特別療養環境室って知っていますか
病院に入院したことのある人ならもしかして利用したかもしれませんが、よくテレビの医療ドラマなどで教授を初めとする多くの医師が入院中の患者を順番に見て回るシーン、一般的にその部屋にいる患者は6~8人のいわゆる「大部屋」といわれる部屋です。これに対して、個室など一定の条件を満たした部屋を「差額ベッド」と言いますが、これが「特別環境療養室」と言われるものです。
この差額ベッドの条件、厚生労働省の通達では以下のように定められています。
①一つの病室の病床数(ベッド数)は4床以下であること
②病室の面積は一人当たり6.4平方メートル以上であること
③病床ごとのプライバシーを確保するための設備があること
④特別の療養環境として適切な設備を有すること(個人用の机や椅子、照明など)
大部屋に入院する場合、その費用は健康保険で賄われるため通常の医療費を超える費用は発生しません。これに対し、差額ベッドを利用した場合には「特別環境療養室料」として追加料金が発生します。いわゆる差額ベッド料といわれるもので、この費用を民間の医療保険で補うことをよく薦められます。間違った方法ではありませんが、一口に差額ベッド代といっても、部屋のタイプや病院によって大きく異なります。というのもこの特別環境療養室料は各病院で料金を設定できるため。よってその料金はピンキリですが、厚生労働省の調査結果によればその平均は1日7,000円前後。もし入院した際の差額ベッドを保険で備えておくなら、5,000~10,000円というところが相場でしょうか。
厚生労働省の通知にはもう一つ基準が定められています。それは病院が設置することができる差額ベッドの数、民間病院で全体の5割、国が設置する病院は2割、地方公共団体が設置する病院で3割までと定められています。また差額ベッドに入院するには原則として患者からの申出とその同意を得る必要がありますが、病院の都合によりやむを得ない場合や、治療のために必要とされている場合には、患者の同意の必要なく差額ベッドに入院させることができます。ただしこの場合には差額ベッド代は請求できません。
あまり縁があってほしくないものですが、生命保険に入院特約を付けるときのトリビアとして頭の片隅でも置いておくといいかもしれませんね。
2019年04月04日 19:56