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かんぽ生命の不祥事から思うこと

真如堂のあじさい(20190710)
かんぽ生命の保険販売で、顧客に不利益となる契約手法が明らかになり大きな問題となっています。

保険料の二重払いや、旧契約から新契約への「乗り換え」によって結果として保険料が上がることが説明されていない、病気などで新しい保険に加入できない無保険となってしまったなど、どれもこれもひどい話です。そのターゲットとなっていたのが高齢者であったり、あるいはその目的が職員の手当が減少しないようにするためだったとか、言葉を変えれば詐欺のような手法です。

でも今回の報道を見ていてふと思い出したのは、同様のことが以前には民間の生命保険会社でもあったこと。今から20年ほど前、保険会社は予定利率の高い契約、保険会社にとっていわゆる「逆ザヤ」といわれる契約を、予定利率の低い新商品に「乗り替え」を進めるといった営業手法を行いました。保険会社ではこの「乗り換え」を「転換」といいますが、問題になったのは顧客に取って不利益になることを告げずに、新商品のいい面だけをアピールして販売を進めたことでした。保険会社にとってはバブル期に販売した利回りの高い貯蓄型の養老保険を、利回りの低い新商品に転換すれば「逆ザヤ」が解消されます。保険会社の利益は契約者にとっては不利益、それがきちんと説明されないということが横行したのです。

このような経緯もあり、保険業法が改正され、保険契約者に対して不利益な事実を告げずに既存の保険契約を消滅させ、新たな保険契約の申し込みをさせる行為は禁止されました。また虚偽のことを告げたり、保険契約において重要な事項の説明を行わない行為も禁止されています。今回のかんぽ生命の販売方法は明らかにこれに反していると思えるのですが、いかがでしょう。

会社自体の利益や社員の給与を最優先にすれば、消費者のことは後回しになるのは、何も保険会社に限ったことではありません。世の中の弱肉強食の一面を見ているようで、複雑な思いになる今回の不祥事です。
   
2019年07月10日 06:55
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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