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懲戒処分について知っておきたいこと

東山花灯路(20190314)
就業規則の作成や見直しとき、あるいは個別に事業主さまから時折受ける相談にこんなことがあります。
「社員に何らかの処分をするときにはどうしたらいいのか」

社員が社内の規律や秩序を乱したとき、あるいは社会的信用を著しく失墜するような行為をした場合に、使用者がその社員に対して課す罰則を懲戒処分といいます。その対象となる行為や懲戒の種類は、企業によってそれぞれですが、懲戒として多いのは、譴責や減給・出勤停止・降格・懲戒解雇などがあります。そしてこれらの懲戒処分に該当する行為や、懲戒処分の内容はすべてあらかじめ就業規則に定めておく必要があります。逆を言えば、定めがない限り勝手に理由をつけて減給したり、解雇しても無効とされる場合があります。

例えば私が新たに就業規則を作成する場合、まず事業主さまにご提示する懲戒事由としては以下のようなものがあげられます。
➀ 正当な事由なく、〇〇日以上無断で欠勤すること
② 正当な事由なく、届出なく遅刻や欠勤をくりかえすこと
③ 採用時に提出した履歴書などに重要な経歴詐称があったこと
④ 会社の機密事項や他の従業員の個人情報を持ち出し、漏洩したり、拡散させたこと
⑤ 故意に会社の信用や名誉を傷つけるような言動をすること
⑥ 会社を誹謗、中傷すること
⑦ 許可を得ることなく事業を営んだり兼業をしたりすること
⑧ 無許可で会社施設を利用したり、社内における備品などを私的に流用すること
⑨ 正当な事由なく会社の施設や備品を破壊すること
⑩ 刑事罰に処せられることが確定したこと
⑪ 飲酒および酒気帯びの状態で出勤したこと
⑫ 悪質なセクハラ行為、パワハラ行為、公序良俗に反するような行為があったこと
⑬ 職務を利用して不要に利益を得たり、第三者に不当に利益を供与する行為があったこと
⑭ 再三にわたり、就業規則等に違反し、指導にもかかわらず改善がみられないこと

ただし、これらの事由に該当したからといってすべての場合に懲戒処分できるわけではありません。その行為が会社に不利益で秩序を乱し、かつ処分の内容も社会通念上妥当である必要があります。「これだけの被害を会社に与えたのだから、これくらいの懲戒処分はなむを得ない」という妥当性が求められるということです。また、懲戒処分をする前には、当事者に弁明の機会を与えること、過去の処分との公平性なども求められます。

懲戒処分を行うには、就業規則にその事由や処分の内容を定め、適正な方法によって公平な手段によって行うことが必要です。間違っても一時の感情や個人的な都合で行われるものではあってはなりません。

 

 

2019年03月14日 07:40
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
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