親の背を見て子は育つ
それは、嵐電天神川駅で電車を待っていたときのこと。この駅は電車が路面を走る区間にあるため、道路と道路に挟まれた非常に細いホーム構造となっています。そのため、電車待ちをする人は2カ所の乗降口付近で基本一列に並んで待つことが暗黙のルールとなっています。
嵐山と四条大宮を結ぶこの路線、平日とはいえ観光客と思われる外国人が多く並び、地元の人がちらほら、ビジネスバッグを持っているのは自分一人という状況。自分は5番目に並んでいるところに、電車が入ってきました。そこで見た光景が「どうなんだろう」と考えさせられるもの。電車が停車しそうになったとき、人の列と電車の間をスルスルッと走る二人の子ども。完全に停車したときにはちゃっかり先頭に並んでいる人とドアの間に入り込み、ドアが開くと同時に降車する人を押しのけてダッシュ、しっかりと空いた席をゲットしていました。
ところが、これにはまだ続きがあります。あとからゆっくりと乗車してきたこの子どもたちの両親と思われる二人、当たり前のように子どもと席を交代し、スマホいじりが始まりました。子どもたちは次の駅で降車する人の席を素早く見つけて、しっかり確保していました。話している言葉から、最近いろいろとうまくいっていないお隣の国からの観光客のようでしたが、さて、皆さんがこんな光景を見たらどう考えますか?
ある意味でこのチームワーク、いつもしている行動なんでしょうね。順番を無視して割り込んだところまでは、100歩譲って「子どもなんで仕方がないか」とも思えますが、その後の行動は、親とはとても思えない行動です。将来親となる子どもに教えるべき行動ではありません。子どもを使って席を取るという考え方が受け継がれるとすれば、この子どもたちにとって不幸なことです。
親の背を見て子は育つ、そんなことを考えさせられたわずか3分間の出来事でした。
2019年08月20日 18:31