決めるのはあくまでも労働基準監督署です
業務中や通勤の途中でケガをした場合、労災(労働者災害補償保険)を使って治療を受けることができることは皆さんもご存知のとおりです。ただ、実際に労災を利用して治療を受けたり、給付金を受給したことのある人はそんなに多くはありません。そこでこんな話が出たのかもしれません。
「労災申請しようと会社に相談したら、「この程度のケガでは労災の対象にならないので、申請しても無駄だよ」って言われので、申請しなかった。」
労災の対象となるには、次の条件を満たす必要があります。
①仕事中に負ったケガ・病気であること(業務遂行性)
②仕事がケガ・病気の原因であること(業務起因性)
③労災保険の適用事業所の労働者であること
また、通勤災害と認められるには
❶就業に関し、合理的な経路及び方法により行うものであること
❷逸脱・中断をしていないこと
❸住居と就業の場、就業の場と就業の場の間の往復であること
労災の対象になるかどうかは、上記①~③(通勤災害の場合には❶~❸)を総合的に判断して行われますが、その判断をするのは会社ではなく、労働基準監督署が行います。そのため、もし会社が「該当しない」と判断して、申請に必要な手続きに協力しない場合、労働者自らが申請を行うことができます。ハラスメントによる精神疾患などでは、故意に協力しない場合も想定されます。そんなときは自ら申請することもできるので、迷わず労働基準監督署に相談することをおススメします。
そしてもし労災保険が使えなかった場合には、業務外の事由によるケガ・疾病ということで、健康保険を使うことができる可能性がありますので、ご参考までに。
2019年07月24日 12:07