最近見かけた2つの光景
祇園の白川疎水沿いや、巽橋界隈でよく見かけるいわゆる「結婚式の前撮り」。以前には昼夜を問わず、あるいは勝手に民家に立入り、観光客の通行を撮影の都合で制限したりと、余りにそのマナーが問題となったことで一定の制限が設けられた「はず」でした。ところが、今月の上旬、ちょうど桜が満開の頃に通りがかったとき、その制限はまったく機能していない、というより以前よりひどくなっているような状況でした。場所は白川南通り、満開の数本の枝垂れ桜の木々の前では、それぞれ撮影業者が陣取っての前撮り、その数なんと10組という状況でした。その10組のうち、おそらく8組は東南アジア系の顔立ちのカップル、外国人だからダメというつもりはありません。ただ、もはやそこは風情を感じるという場ではなく、単なる撮影のためのセットとしか見られていないことに、ちょっと複雑な気分にさせられるのは私だけでしょうか。
「まるでテーマパークのパビリオン?」
今年に入ってから、顧問先との打ち合わせで定期的に嵐山に行きます。京福電鉄嵐山駅から顧問先までの道中にすれ違う人はほとんどが外国人、そして非常に気になるのは食べ歩きをしながらスマホで自撮りをしたり、ビデオを片手に歩く光景。時折、神社やお寺の入り口で石垣に座ったり、石塀にもたれかかって食べている姿も見かけます。京都市内の観光地では最近ゴミ箱を減らす傾向にあり、当然食べた後のゴミもあちらこちらで見かけます。外国人観光客から見ると、京都は文化や自然に触れる観光地ではなく、テーマパークという感覚なのでしょうか。「自由に飲み食いをして、楽しんで、ゴミは誰かが片付けてくれる」、最近日本人観光客が激減している理由がわかるような気がします。
「外国人は観光に来ないで」とは思いませんが、マナーの悪さが地元市民にとって徐々に印象を悪くしていることは間違いありません。年々増える訪日観光客の数だけに目を向けるのではなく、質の向上を求める努力も必要なんだろうと思います。
2019年04月21日 11:43