近所から銀行がなくなる日が来る?
17日の朝日新聞朝刊の記事にこんな見出しの記事がありました。
「人口減 試される地銀の役割」
記事の内容は今年の4月に金融庁が発表した「地域金融の課題と競争のあり方」というレポートがベースになっています。このレポート、金融仲介の改善に向けた検討会議が発表した全32ページからなるもの、たまたま私も発表されたときに目にしていたものですが、その内容はちょっとショッキングなものでした。レポートの要旨を簡単に言うと、人口減少が進むなかで、資金需要が継続的に減少している。地域金融機関にとっては非常に厳しい中でどうやって生き残るのかというものです。
そのレポートの11ページ目にある資料がこちら。
図表22 各都道府県における地域銀行の本業での競争可能性(金融庁資料より一部抜粋)
この試算によれば、現在複数ある各都道府県の地方銀行が1行となれば生き残れるのが13道府県、1行でも生き残れないのが23県という結果。この23県ではいずれ地元の銀行がなくなってしまうということを意味します。また、1行残ったとしても、融資などがそこから受けられなくなったとき、近くの他銀行でということができなくなってしまいます。人口減少が招く結果とはいえ、皮肉なことです。
ただ、現実を考えてみると昔にくらべて銀行窓口に行く機会は格段に減っています。今は振込や振替え、定期預金の預け入れ、解約など多くの手続きがネットでできるようになっています。大手フィナンシャルグループもシステム化を進めて人員や店舗の統廃合を進めています。そう考えれば、銀行の減少はそれほど多いな影響はないのかもしれません。
就職活動をしていた時代、銀行は花形企業であり、かくいう私もバンカーになりたくていくつかの銀行の選考を受けました。この記事は時代の移り変わりとはいえ、いろいろと考えさせられる、そんな内容でした。