は日単位とは限りません。
年次有給休暇は労働基準法第39条で「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない」と定められています。法律どおり運用すれば、例えば4月に採用された新入社員が有給休暇を取得できるのは10月からとなりますが、企業によっては入社時に予め数日の有給休暇を付与し、6ヶ月を経過した時に残りの日数を付与するという方法をとっているところもあります。
さてこの年次有給休暇、1日単位でなくても取得できることが労働基準法で定められていることをご存知ですか。39条第4項では、使用者は労働者と労使協定を結ぶことによって時間単位で付与することができると定められています。ただし、この場合には以下について労使協定で定めることとされています。
➀時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
②時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る)
1日単位となると、いざ取得しようとすると仕事の調整が大変だったり、同僚や上司の目が気になったりとなかなか取得が進まないということもありますが、数時間とか半日単位であれば比較的取得しやすくなります。また、そもそもちょっとした用事を済ませるだけなので1日も要らない、といった場合にも何かと便利です。
この制度を導入するには、先にも書いたように労使協定を結び、単位時間給の制度について就業規則に規定する必要があります。また、1日の有給休暇は何時間の単位時間給に相当するのか、その時間に対して支払われる賃金の計算方法、合計で何日分の有給休暇を時間単位で取得できるのかといった事項を定める必要もあります。
皆さんの会社にもこの単位時間給の制度があるかどうか一度確認してみてはどうでしょうか。