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こんなときは随時改定の対象にはなりません

冷泉通りのさくら(20190403)
厚生年金保険料や健康保険料の算定基礎となっている標準報酬月額、給与の変動によって見直しとなるケースがいくつかあります。今日はよく受ける質問からいくつか抜粋です。

まず標準報酬月額の見直しにはその代表的なものとして「定時決定」と「随時改定」の2つがあります。定時決定とは、毎年1回、原則としてすべての被保険者を対象として、4月~6月に支払われた報酬を元に計算され、その年の10月から翌年9月までの保険料の基礎となる標準報酬が決定されます。この3カ月間の報酬には、残業手当も含まれることからよく「4月から6月は残業しない方がいい」とも言われますが、標準準報酬月額は毎月の保険料の基礎だけでなく、将来年金を受け取る時のベースにもなります。高くなればその分貰える年金もふえることになることを考慮すれば、どっちもどっちとも言えます。

次に随時改定、これは定時決定で決められた標準報酬月額が実態に合わなくなった場合(条件として2等級以上の変動があった場合)に、途中で見直すための仕組みです。いくつか条件を満たす必要がありますが、ここでよく受ける「こんな時は見直す必要があるの」の代表ケースを以下に紹介します。ここでポイントとなるのは、随時改定では「17日以上の勤務」「固定的賃金の変動」「2等級以上の変動」をすべて満たすことです。

①病気で欠勤して給与がゼロになったときはどうなるのか
給与がゼロになったとしても退職したわけではなく、厚生年金や健康保険の資格を失ったわけではありません。そのため病気休職中でも医療機関で健康保険証を利用して治療を受けることができます。もしゼロになったとしても、随時改定には該当しません。なぜなら、ポイントである「17日以上の勤務」を満たしていないためです。

②残業代が増えて給料が大きく増加した
いくら残業代が増えたとしても、「固定的賃金の変動」に該当しない賃金の上昇は随時改定の対象外となります。

③固定的賃金は下がったが、残業代が上がったことで2等級以上変動した
随時改定では「上がり・上がり」または「下がり・下がり」の原則といわれるものがあり、固定給が下がったのに、残業手当が上がったことで2等級以上の差が出ても対象とはしないことになっています。つまり標準報酬の平均を求める際には、残業手当も含めた全体で計算されますが、随時改定の条件としては、固定的賃金が上がった場合には2等級以上上がった、もしくは下がった場合には2等級以上下がった場合となります。

特に③についてはうっかり間違えてしまうケースが多いので注意が必要です。会社で給与計算を担当している人は、くれぐれもご注意を。

 

 

2019年04月03日 14:45
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
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