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ブログ(日々雑感)

社労士会の忘年会に参加してきました

寒椿(20181208)

昨日は私が所属している京都府社会保険労務士会中支部の忘年会でした。

 

昨年4月に入会し、今回が2度目の出席。この2年間で一通りの研究会や研修会、総会や納涼会といったイベントに参加してきたことで、出席されたほとんどの先生方とは面識があり、いろいろと情報交換をさせていただきました。働き方改革のなか、我々社会保険労務士には今追い風が吹き、いろいろな相談や仕事の依頼を受けます。なかなか自分の経験だけで対応することが難しかったり、対応に悩むこともありますが、いくつかヒントや解決策を得ることができました。まさに目から鱗です。

 

私もそうですが、多くの社会保険労務士は幅広い業務の中から、いくつかの得意分野を持っています。自分でできない場合には得意とする同業者を紹介したり、逆に紹介を受けたりすることもあります。どの先生が何を得意とされていて、逆に自分が何ができるのか、といったちょっとお堅い情報を得るのもこういった宴席ではハードルが低くなります。サラリーマンの時も同じでしたが、まさにお酒は人間関係の潤滑剤です。

 

さて今年も残すところあと3週間、今年やっておくべきことと来年への種蒔きがいくつも残っていますが、焦らず着実に片付けていくこととします。

 

 

2018年12月08日 10:24

こんな抜け道があってもいいの?

直指庵にて(20181207)

1週間ほど前の朝日新聞朝刊の記事です。

「軽症で大病院受診時の追加料金 救急車なら請求せず?」

 

この見出しだけではピンと来ないかもしれません。以前のブログでも取り上げましたが、病院と診療所の機能分担の推進を図るため、他の医療機関等からの紹介状なしに大規模病院(大学病院などの「特定機能病院」と、病床数500以上の「地域医療支援病院」)で診察を受ける場合、「選定療養費」として初診時5,000円以上、再診時2,500円以上を、診察料とは別に支払うことが2016年の医療費改正で義務付けられています。

「保険外併用療養費」って聞いたことありますか(2018.4.6)

 

この「選定療養費」が必要になるかどうかは、それぞれの医療機関のホームページに掲載されているため、私たちが受診する前に確認することも可能です。今回の新聞の記事の主旨はこの選定療養費、救急車で搬送された場合には請求していない特定機能病院が88%もあったとのことです。同じ病気で、紹介状なしでかかったときは選定療養費が請求されるが、救急車で搬送されたときでは請求されないということです。これって、安易に「選定療養費払いたくないから救急車呼ぼう」ということに繋がりかねません。

 

厚生労働省も「救急車で運ばれた場合でも、重症度に応じて軽度な場合には請求するように」との通達を出していますが、「重症度を一律に判断する基準がない」という医療機関の言い分があるようです。また救急車で搬送される場合、自分で医療機関を選ぶことができない、結果的に搬送された病院が特定機能病院だった、ということもあります。そんな患者に「追加料金を払ってください」というのは難しいのでしょうか。

 

いくつかの病院のホームページを見ると確かに「救急車で搬送された場合には選定療養費の請求対象にはなりません」と書かれています。これを逆手に取る人も少なからずいて、本来の目的とはおおよそかけ離れていることに、やはりちょっと矛盾を感じてしまいます。救急車はそもそも行政サービスの一つであるため、利用すること自体は無料ですが、自己の医療費を安くするために税金で賄われている仕組みを流用するのは「抜け道」としか言いようがありません。

 

命とお金の天秤、さてどちらを選ぶのか難しい問題です。

 

 

2018年12月07日 07:20

同一労働同一賃金の具体的な範囲が決まりました

御所にて(20181206)

同一労働同一賃金の具体的な範囲が決まりました。

 

これは、厚生労働省の諮問機関である「労働政策審議会」で了承されたもので、安倍首相が推し進める働き方改革の目玉の一つです。今は多くの企業や職場では、正社員と非正社員の賃金にはその待遇に差があります。厚生労働省は平成28年12月に「同一労働同一賃金ガイドライン案」を作成しています。そこに書かれているポイントとして、「正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定するものである。同一労働同一賃金は、いわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの」というくだりにあるように、同じ仕事をする以上、職務遂行能力や業績、貢献度に差がない限り、同じ待遇にしよう、同じ賃金でなければならないとするものです。

 

違いを認めないものとしては、特殊作業手当・精皆勤手当・割増した時間外労働手当や深夜、休日手当・通勤手当や出張手当・食事手当や単身赴任手当などが該当します。また、食堂や休憩室・更衣室などの福利厚生施設や社宅の利用、慶弔休暇や病気休職などについても待遇差を認めないとしています。確かにこれらの手当等は職務評価や業績に連動するものではなく、労働力を提供したという結果によって与えられる金銭や恩恵とも言えます。そこに正規、非正規の差があるのは根拠がありません。「今までそうだったから仕方がない」で済まされていたのかもしれません。

 

これに対して違いを認めるものとしては、基本給や賞与といった、個人の能力や業績、勤続年数といった評価によって支給されるもの。これは当然のことでしょう、この差がある意味でモチベーションや競争による向上、その結果が会社の収益に繋がるものです。ここには逆に差を認めなければ、企業自体の競争力が落ちてしまいます。

 

これらのルールは、大企業と派遣社員には2020年4月から、中小企業には2021年4月から施行されます。以前に非正社員の待遇を引き上げて正社員と同一にするのではなく、正社員の待遇を引き下げて非正社員と同一にする動きがあると当ブログで取り上げましたが、指針ではこの方法は好ましくないという記載が盛り込まれています。非正社員を雇用する企業には、少なからず負担となる取り組みですが、採用難・労働力不足に悩む中小企業には積極的に取り組むことが、アピールポイントとすることができるかもしれません。

 

 

2018年12月06日 18:40

抑止のためにもこれは絶対に必要です

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おそらく多くの人が目にしたであろう、10月のハロウィーンの騒ぎに便乗しておきた渋谷での車の横転事件、容疑者4人が特定され逮捕されたとのこと。

 

同日や翌日のテレビニュースなどで何度も放送されていましたが、個人的にはちょっとショッキングな映像でした。ああいった行為は外国のデモや、戦時の混乱で起きるもので、この国で起きていることとはとても思えなかったからです。年々エスカレートするハロウィーンに便乗した騒ぎ、ハロウィーン自体を悪いとは思いませんが、それは個人やそもう少し広い範囲での内輪での楽しみで、他人に迷惑をかけてまですることではないはず。まして今回のような行為は到底あり得ないことです。いったいどういった思考が働くとあそこまでできるのでしょうね。

 

一時の楽しみが後々大きなしっぺ返しになるという意味で、ある意味の抑止のためにも今回のような対応は絶対に必要です。ただ一方で、呆れかえるほどの情けない行為の犯人の特定に対して、多くの人と時間を費やされたことはまたもったいない話です。世の中に少しづづ想定外のことが広がっていて、それを是正するために相応のコストが必要になります。本来もっと使われるべきところに使ってほしいのですが、社会的資源の無駄遣いです。

 

もっとも改めるべきは、物事の善悪と、人の生命・財産を自己のために傷つけてはいけないという、ごく当たり前のことを子供のころに教えられていないということでしょうか。日本人の道徳観や倫理観ってもっとも誇れるもののはずなんですが、だんだん壊れてきているのかもしれませんね。

 

 

2018年12月05日 15:58

IT業界で得たものとはなんだったか

常寂光寺にて(20181204)

かつて28年間いたIT業界、退職して2年が経ちました。時折、学校で就職関連のセミナーのご依頼を受けますが、そこで学生さんからよく聞かれるのが「IT業界で良かったこと、得たものは何ですか?」という質問です。

 

私の世代が就職活動をしていた頃、もう30年以上前の話になりますが、当時はITという言葉はありませんでした。就職専門誌などでは「ソフトウエア業」と一括りで分類され、まだ新しい業界であったためか「SE35歳定年説」といった考え方もあり、この業界に就職する人は「ちょっと変わった人」といった風に見られていた記憶があります。インターネットもなく、マイクロソフトオフィスもまだ発売されていません。ワープロ機能を持ったソフトといえば、ジャストシステムの「一太郎」「花子」がちょうと発売されたころで、入社した会社で先輩社員が使っているのを見て、その機能に驚いたものです。

 

さて、そんな業界は平成の時代にまさに大化けしました。今の世はあらゆるところにシステムが介在し、ネット社会となりました。私はいわゆるネットワークとかアプリケーションといったコンピュータそのものではなく、業務をシステム化する側の立ち位置で仕事をしてきました。そのほとんどが生命保険会社と社会保険の業務に関するもの、得たものは本当に大きかったと今でも思います。

 

「本来人がする業務をコンピュータにさせるにはどうすればよいのか」を考えていく訳ですが、そのためには業務を詳しく知る必要があります。ユーザーがどんな仕事をしているのかといったこと、生命保険や社会保険に関することをその道のプロであるユーザーと同じレベルで会話をする必要があります。そういった専門知識が知らず知らずのうちに身に付いていたのがIT業界で得た最大のモノです。

 

また、以前にこのブログでも書いたことですが、ある大手システムインテグレータのコンサルタントの方と1年ほど一緒に仕事をしたときに学んだことが、「いかに分かり易いプレゼン資料を作るか?」です。自社で学ぶ機会がなかっただけに新鮮でしたが、このときに学んだことが、独立した今、とても役立っています。

 

私の場合、ほとんどをユーザーの中に入りこんで仕事をする派遣型であったため、その環境の中で専門知識を得たことがやはり一番でしょうか。IT業界は幅が広いので一概には言えませんが、コンピュータだけでなく多くの専門知識を得ることができた、できると学生さんからの冒頭の質問に対して答えています。現役のSE、PGの方はどう思われますか。

 

 

2018年12月04日 07:25

ボーナスから控除される額はいくら?

平等院にて(20181203)

12月、サラリーパーソンの多くの人が手にするボーナス。そのボーナスから控除される金額についてどれくらい知っていますか。

 

毎月の給与からは、社会保険料としては厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料と40歳以上の人は介護保険料が徴収されます。他に税金では所得税と住民税が控除されています。ところがボーナスからは控除される項目とその計算方法が、給与と違うこと、意外に知らない人が多いのです。

 

毎月の社会保険料は原則として毎年の4~6月の給与からあらかじめ定められた「標準報酬月額」に保険料率を乗じた額が控除されています。また所得税については社会保険料を控除した金額と扶養家族の人数を元に「源泉徴収税額表」に照らし合わせて毎月源泉徴収されています。住民税も年度初めに住所地の市町村から通知された金額が源泉徴収されます。

 

これに対し、ボーナスから控除される金額はどうなっているかというと、まず住民税はそもそも毎月1回の給与から控除することを想定し、12回で割った金額が市町村から通知されています。そのためボーナスからは控除されません。次に社会保険料ですが、一般的にボーナスは毎月の給与より高額であるため、先の「標準報酬月額」を元に計算すると少なくなってしまいます。よって、ボーナスの額の1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」とし、これに保険料率を掛けて保険料を求めます。ただし、健康保険保険料と厚生年金保険料を計算する場合、標準賞与額にはそれぞれ上限が定められており、ボーナスが高額の場合に、青天井で保険料が徴収されるということはありません。

 

次に所得税、こちらは前月の給与と社会保険料を元に計算されます。賞与支給月の前月の給与から社会保険料等を控除した金額と扶養家族数を「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」というちょっと舌を噛みそうな算出率表に当てはめ、控除する所得税の税率を求めます。この税率をボーナスの額面金額から社会保険料を控除した金額に乗じて所得税額を求めます。ただし、ボーナスが前月の給与の10倍を超える場合や、前月の給与支払いがなかった場合などには別途対応が異なります。

 

毎月の給料計算が間違っていることはそうそうないとは思いますが、ボーナスについてはちょっと対応が異なるため担当者の人は注意が必要です。皆さんも一度ボーナスの明細、たまにはじっくり計算してみてはどうですか。

 

 

2018年12月03日 14:46

自然災害と外国人の不動産購入の影響

京都御所にて(20181202)

最近、嵯峨野のある名刹を訪れた時のことです。

 

ここは、江戸時代初期に結ばれた草庵が発祥とされ、非常に静かなたたずまいで有名な寺院です。嵯峨野の奥、民家の間の細い道を上った竹林の更にその奥にあり、紅葉シーズンには隠れスポットとも呼ばれています。今から30年以上前に、推理小説で有名な西村京太郎のトラベルミステリーでも取り上げられたこともあり、知る人ぞ知る「庵」と呼ぶにふさわしい、静けさの中にある寺院です。

 

私自身がここを訪れるのは約2年ぶり、閉門ギリギリに入ったため、我々以外に他に拝観客はおらず、とても静かな境内。本堂の縁側に座りゆっくり境内を見回すと、今までとはちょっと異なる違和感がありました。その一つは紅葉の枝ぶりが非常に弱く、薄く感じられたこと。もう一つは庵を囲む竹林の向こうに見える風景でした。そもそも見えるはずのない民家が見える違和感です。

 

そのナゾ、帰り際にその庵を管理している人から伺うことができました。一つ目の紅葉の枝ぶりが弱いのは、秋に関西を直撃した台風によって多くの枝が折れてしまったこと。本堂の茅葺はたまたま吹き替え工事が終わったばかりで助かったものの、もし吹き替え前の痛んだ状態であったら、吹き飛ばされ、本堂もどうなっていたかわからないほどの強風だったとのことでした。紅葉が元の姿に戻るまでには数年はかかるとのこと、台風の影響はまだまだ尾を引いています。そして二つ目の竹林の向こうに見える風景、これは竹林の密度が小さくなったこと。竹林の向こうには一般民家が建設中で、以前その民家の土地にも竹林があったことで、庵の竹林+隣接する民家の竹林が上手く重なり合っていました。ところが、持ち主が代わり、新しく建築するに当たり、その竹林を無くしてしまったために、密度が小さくなり、庵の縁側から隣家が見えるようになってしまったとのことでした。持ち主は中国人ということで話合いも上手く進まず、風情ある以前の竹林が亡くなってしまったと話されていました。

 

このあたり、「歴史的風土保存区域」に指定されているため、建築する際には事前に京都市に所定の手続きを行って許可を取っていることになります。法的に問題がないということなんでしょうが、従来の静かな佇まいが少し失われてしまったことに寂しさを感じました。ちょっと複雑な思いですね。

 

 

2018年12月02日 10:18

師走ですが足元を見てゆっくり着実に

落柿舎にて(20181201)

暖かい師走のスタートです。

 

12月と聞くと、世の多くの人が「もうあと1ヶ月で今年も終わりなんだ」と思いますよね。私もまったく同感、世の中のスピードが速くなっているんでしょうか。あまりにいろいろなことが起こり、いろいろな情報が行き交うと、時間の感覚も早くなるんでしょうか。

 

有り難いことに12月も重要なお仕事が続きます。来週は3カ月ぶりに首都圏への出張、新しい顧問先へのご提案、定例業務や社労士会の研修会や会合などハードスケジュール、今日・明日は完全にオフモードにして鋭気を養います。

 

小学生のころ、担任の先生に「12月は先生(教師)も走るほど忙しい月、だから師走というんだよ」と教えてもらった記憶があります。走りすぎてコケないよう、足元を見ながら年末に向けて走っていきます。

 

あと1ヶ月、頑張りましょう!

 

 

2018年12月01日 10:21

封印を解くのはやりたいことができなくなったとき

摩周湖へ(20181130)

11月30日、2年前の今日、25年間勤務した会社を退職してフリーランスとなりました。

 

その後、ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士として仕事をしています。色々な場で多くの人にお会いしましたがそこでよく聞かれること、「どうしてそこまで長く務めた会社を退職してまでこの世界に飛び込んできたの?」。最近、多くの方にこのブログを見ていただけるようになり、もう2年もたったこともあり、そのホンネの部分を少しお話ししてもいいのではと。本日のブログは私事です。

 

もし皆さんは「どうしても今の仕事以外にやりたいことがある」というときに、でも踏み切らずにそこに留まる理由があるとすれば何でしょうか。私の場合には、1997年に社会保険労務士試験に合格しましたが、今にして思えばその当時は「すぐ独立したい」という気持ちは結構強くありました。でも結局はその後20年間その気持ちを封印してきました。その最たる理由は、社会保険労務士として必要な知識を企業という組織の中で活かすことができたため。小さなソフトウェア会社でしたが、幸いにしてその中でシステムエンジニアと人事・総務担当者を兼任していたことで、労務管理や採用、研修といった人材育成を任せてもらえたことでした。またシステム開発でも社会保険や生命保険といった業務に関連する企業に派遣されることが多く、自分の知識を最大限活用できたことが大きかったように思えます。

 

会社自体も少数精鋭で、いわゆる専門家集団を旗印にして事業を展開していたこともうまくマッチしました。それぞれがプロとして社内でそのスキルを活かすことで貢献するという人達が集まっていた企業でもありました。ただ唯一のウィークポイントは社内の意思決定プロセスがシングルタスクであったこと。総意形成が前提でない会社の方針は一つの力によっていとも簡単に変わってしまいます。それによって今まで積み上げてきたものの多くが崩れ、多くの有能な人材を失った時期がありました。そこで打ち出されたのが徹底した利益追求と投資の削減、今の日本の基礎研究への予算削減にも似ています。

 

やがて私自身も自分の専門知識を社内で使う機会もなくなり、会社として人材への投資も大きく削減されました。一方で、「会社でできるなら」という甘い考えが自分にあったことにも気が付いたのです。「やりたいことがあるなら、それをできる場を自分で作るしかない」というのが退職して今に至る大きな理由だったと思います。

 

そして2年、あっという間でしたが失くしたものも少なからずありますが、得たものは非常に大きいと感じています。皆さんに御贔屓にしていただき、少しづつですが業務も拡大しています。「案ずるより産むが易し」、行動を起こすまでに時間はかかりましたが、やれば良くも悪くも何らかの結果はついてきます。これからも少しづつ、地道に、ブレずにやりたいことをやっていこうと考えています。

 

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

 

2018年11月30日 13:40

休日労働とはいったいいつのこと

平等院の紅葉(20181129)

サラリーパーソンなら休日出勤の経験のない人はほとんどいないと思います。でもそもそも休日出勤とは何でしょうか。

 

現在の労働基準法では、法定労働時間は1日8時間、1週間で40時間と定められています(労働基準法第32条)。特例的に1週間44時間と定められている事業もありますが、週の法定労働時間を1日の法定労働時間で割ると5日、よって週7日うち残り2日間は休み、週休2日制となっている訳です。

 

一方で法律では、毎週少なくとも1日の休みを労働者に与えなければならないとされています(労働基準法第35条)。これを法定休日といいますが、4週を通じて4日以上の休日を与える場合には、ある週に4日間の休みを付与し、残りの3週間は休みなしということも法律的には可能です。

 

さて、法定労働時間の関係では週休2日となりますが法定休日は週1日、ではこの差の1日はどうなるのかという疑問が残ります。就業規則では法定休日をいつ与えるかを明記することになっており、多くの企業は日曜日を法定休日として規定し、残りのもう1日は、土曜日を「法定外休日」として規定することで週休2日制としています。祝祭日も就業規則では休日とすると定めていれば会社は休みとなりますが、法律では祝祭日は休日ではないということになります。

 

社員が休日出勤をしたときに、会社に割増賃金(35%増)の支払い義務が生じるのはあくまでも法定休日に出勤した場合のみで、「法定外休日」はその対象とされていません。例えば土曜日が法定外休日・日曜日が法定休日とされている会社で土曜日に出勤した場合、もし月曜日~金曜日の労働時間が40時間を超えていれば、土曜日の出勤時間はすべて時間外労働となり、会社は割増賃金(25%)を支払わなければなりません。しかし、土曜日の労働時間が週40時間の範囲内で収まるのであれば、割増賃金(25%)を支払う必要はありません。

 

これに対して、法定休日に出勤した場合には週40時間の範囲内に収まっている、いないは関係なく割増賃金(35%増)を支払わなければなりません。法定休日の出勤時間は他の労働時間とは別枠で計算されるということです。給与計算上、この対応ができていないケースがしばしありますが、これは労働基準法違反ということになります。

 

休日出勤とは、就業規則で定める法定休日に出勤することで、その出勤は35%割増賃金が支払われるという点がポイントです。

 

 

2018年11月29日 08:08
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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