減少社会が続くことを織り込んで考える
自然減とは単純に出生者数から死亡者数を引いた値、2018年の出生者数は91.8万人に対し死亡者数が136.2万人でその差は44.2万人のマイナスとなっています。海外からの転入出数は加味されていないため、実際の人口増減を表すものではありませんが、昨年もまた一つ、中核市くらいの市が一つなくなったと言えます。ちなみに2018年の総人口は1億2422万人、ピーク時の2008年に比べると381万人の減少です。
出生率を見ればかつて「1.26ショック」と呼ばれた2005年に比べ、昨年は1.42と上がってはいますが、そもそも若い世代自体が減少しているため、その分を考慮すれば出生数自体は最低を更新し続けているといった状況、もはや上向く要素は見当たらず、この国の人口は減少し続けるということを前提に考えなければならないんでしょうね。
人口に見合った規模にスリム化して不要な出費や負担を減らす、例えばいずれ立ち行かなくなる大学をどうするか、どう見ても要らないと思われるハコもののインフラをどうするか、そろそろ「抑制」といううことも考えないとコストだけがムダにかかってしまいます。一方で昨今よく言われる若年層の減少による労働力不足ですが、こちらも早く世の中の仕組みを変えることが必要です。労働意欲のある高齢者や、育児中のパパママ世代や子育てでいったんリタイアした女性が就業しやすい職場や仕事を創造する、若い世代の就業意欲を高めることも必要です。個人的な考えですが、働いた分がリタイヤ後の生活に直接リンクする、誰しもがそれを実感できる究極の仕組みとして、今の基礎年金や厚生年金を個人単位の年金とすることが最も効果があるのではないかと考えます。誰しも働いた分が将来の生活と結びつけば、就業意欲は各段にアップすると思うのですがいかがでしょうか。
内閣府のホームページでは、人口減少の原因と思われる事項について述べられています。仮に対策がされて出生数が反転しても、これからの日本はこれを上回る多死社会、少なくとも向こう20~30年は減少が続くことを織り込んでおかないといけません。そうすればプラスの面も見えてくるのではないでしょうか。
☞「どうして日本では少子化が深刻化しているのですか」~内閣府のホームページはこちら
2019年06月10日 20:12