まずは目標をはっきり掲げましょう
その議論のテーマはどうやって社員に売り上げを意識した動きをしてもらえるか。或いは自分のポジションに応じた働きをしてもらえるかという点について。昨年同時期に比べて会社の売り上げが落ちていることを気にされているオーナーの「何とかしなければ」という思いと、単にはっぱをかけただけでは、なかなか人は思い通りには動かないという私個人の自論から、ではどうしたらよいか云々となったのです。
単に売り上げが落ちているといっても、何が原因なのか、時期的な一過性のものなのか、収益(純利益)としてはどうなっているのかといった点についても精査しなければいけません。また社員からすれば、そもそも会社の売上目標とはいくらなのか、それに対して実際にところはどの程度であるのか、示されなければ分かりませんし、対策を講じることもできません。そこで、早々に月ごとの売り上げ目標と、日々の達成度をオフィス内に掲示して、社員全員が意識できるような仕掛けを作ることになりました。また、店長やチーフといったポジションにある人に対しては、その目標に対して自分がどうすればよいかを考え、社内ミーティングで発表するようにオーナーから早速指示が出ていました。
役員レベルが考えるべきことを、いきなり社員に考えろというには無理があります。でも目標に対して自分が何をすべきか、どう行動するべきかは考えることはできます。小さなことの成功体験を多く積ませて、毎日少しづつ成長することが後々の大きな成長となります。これまでオーナーが抱え込んでいたことを、目標を掲げることで少し社員にリリースする、出来たら褒めて、また少しだけ高い目標を掲げる。社員の成長はこの繰り返しなのではないかと思います。
最もやってはいけないことは、朝礼暮改のように目標が変わったり、成長のためとはいえ越えられないハードルを与えて精神的に追い込むようなこと。経験上、これでは人が育つどころか、社員の気持ちが離れて行くばかりです。目標を掲げて、じっくり、ゆっくりがポイントです。
2019年06月21日 17:12