どこまでも平行線ではない
京都市内の通りには大小に関わらず、そのほとんどに名前が付けられています。通り名は単に道の名前を表すだけでなく、道路の交差点や住所を表す際にも用いられているのは、市民は言うまでもなく、京都に来たことのある人なら交差点や住所表記で一度は目にしたことがあるでしょう。市内のすべての通り名を覚えることは不可能に近いとも言えますが、中心部の主要な通り名を覚えると、自分が今どこにいるか、あるいは目指すところがどのあたりかがわかるようになります。
この通り名、東西と南北の通りをそれぞれ織り込んだ歌があります。私も大学生となって京都に来た時に、下宿の大家さんに教えてもらったのですが、以降市内の地理がスッと頭の中に入ったような記憶があります。さすがに30年以上住んでいるとわざわざ頭の中で通り歌を歌わなくても感覚でわかりますが、この通り歌は結構便利です。ここで東西、南北の通り歌を書くことは省略しますが、Youtubuにアップされていますので興味のある方は聞いてみてください。
さてここから、冒頭に書いた「意外な場所」についてです。それは交わるのは東西×南北の通りだけでないところがあるということ。普通、市内の交差点は東西×南北の通り名で表します。例えば烏丸通(南北)×四条通(東西)であれば「烏丸四条」、堀川通(南北)×御池通(東西)であれば「堀川御池」といった具合です。この常識が当てはまらない、東西×東西の通り名で表記される交差点が「三条御池」、京都市民でも意外に知らないちょっと不思議なスポットです。
この交差点は、市営地下鉄東西線の太秦天神川駅の真上になります。御池通りは東西にほぼ真っ直ぐですが、三条通りが途中から北西に通っていることで、より北側にある御池通と交わることになるのです。三条通はその後、嵐山のランドマークともいえる渡月橋まで続きますが、これも意外に知られていません。
京都の通りは東西南北の碁盤の目、だけではないのです。
2019年03月10日 13:06