退職証明書とは何でしょうか?
「退職したことがないのでわからない」という声が聞こえてきそうですが、そもそも退職証明書とは何でしょう。これは企業が退職者に対して交付するもので、そこには次のようなことが記載されていいます。
①氏名
②雇用期間(採用日および退職日)
③業務の種類およびその事業における地位
④退職時の給与額
⑤退職理由
など
この退職証明書がどんなときに必要か。例えば、退職後に市町村で国民年金や国民健康保険の加入手続きをする場合があります。このとき、公的保険の加入の重複がないことを確認するために提出を求められることがあります。また、退職後にハローワークで失業保険(基本手当)の受給手続きをする際にも、退職理由を確認するために求められることがあります。
そしてもう一つは、転職時。再就職先で履歴書と併せて提出を求められることがあります。これは、本人が提出した履歴書の内容の真偽を確認するため。履歴書はあくまでも本人の自己申告によるもので、その真偽は定かではありません。一方で退職証明書は公的書類とはいかないものの、企業が交付するものです。再就職先の企業では退職証明書によって応募者の経歴を確認することになるのです。
この退職証明書の交付、あらかじめ企業に義務付けられているというものではありません。よって労働者からの請求がなければ交付する必要はありません。が、請求された場合には労働基準法第22条によって次のように定められています。
❶遅滞なく交付すること
❷労働者が請求しないことを記入しないこと
❸あらかじめ第三者と図り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関すること、秘密の記号を記入しないこと
もし退職時に交付してもらえなかったとしても、退職後2年以内に請求すれば事業主は交付しなければならないことも、同じく労働基準法に定められています。何かと利用する機会が多いので、あらかじめ退職時には交付してもらっておくのがよいかと思います。
2019年07月23日 14:35