新人の配属は何を優先しますか
新入社員の場合、それまでに社内で積み上げた実績や、仕事に対する評価はほとんどといっていいほどありません。そのような状況で配属先を決めるとすれば、その方法として考えられるのは「本人の希望」か、「本人の適性」のいずれにウェイトを置くかということになるのではないでしょうか。
私が就職活動をしていた30数年前も、そして今も「こんなことがしてみたい」とい一種の憧れのようなものが企業を選ぶ一つの理由です。もちろん、仕事内容よりも会社のネームバリューを優先する人もいるでしょうが、多くの場合、仕事の内容が決め手になります。「好きこそものの上手なれ」ではありませんが、自分のやりたい仕事に就くことは、モチベーションの維持という面では大きな効果を生み出します。
一方では、憧れと現実の違いという局面に多くの新人がぶつかります。仕事は憧れだけではできるものではありません。やはりそこで重視されるのは本人の適性ということになります。言い換えれば本人が最も力を発揮できる仕事、もっとも向いている仕事ができれば、本人のためだけでなく、周りの人の仕事にも大きく影響します。総じて言えば「本人の希望」ではなく、「本人の適性」で配属先を決める方が、企業としてはメリットがあるのではないでしょうか。
その適性を見極めるのは、採用時に何度も行った面接であったり、入社前後の研修です。面接担当者や研修担当者は、短時間でその適性を見極め、どこに配属すると本人の適性を最大限に活かすことができるかを常に考えておくべきなのです。
ただし本人の希望よりも適性を優先することによって、配属前後に考慮するべきことがあります。それはなぜそうなったのかという配属の理由を本人に伝えてあげること。希望通りの配属にならなかった場合には、モチベーションの低下となりかねません。そのためにもなぜその配属となったのかを説明することは、その後に大きく影響します。
新入社員に初めての辞令を交付するとき、是非その理由を説明してあげてください。
2020年06月05日 14:34