平成28年➡平成29年で4倍になったもの
これは、労働基準監督署が定期監督または申告に基づく監督を実施し、割増賃金の不払いに係る指導を行い、1企業で合計100万円以上の未払賃金の支払いがなされたものの集計総額です。100万円未満については集計対象となっていないため、実際にはもっと多額と思われますが、平成28年度が約127億円であったのに対し、平成29年度は約446億円であったとのことです。
確かに最近ネットのバナー広告などでも、「残業代は取り返せます」云々といった見出しや、その経験談をつづった記事を見かけることが増えました。一説には消費者金融で問題となった過払利息の返還が落ち着いたことから、今度は未払賃金に社会の関心が移っているとの話を聞いたこともあります。いずれにしても、現実に未払賃金がある以上、それを支払ってもらいたいというのは、働く側にとっては切実な問題です。
現在の法律では賃金の時効消滅は2年、よって未払い請求も無制限に遡れるという訳ではありません。また、そもそもこういった問題が生じないようにすることが重要で、使用者側としては出勤簿や残業時間の把握や管理、賃金計算のチェックなどを行い、キチンと処理しておくこと、のちのちの労使トラブルのタネにならないようにしておくことが重要です。
勤務表や休暇台帳を作成していない、あるいは賃金台帳を作成していないなど、まだまだよく耳にします。労働者のモチベーションのためにも賃金トラブルはできるだけ避けることが重要です。
2019年07月02日 16:50