量より質
京都市では昨年10月から宿泊税を導入していますが、京都新聞ではこれに関連する記事が掲載されていました。
その概要は、宿泊税を払いたくない、あるいは払わない外国人観光客がいること、あるいは税が高いために観光客が大阪市に流れたり、そもそも税金の導入が経営を圧迫している云々。観光客や宿泊事業者からすればお金に関する問題であるがゆえに不平不満しかないのでしょうが、しかしこの問題の根本は違うところにあるように思います。
そもそも今の京都市内の状況はある意味で異常です。すべての外国人観光客とはいいませんが、マナーの悪さには呆れるほど、恐怖を感じることさえあります。先週のブログでも書いていますが、外国人からすれば京都市内の観光地は今やテーマパークと同じ感覚。文化や芸術・自然を感じるのではなく、自分本位で楽しんで騒ぐ場所、何をしても娯楽の一つとして思っているんでしょうか。
無制限に観光客を受け入れることで、ごく普通の市民生活がどんどん圧迫される、宿泊施設を無制限に許認可することで過当競争・価格破壊が起きる、この連鎖では市民にも観光客にも観光業者にも不平不満が溜まる一方。そろそろ何らかの制限を設けて観光客の量ではなく、質を求める必要があるように思います。そもそも京都の観光の魅力は文化や芸術の質であり、他では見ることができない希少性です。「郷に入れば郷に従え」ではありませんが、京都らしい観光ルールを考えてもらいたいものです。