任意継続被保険者とは何ですか?
「任意継続被保険者」、よく「任継」と略して表現することが多いのですが、会社で社会保険の手続きに関するお仕事をしている人には身近なキーワードです。ただ、一般の人にはあまり縁がない、この「任意継続被保険者」とはそもそも何でしょうか?
会社にお勤めの方は、原則として協会けんぽもしくは組合健保のどちらかに加入しています。この制度に加入することで病院で医療を受けた時に、自己負担が3割となるというもっとも身近な社会保険制度です。では、もし会社を退職したときはどうなるのか。日本は国民皆保険が大前提であるため、会社を辞めても健康保険には加入しなければなりません。そのときの選択肢の一つがこの「任意継続被保険者」です。
退職するときの選択肢には三つあります。一つ目は住んでいる市町村が運営する国民健康保険(国保)に加入する、二つ目は配偶者や父母・兄弟・子どもが入っている健康保険の被扶養者となる、そして3つめが元々入っていた健康保険の任意継続被保険者となる、この三つです。任意継続被保険者というのは簡単に言えば、そのまま協会けんぽや組合健保に加入し続けることです。
ただし、任意継続被保険者となるには一定の条件があります。その条件とは、
①喪失の日の前日まで継続して2月以上被保険者の資格を有していたこと
②資格を喪失した日から20日以内に申し出ること
となります。よって、入社後にすぐ退職したとか、退職後1ヶ月経過した後に「やっぱり任意継続被保険者になりたい」といっても認められないといことになります。また、任意継続被保険者となれるのは、最長で2年間となります。
一般的に会社を退職することになった場合、健康保険をどうするかは確認されます。任意継続被保険者を選択すると、申請用紙を渡し「20日以内に手続きをしてください」と伝えている会社もありますが、手続きは自分でしなければなりません。退職時には健康保険をどうするかを考えておくことはポイントです。