甘い言葉にはくれぐれもご注意を
先日、ある顧問先のオーナーさまからご相談がありました。
「〇〇〇という会社から助成金申請をお手伝いしますという電話がかかってきたんですがどうしたらいいですか」
その後いろいろお話しを伺うと、対象となる助成金はキャリアアップ助成金というもので、その目的は有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップ等を実現した事業者に対して支給されるものです。「対象となるかどうかの調査だけでも」と称した簡単なアンケートに対して電話で回答すると、業者からは「間違いなく受給できますので、契約書等をお送りします」と一方的に話が進んでしまっているとのこと。ここで不安になってご連絡いただいたという経緯でした。
そもそもこちらの顧問先さま、今回の助成金が該当するかどうかは以前に検討したことがあり、そもそも該当する社員がいないことからオーナー様へのご提案はしていませんでした。今回その業者がどう判断して「受給できる」と言ったは分かりませんが、もしかすると該当する従業員があたかもいるようにして申請をしようとしていたかとも思われます。さてこの業者は何をどのように受給しようとしていたのか、別の意味で関心があります。
助成金はもし不正受給となると、もちろん犯罪(詐欺罪)であり、刑事告訴される可能性があります。支給された助成金の返還は当然のこと、その後3年間助成金を申請することはできません。今回の手続きが仮に進んでいたらあり得たかもしれません。「助成金コンサルタント」と称して一部に悪質な業者がいて、着手金と称して高い報酬を得たり、助成金の条件に該当するように申請書類などを作成するという話を聞いたことがあります。そのような業者を見分けるのは難しいかもしれませんが、今まで社内にない書類を準備してほしいと言われたり、実態にはないものをあるように見せかけたりしている、これは不正受給の可能性があります。
甘い言葉にはくれずれもご注意ください。