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ブログ(日々雑感)

住宅ローン控除を受けるには

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先日、給与計算を請け負っている会社の社員さんから直接ご連絡を受けました。
「昨年住宅を取得したんですが、不動産会社から何か税金でメリットか受けられると聞いたので・・・」

住宅ローン控除のことだろうと思いながら話の続きを伺うと、「給与計算をしている担当社員さんに聞いてください」と最後に説明を受けたとのこと。会社に聞くと給与計算は顧問社労士事務所に委託してるということになり、私の携帯が鳴ったという経緯でした。このブログを読んでいただいている方にも、昨年家を買ったという方、いらっしゃるかもしれません。

さてこの住宅ローン控除、いろいろと条件はありますが簡単に言えば、10年間住宅ローンの残債(ローン残高)の1%に相当する額の所得税を軽減してくれる制度のこと。ただし、消費税が10%となる住宅については13年間となっています。仮にローン残高が2,000円とすれば、1%といえども20万円になり、10年もしく13年適用をうけることができれば、負担軽減は大きいと言えます。

ではどうすれば住宅ローン控除を受けられるかですが、初年度については自分で確定申告を行う必要があります。最初の年だけはいろいろな書類を提出する必要があり、会社から税務署に対して提出する申告書だけでは対応できないため、どうしても個人で行わなければならないのです。おおよそ以下のような書類が必要になります。
①確定申告書
②住宅借入金等特別控除額の計算明細署
③本人確認書類の写し
④土地・建物の登記事項証明書
⑤土地・建物の売買契約書の写し
⑥源泉徴収法
⑦住宅ローンの残高を証明する書類(残高証明書)

などです。①と②ついては、自分で作成する必要があるので少し手間がかかります。が、2年目以降は税務署から送られてくる住宅借入金等特別控除証明書に必要事項を記入し、住宅ローンの借入先から送られてくる⑦住宅ローンの残高を証明する書類(残高証明書)を併せて会社に提出することで、年末調整で住宅ローン控除をうけることができます。

先の社員さんにも、「1年目だけはご自身で手続きを行ってください。2年目以降は頂いた書類を元にこちらで対応します」とお伝えし、別途①と②の書類の書き方を説明した資料を会社経由でお渡ししました。該当する方、大きなメリットのある制度ですので、申告漏れのないよう手続きをしてください。

 

2020年01月18日 11:36

欠勤控除、するべきときにしていますか?

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社員が突発的な体調不良や個人的な事情で会社を休んだとき、有給休暇としない場合には無給として本来の給与から相当分を控除する、いわゆる欠勤控除が行われます。

とは言いながら、実は会社によっては暗黙の了解で控除をしていない、普通通りの給料を支払っているところも決して少なくありません。年次有給休暇は労働者からの事前申請にもとづく事業主の承認によって取得することが前提であり、体調不良による休みの時など、事後に年次有給休暇を申し出た場合に、事業主はそれを承認する義務はありません。つまり、欠勤控除をしても法的には問題はないのです。

が、会社の長年の慣行によって、本来欠勤控除すべき(できる)休暇に対して給料を支払っている場合、社員や該当する日が少ないうちはそれで良いのかもしれませんが、社員が増え申し出の絶対数が増えることで多額の負担が必要になったり、あるいはこれを逆手にとって、詐病によって給与を得ようとする人も出てくるかもしれません。そうなる前に、本来あるべき賃金制度に見直すことをオススメします。不要な手当は支給する必要はないのです。

しかし労働基準法を上回る雇用条件が長く慣例として続いてきている場合、それは労働者の既得権であり、勝手に変更することは不利益的変更となり認められないことがあります。そのため、即時に無くすというのではなく、一定の経過期間を設けて移行するとか、それに代わる制度を設定するといった配慮が求められることになります。

本来の「ノーワーク・ノーペーイの原則」に立ち返り、働かなかった時間についてはキチンと控除し、働いた時間をしっかり評価する、そんな制度にしていくことがポイントです。

 

2020年01月17日 19:12

書面での提出は今年が最後

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私のような個人事業者である人は、一定の要件を満たすことで青色申告事業者として「青色申告特別控除」受けることができます。が、これが来年度から代わることを個人事業者の皆さんはご存じですか?

それは来年度(令和2年度分)の確定申告から、
e-Tax を利用して申告書及び青色申告決算書を提出する
②電子帳簿保存法に対応する会計ソフトを用いて記帳し、かつ電子帳簿保存の承認申請書を税務署に提出する

のどちらかをしなければ現在と同額(65万円)の青色申告特別控除を受けることができず、控除額は55万円となってしまうのです。基礎控除と合わせると113万円か103万円かとなるわけですが、この10万円は大きいですよね。

私の場合にはこれを機にマイナンバーカードを取得して、e-Taxによる申請をしようと考えています。カードリーダーも購入しなければならないため、最初は多少の負担が必要ですが、10万円と引き換えとあらばやむを得ない投資です。

書面による提出は今年で最後となりそうです。個人的には税務署へ提出して受付印を押してもらったときの満足感がよかったのですが、これも時代の流れ、致し方ないですね。


参考
「令和2年分の所得税確定申告から青色申告特別控除額・基礎控除額が変わります!!」についての国税庁のサイトはこちら

 

2020年01月16日 19:38

社員代表の選び方、間違っていませんか?

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皆さんの会社では時間外や休日労働に関する労使協定(いわゆる36協定)や、変形労働時間制に関する労使協定を結んで、所轄の労働基準監督署へ届け出ているところがあるかと思います。その協定書に署名した皆さんの代表、誰か知っていますか。

労使協定書はその名の通り、労働者と使用者双方が署名することが必要です。使用者は会社の代表である社長や、個人事業主が該当しますが、さて労働者代表は誰がどのように選んだ人でしょうか。もし、「社長が選んだ人」とか、「相応の年次の人が持ち回りでやっているみたい」といった人が該当すれば、労働者代表としての要件を満たせない可能性が高いと言えます。

労働者代表を選ぶにあたってのポイントは3つ
①管理監督者でないこと
②何のために選出するか(例えば36協定書に署名するなど)を明示して実施する投票や挙手などの民主的な方法によって選出されたこと
③使用者の意向によって選出されたものでないこと

が必要です。先ほどの「社長が選んだ人」は③に反することになり、「相応の年次の人が持ち回りでやっているみたい」であれば②に反することになります。いずれにしても要件を満たしているとは言えません。

もしこの要件をみたさない労働者代表が署名した36協定が労働基準監督署に届出されたとき、受理されないということはありません。なぜなら労働基準監督署では、都度そこに署名している人の要件までチェックするほどのマンパワーも時間もないためです。となると何が問題になるのか、届け出ているこの労使協定はそもそも無効ということです。労働基準監督署が受け付けた労使協定は、そこで有効(合法)ということではなく、あくまでも届出を受理しただけです。もし、この労使協定に基づいた時間外労働や休日労働について、それが合法か違法かと問われるようなことが起きた場合、そもそも労使協定に効力がなければ「違法」となってしまうということです。

たかが労働者代表といって、適当に選任していると、後でとんでもないしっぺ返しが来るかもしれませんよ。

 

2020年01月15日 18:50

働き方改革のポイントは「ムリ」「ムラ」「ムダ」の発見と対策

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最近、ある教育関係で働いている方とお話をする機会があり、本来の話が終わった後の余談でこんなことをこぼされました。
「働き方改革なんてウチには全く関係なし、残業も月100時間を超えているし、ザービス残業も多いんです」

働き方改革のいくつかの施策は理想であり、本来そうあるべきなのですが、現実としての取り組みはどれくらいなんでしょうか。企業規模によってそれぞれ導入時期は異なるのですが、例えば昨年4月から導入された有給休暇の取得義務化は全ての事業所が対象となっています。年間10日以上の有休を付与されている人には5日間取得させなければなりません。みなさんはいかがですか。

立場上、働き方改革についてしっかり説明し、広げていくことが私たちの仕事なのですが、現実的に難しい面は少なからずあります。先ほどの教育関係の方の職場であれば、人が相手の仕事であることが勤務時間を長くしてしまうようです。学校行事や生徒指導、就職支援などどれもコミュニケーションが求められるだけに、時間で仕事を割り切ることがしにくいという面があります。またその全ての時間について残業とすることは、職業柄難しいとのことです。

以前にも当ブログで書いたのですが、世の中の仕事は多種多様で、そこでの働き方も多様化しています。これに対してカチッとしたルールを一律に当てはめていくのは難しいと感じます。私の顧問先もいろいろな業種がありますが、より人を相手にするサービス業ほど導入していくのが難しいというのが現実ではないかと思います。もっとも難しい、できないといって何もできないということでは我々の存在価値がありません。難しい中でもいろいろな手を尽くして、導入を図っていくことを心がけています。

ちなみに私は顧問先で働き方改革を進めるにあったって最初にすること、『「ムリ」「ムラ」「ムダ」の発見と対策を考える』です。参考にしてください。

 

2020年01月14日 18:13

矛盾はこれに限ったことではないけれど

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先日の朝日新聞朝刊にこんな見出しの記事を見つけました。
「ギャンブル依存症治療 4月から保険適用方針」

最近何かと話題のIR(カジノを含む統合型リゾート)、政府はその設置を進めてますが、厚生労働省はギャンブル依存症の治療に対して今年の4月から公的医療保険の適用対象とする方針を示したとのことです。同新聞からの引用になりますが、具体的には依存症の人が集まってグループでその経験を語り合うことで、依存症からの脱却につなげるという「集団治療」が想定されているとのこと。さて、どう思いますか。

政府としてはIRを進めて行く上では、設置後に少なからず依存症となってしまう人が出てくるという問題を避けて通ることはできません。そのためにその治療に対しては公的医療保険の対象とすることで、政府としてセーフティネットを用意します、ということでしょうか。でも自らの意思で始めたことで依存症になった人に対して、税金や保険料を費やすことへの非難もあります。ちょっとした矛盾であり、非難はもっともなことです。

ただ他に目を転じてみると、同様のことは多々あります。例えば喫煙者が肺がんとなった場合や、飲酒によって肝臓を患ったような場合、因果関係の大小にかかわらず、保険適用によって治療を受けることができます。もしカジノ依存症による治療に対して「保険適用は矛盾している」ということになれば、喫煙者や酒豪の人への治療も同じということになります。医療に対する負担を杓子定規のように図ることはできません。声高にカジノ依存症だけを非難することはできないのではないかと思います。

もっとも年明けの国会で、今話題となっている中国企業からの収賄に関する問題と、この医療保険の問題をバーターで議論するようなことはことになるのでしょうか。度々繰り返される、人質を取ったかのごとく議論され、何も進まないという光景にはうんざりですよね。収賄と保険適用の有無の是非は分けて議論していただきたいものです。

 

2020年01月13日 16:48

チェック機能が無いことにも一因あり

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最近、ある労働組合で組合の積立金を、10年以上の間に合計で10億円着服していたという事件がありました。

この手の事件はしばしば起きますが、よくあるのがこれだけの大金を自分の口座に移動していても誰も気づかない、気づけないということ。そもそも管理をしているのが本人だけというところに問題があります。今回は労働組合の職員が起こした事件、組合員が支払うお金で運営するという制約があり、潤沢な人員で運営することは難しいのかもしれませんが、やはりお金の管理にはチェック機能が必要です。

今回はチェックされる口座から自分の口座に移動したお金を、別のチェックされない口座から補填していたとのこと。口座の残高のチェックだけでなく、入出金の経緯をチェックするということはなかったのでしょうか。どこから入金があって、どこへ出金したか、今時はネットバンキングでしょうから全ての経緯は一目瞭然のはずです。チェックもそれほど難しいことではないと思うのですが。


横領した本人に非があるのは言うまでもありませんが、そういうことができない仕組みを事前に作っておくことも必要で、それがなかったことにも今回の事件の一因があるのかもしれません。

 

2020年01月12日 08:01

賀詞交換会に出席してきました

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昨日は京都府社会保険労務士会の賀詞交換会に出席してきました。

毎年、1月4日以降の第1金曜日に開催される賀詞交換会、今年は京都会の理事という立場での出席のため、裏方のお仕事をしながらの出席となりました。毎年多くの来賓の方が出席されるのですが、この時期はいろいろな団体が同様の会を催しているようです。国会議員や府会・市会議員の先生方はお忙しい中でのご出席のようでした。

さてこの賀詞交換会、サラリーマンの頃にはまったく縁のないものでした。年明けに経済団体が開催した際のニュースをテレビで見る程度、そもそもどういったものか、皆さんピンときますか。「単なる新年会では?」と思う人もいるかもしれませんが、実は意外にありがたい催しでもあります。それは新年のご挨拶を同じ場所で複数の方に対して同時にでき、またこの場を機に新たに名刺交換ができることです。サラリーマンの頃と違い、個人事業主の今はこういった機会がないと一カ所に集まることはできません。集まれば世間話はもちろん、情報交換をすることもできます。先日もいろいろとお話を伺うことができました。

ただ、顧問先での仕事が急遽舞い込み、お酒は抑えて二次会にも参加できなかったことがやや残念でした。

 

2020年01月11日 09:47

意外に知らない、年金の基礎のキソ

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顧問先で社員さんに対して「社会保障の話をしてほしい」との依頼を受けることがあります。そんなお話の冒頭でよくする質問がこれです。
「自分が入っている年金は何か知っていますか?」

自分が加入している年金が何か、意外に知らない人が多いのです。会社にお勤めの人の回答でよくあるのは「厚生年金です」というもの、間違いではありませんが点数にして50点です。給与明細には「厚生年金保険料」という項目があり、毎月保険料が天引きされていますので、厚生年金に加入していることはみなさんご存知のはずです。でも中には支給額のみを見ていて、中身をしっかり見ない人の中には厚生年金に加入していることすら知らないという強者?の方もいらっしゃいます。まずは最低限、厚生年金保険は抑えておいてほしいものです。

さて残り50点ですが、それは基礎年金(国民年金)にも加入しているということ。基礎年金はその名の通り、年金制度の基礎部分で20歳以上60歳未満の人は必ず加入する年金になります。日本国内に住所を有することが条件となるため、国籍も問われません。サラリーマンは言うまでも無く、学生も専業主婦も収入の有無にかかわらず加入することになります。ただし、学生や収入によっては保険料の納付が猶予、あるいは免除されることはありますが、加入そのものが免除されることはありません。

「保険料払ってませんけど」、これは基礎年金にも加入していることを説明したときに受ける質問です。確かに給与明細では先ほども言ったとおり厚生年金保険料しか控除されていません。では「基礎年金の保険料はどこから」と言うことになりますが、基礎年金の保険料は厚生年金保険料の中に含まれているのです。便宜上、保険料は一括して徴収されていますが、その保険料が国の財布に入るときには、厚生年金と基礎年金にそれぞれ分けて収納される仕組みとなっています。

また、以前は国家公務員や地方公務員、私立学校の教職員の人は、厚生年金ではなく共済年金に加入していましたが、平成27年10月から厚生年金に一元化されています。現在、公務員も含めサラリーマン・サラリーウーマンの方は、基礎年金と厚生年金に加入しているという年金制度の基礎のキソ、頭の片隅に覚えておいてください。

 

2020年01月10日 10:33

同一労働同一賃金の実施時期が迫っています

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「同一労働同一賃金」、最近よく効くキーワードですがよく質問を受けるのは「そもそもどういったこと?」というもの。過去にも当ブログで取り上げたことはありますが、改めてご紹介します。

「同一労働同一賃金」とは、一言で言えば同じ内容の仕事を同じ待遇(責任の重さなど)で働いていれば、正社員であってもパートタイマーや派遣社員であっても。同じ賃金としなければならないというものです。大企業では2020年4月から、中小企業では2021年4月から施行となっています。大企業によってはいよいよ待ったなしという状況ですが、ここでいう中小企業の定義とは以下の通りです。
①小売業   資本金5,000万円以下または労働者数50人以下
②サービス業 資本金5,000万円以下または労働者数100人以下
③卸売業   資本金1億円以下または労働者数100人以下
④その他   資本金3億円以下または労働者数300人以下
世の多くの企業は施行までもうしばらく時間がありますが、準備は早めに始める方が良いかと思います。というのも全てが同一とは限らないためです。

なぜなら、例えば正社員とパート、アルバイト社員が同じ企業で働いているとした場合、もし働き方やその立場に違いがあるのであれば、必ずしも同一賃金とする必要は無いためです。そのため、まず社内の労働者について、どういう雇用形態(正社員、有期雇用など)の人がいて、その人たちがどういった待遇で働いているかを調べる必要があります。その上で、現在給与にどういった違いがあるか、その違いがあることに正当な理由があるかを分析することも必要になります。

もし、全く同じ仕事を同じ待遇で、ほぼ正社員と同じであるにも関わらず、正社員とパートやアルバイトの間で賃金や福利厚生面などで差がある場合には、同一にしなければなりません。一方で職務内容やその責任に違いがあれば、必ずしも同一とする必要はありません。そのためにも前段でお話しした分析を行う必要があるのです。

「同一労働同一賃金」は何も賃金に限ったことではありません。福利厚生や教育訓練といった面でも求められます。まずは現在どうなっているかを調べるところから始めてください。

 

2020年01月09日 13:43
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ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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