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お金の問題は一括りでは語れません

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金融庁が報告書の中で「老後資金が2,000万円必要」として資産運用を勧めたことから端を発したあれこれ、もうずいぶん前のことのような気がしませんか。あの問題、どこに行ったんでしょうか。

一時は報道でも大きく取り上げられ、野党は7月に行われた参議院選挙の争点にもするような勢いでした。が、最近あまりこの数字を聞かなくなりました。一方で、2000万円という数字が妥当かどうかは別として、老後のお金の問題を考えるという観点でいえば、まったく無駄ではなかったのではないかと思います。

この件がめっきり沈静化したのは、ふと冷静に考えば、単に2,000万という金額だけで右往左往することにあまり意味のないことだと、気がついたからではないでしょうか。必要なお金は人それぞれ異なります。例えばファイナンシャルプランナーが「私は老後までにいくら準備したらいいでしょか」と相談を受けたとき、家族構成や現有資産(負債)、現在の家計収支、社会保険・私的保険の加入状況など、最低限必要な情報は少なくありません。こういったパーソナルデータは十人十色、二人と同じ人はいません。意外に2,000万円も要らないという人も実は多いのではないかと思います。

もっともポイントとなるのは、まずその現状を把握すること。家計のバランスシートを作って資産と負債を把握し、今の状況で定年時にどうなるかを「見える化」することです。これをしなければ過不足が判断できません。そのためには、まずは家計簿と年金定期便、貯金通帳があれば十分です。やってみてはどうでしょう。

お金の問題は人それぞれ、一括りで「いくら足りない」とは言えないのです。
 
2019年08月10日 13:11
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
マンション管理士
一柳 賢司

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