選択肢の拡大、それともいずれは・・・
今日の朝日新聞朝刊の記事によれば、政府は年金の受給開始を選択できる年齢を70歳超にまで広げるための法改正案を、来年の通常国会に提出する方針を固めたとのことです。現在の年金の受給開始年齢は原則として65歳ですが、それぞれ前後に5年間繰上げもしくは繰下げを選択できるようになっています。60歳から70歳の範囲で選ぶことができる仕組み、これを60歳から70歳超に拡大するための改正となりますが、70歳超を何歳とするかは今後検討されるとのこと。
現行制度では65歳よりも早く受給する場合には1ヶ月早めるごとに0.5%減額され、逆に65歳より遅く受給する場合には1ヶ月遅くするごとに0.7%増額された年金が終身続きます。仮に60歳から受給する場合には満額の70%、70歳から受給する場合には満額の142%となるわけですが、現実には多くの人が早くもらう方を選択しています。70歳超まで拡大することにどれくらいの効果があるのかは未知数といったところでしょうか。
少子高齢化が今後も進む状況では何らかの対策は必要なんでしょう。ただ、現役世代にとっては毎月の年金保険料の支払いは、受給者が受けている年金の負担と同時に、将来年金を受けるための権利を得るためとも言えるのが現在の年金制度。今後、その時の制度で得られるはずの権利が、改正後では得られなくなるということが続けば、ますます将来が見通せなくなります。
もっとも今回の改正、受給開始年齢を60歳~70歳超とすることで、いったんは現在の60歳から64歳までの選択肢は残ります。ただ、そう遠くない将来に原則70歳から支給とし、選択できる年齢を65歳~75歳とするための布石なのでしょうね。人それぞれなんでしょうが、60歳代をどう生きるか考えないといけないのかもしれませんね。
2019年05月18日 05:47