社員代表になれる人、なれない人は誰?
では社員代表の定義としては以下の条件を満たす人でなければならないとされています。
①労働者の過半数で構成された労働組合
②①の労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者
②の場合、代表する人になれない人として、労働基準法でいう「管理監督者」が該当します。管理監督者とは、会社の運営にあたり、使用者と一体の立場において職務を遂行する人が該当します。役職名は企業によって異なりますが、支店長や工場長、部長といった人事権に強い影響力を持つような人が該当します。こういった人が労使協定の労働者側となって使用者と協議をすることは適切ではありません。そのため労働者代表とはなれないのです。
一方で管理者であっても労働者的な性格が強い人で、人事や給料などを決定するにあたりそれほど大きな権限を有していない人は、仮に支店長や部長といった肩書があったとしても、管理監督者には該当せず社員代表となれるとされます。
よくあるのが、管理監督者には該当しないもののその決定方法が要件を満たしていないケースです。社員代表はあくまでも社員間で選挙や話合いなどで決定されなければならないのですが、使用者の意思で決定されていることがあります。管理監督者に該当しない社員の中で一番年次の高い人や、コントロールしやすい使用者に近い人を選出するケースです。こういった人が署名・捺印している労使協定は大きな問題があると言えます。
企業にお勤めの皆さん、労使協定に署名している社員代表が誰かを知っていますか?
2019年05月31日 08:03