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ブログ(日々雑感)

退職証明書とは何でしょうか?

美瑛の青空(20190723)
皆さんの会社では、退職時に「退職証明書」が交付されていますか。

「退職したことがないのでわからない」という声が聞こえてきそうですが、そもそも退職証明書とは何でしょう。これは企業が退職者に対して交付するもので、そこには次のようなことが記載されていいます。
①氏名
②雇用期間(採用日および退職日)
③業務の種類およびその事業における地位
④退職時の給与額
⑤退職理由
など

この退職証明書がどんなときに必要か。例えば、退職後に市町村で国民年金や国民健康保険の加入手続きをする場合があります。このとき、公的保険の加入の重複がないことを確認するために提出を求められることがあります。また、退職後にハローワークで失業保険(基本手当)の受給手続きをする際にも、退職理由を確認するために求められることがあります。

そしてもう一つは、転職時。再就職先で履歴書と併せて提出を求められることがあります。これは、本人が提出した履歴書の内容の真偽を確認するため。履歴書はあくまでも本人の自己申告によるもので、その真偽は定かではありません。一方で退職証明書は公的書類とはいかないものの、企業が交付するものです。再就職先の企業では退職証明書によって応募者の経歴を確認することになるのです。

この退職証明書の交付、あらかじめ企業に義務付けられているというものではありません。よって労働者からの請求がなければ交付する必要はありません。が、請求された場合には労働基準法第22条によって次のように定められています。
❶遅滞なく交付すること
❷労働者が請求しないことを記入しないこと
❸あらかじめ第三者と図り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関すること、秘密の記号を記入しないこと

もし退職時に交付してもらえなかったとしても、退職後2年以内に請求すれば事業主は交付しなければならないことも、同じく労働基準法に定められています。何かと利用する機会が多いので、あらかじめ退職時には交付してもらっておくのがよいかと思います。
 

 

2019年07月23日 14:35

半数以上が参加しないことの意味

麓郷・石の家の風車(20190722)
昨日の参議院議員選挙、結果は総じて大きな変化を望まないという国民の意思でしょうか。

どの政党が与党、野党としてよいのかということについて、ここであれこれと意見をするつもりはありません。それよりもっと大きな問題であると思うのは、その投票率が48.8%と過去2番目の低さであったということ。今回、期日前投票は過去最高であったようですから、選挙当日に投票所に行った人は、その分を差し引くと10人に3人ほどだったということになります。

有権者の半分以上が投票をしないという選挙、過半数に満たない人の意思として示された民意、どう評価していいものなんでしょうか。関心のあるテーマがなかったのか、そもそも政治に対する無関心の表れなのか、いずれにしても決していい状況であるとは言えないんでしょうね。

投票に行かないというのも一つの意思表示と考えると、それが過半数。これが何を意味しているのか、国会議員や官僚の方々に考えていただきたいものだと思います。そしてこの人達が、投票で意思表示を示すようになれば、今よりはいい方向に向かうように思えるのですがいかがでしょうか。

せっかく持っている選挙権、もっと有効に使うための教育も必要ですが、もっと投票をし易くするための取り組みであったり、投票をした人には一定のインセンティブが与えられるといった仕掛けがあってもいいのかもしれません。個人的には投票に行くことでくじに参加する権利、例えば番号等が記載されたカードが投票と引き換えに交付され、後日抽選によって何かが貰えるような仕掛けがあってもよいかと思いますが。
 

 

2019年07月22日 12:39

京都で市バスに乗ったらここに注目

神戸異人館にて(20190721)
今日は地元ネタです。

京都市バスのバス停で、目的のバスが来るまでの待ち時間、ちょっとここを見てください。時刻表の下の方に、大まかなルートを示すバス停の名前が並んでいます。そこにある2桁もしくは3桁の数字。実はこれはそのバス路線が黒字路線か、赤字路線かを示すもので、100円の売り上げを得るために必要な費用を表しています。101以上なら赤字、100でトントン、99以下なら黒字ということを表しています。

1ヶ月ほど前の朝日新聞京都版でも取り上げられていましたが、京都市バスがこの取り組みを始めたのは9年前からとのこと。私も実はつい最近まで気が付きませんでした。確かにこうして「見える化」されると、利用者には分かり易いかもしれません。こうすることで、特に赤字路線沿線では、「もっと利用しよう」という取り組みが起こればという目論見もあるんでしょうね。

ではすべての路線のこの数字がどこかにあるのでは、と京都市のホームページを調べてみるとありました。
【広報資料】市バス各系統の営業係数(平成29年度)について
やはり、黒字路線は循環系といわれる200番台の系統と、観光地を結ぶ観光路線がほとんど。もっとも黒字が大きいのは京都駅と銀閣寺を結ぶ100系統でその値は53、まさに観光客さまさまといったところでしょうか。全路線の平均では92で黒字とはいえ、前年の90より悪化しています。実は市バスの利用客はここ数年横ばいか減少傾向とのこと、観光客の利用が増えても、地元市民が敬遠している分が相殺されているのではないかと思います。

ちなみに私が今までにもっとも多く乗ったと思われる北3系統(北大路バスターミナルー京都産業大学前)は115、1日の乗降客平均は2,235人というのは少し意外な数字。山の中のキャンパスで、通学ルートがそうそうあるわけでもないのに、後輩のみなさん、ちゃんと大学行っていますか?
 

 

2019年07月21日 09:07

会社としての最終責任はどうなるのでしょうか

うろこの家(20190720)
この1ケ月、ワイドショーの芸能ニュースで何かと問題となっている「闇営業」、今日もっとも金額が多いとされる2人が記者会見を開いたことが、あちらこちらのニュースで取り上げられています。

このニュースを見ていて感じた違和感、しっくりこないものがあります。もちろん当事者である二人の責任は重く、知らなかったとは言え、反社会的勢力の人達との関係があり、その対価を会社に無断で得ていたことは、一般企業でいえば懲戒処分を受けても仕方がありません。ただし、この会社は社会的な知名度もあり、とりわけ関西では、大人だけでなく一般家庭の中にも浸透している番組を作っていたり、所属タレントが出演している番組が数多くあります。タレントとは言え、会社を構成する社員と同じ、そんな社員が起こした問題に対して、当事者だけに責任を負わせて、会社は知らぬ存ぜぬということはあり得ないと思います。

社員が起こした問題について、社内外に対して最終的な責任を取り、その収拾を図るというのは会社に課せられた使命のはずです。今後どのような動きがあるかはまだわかりませんが、少なくとも「当事者だけの責任で終わり」「会社は関与しないこと」ということにはならないことを期待します。

今の時代、コンプライアンス教育などで様々な社員教育を行うことで、倫理やモラルの遵守を徹底しています。それでも起きてしまうこういった事故について、そのとき会社としてどう対応するか、会社としてのモラルが問われているように思えるのですがどうでしょうか。
   
2019年07月20日 19:02

帰属意識が高い会社の共通項

神戸異人館通りのスタバ(20190719)
現役のサラリーマンとして企業に属していた頃、そして今、社会保険労務士としていろいろな企業を訪問して社員さんと話をしていると、会社への帰属意識の高い社員さんが属している会社にはいくつかの共通項があるように感じます。今日はそのうちのいくつかを紹介します。

【1】組織の目標が明確で、かつ役割を意識している
まず会社の目標がはっきりしていること。更にその目標をブレイクダウンして、部や課や係といった所属する組織の目標があり、さらに個々の目標やその実現のために各自が何をすべきかが明確になっていることです。企業の目標は決してカッコイイものでなくてもよいのです。〇〇プランといった響きのいいネーミングも要りません。単に売上をいくらにするとか、来客者数前年比〇〇%アップといった、具体的な数字の方が、進捗状況も分かりやすく、実感できます。その中で自分がどれだけ貢献できているか、意識できることがポイントです。

【2】社員が会社に魅力を感じるものがある
これは結構重要なポイントです。人が誰かに好感を持つとき、何かしらの魅力をその人に感じます。それは会社に対しても同じで、自分の会社に魅力があれば、会社を好きになり、帰属意識も高まります。「会社の魅力は社員全員で作ってゆくもの」という経営者の方もいます。間違ってはいませんが、社員がそう考えて働ける環境を作るのは、まず経営者の役割であるはずです。

【3】組織が明確になっている
例え少人数の会社であっても。実態に即した組織を作って誰がどこに所属しているのかを明確にすることです。ポイントとなるのは「実態に即して」いること。在りもしないしない組織を対外的に見せるために作り、適当に社員を属したりするのは論外です。形だけというのは逆に社員の帰属意識を下げてしまいます。

【4】評価制度がしっかりできている
言うまでもありません。仕事の出来栄えに見合った評価がされることは、誰かが自分の仕事を見てくれているという意識を持つことなります。もちろん、結果次第ではマイナス評価もあって然るべきです。要は、結果と評価がちゃんと結びついていることがポイントです。

さて、皆さんの会社ではこの4点はどうでしょうか。もし、「うちの会社の社員の帰属意識は結構高い」という方は、この点を満たせている企業に属しているのではないかと思います。ご自身の会社をチェックしてみてはいかがですか。
   
2019年07月19日 13:46

新規適用の手続きが大きく変わるかもしれません

祇園祭(20190718)
厚生労働省が先月27日の労働政策審議会に提出した資料に、非常に関心を持った内容が記載されていました。

提出された資料の主眼は、健康保険法施行規則と労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則をそれぞれ改正して、事務の効率化を図ろうというもの。今、新しく事業を始めた時、あるいは社会保険と労働保険の適用事業となったとき、健康保険と厚生年金は事業所の所在地を管轄する年金事務所へ、労働保険は労働基準監督署もしくは公共職業安定所へそれぞれ新規適用届、保険関係成立届、適用事業所設置届を提出します。それぞれ書類を作成して、それぞれの役所に提出するという、結構大変な手続きとなっています。

これを一本化しようとするのが今回の答申の目玉、まとめて1つの書類で年金事務所、労働基準監督署または公共職業安定署のいずれかに提出すればよいことにしようというものです。厚生労働省のホームページでは、新しい申請書の書式案もアップロードされており、それぞれの提出先を羅列して記載するようになっています。例えば京都市内の事業所であればこんな感じでしょうか
 京都労働局長
 京都中京年金事務所
 京都下労働基準監督署長
 京都西陣公共職業安定所長 殿

手続きが一元化されて簡素化されることは非常に有り難いことです。それぞれの書類を作成・届出代行することで事務手数料を得る営業スタイルの場合には、今回の簡素化はマイナスとも言えるかもしれませんが、私は月間の顧問料の中ですべてを一括するスタイルであるので、効率化はむしろプラスと言えます。なお、施行日は令和2年1月1日の予定ということですが、この改正案の行方、しばらく目が離せません。

「第77回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料」に関する厚生労働省のホームページはこちら
 
 
2019年07月18日 05:14

もし源泉所得税の納付が遅れてしまったらどうなるか

菊水鉾(20190717)
会社で社員から源泉徴収した所得税の納付が遅れてしまったらどうなるのでしょうか。

源泉所得税の納付は、原則として給与を支払った月の翌月の10日までに納付することになっています。ただし、従業員が10人未満の事業者(特別徴収義務者)は、あらかじめ税務署に申請書を提出することによって半年に1回、1月~6月分までを7月10日に、7月~12月分までを翌年1月20日に納付する特例を受けることができます。

では、この源泉所得税を納付期限に収めなかった場合、例え1日遅れたとしてもペナルティの対象となります。そのペナルティとは不納付加算税、その額は納付しなければならない源泉所得税額の10%となっています。ただし、計算した不納付加算税が5,000円未満の場合には免除となっているため、逆算すると納付すべき源泉所得税が50,000円未満であれば、もし期限に収めなかったとしても不納付加算税が課税されることはありません。また、税務署からの督促等を受ける前に、自主的に源泉所得税を納付した場合には、10%ではなく、5%で計算されます。

さらにもう一つ、延滞税という税金も課税されます。こちらは延滞する1日ごとにその金額が増えていきます。具体的には納付期限の翌日から納付された日まので日数に一定の年利率を乗じて求めた税率で計算されます。この年利率、2ヶ月までは原則として年7.3%ですが、2ヶ月を経過した日以降は原則として年14.6%に跳ね上がりますので注意が必要です。なおこの延滞税は源泉所得税が10,000円未満の場合には課税されません。

いずれにしても納付期限内に収めれば、払う必要のないもの。ついうっかりといったことがないよう、しっかり業務のタスクで管理しておきましょう。
   
2019年07月17日 16:03

サラリーマンは恵まれています

菊水鉾(20190716)
本日のタイトル、私が顧問先で従業員さんによく言うセリフです。

何が恵まれているか、もちろん人それぞれいろいろな考え方や感じ方がありますが、私がここで言う「恵まれていること」とは、その仕事柄、皆さんが加入している社会保険に関することです。

今更言うまでもないことですが、会社にお勤めの皆さんが加入している社会保険は給与明細をみればわかります。厚生年金保険、健康保険、雇用保険と40歳以上の方は介護保険の4つです。そしてもう一つ、被保険者という概念ではなく適用労働者といいますが、労災保険があります。このうち、厚生年金保険と健康保険は結構な金額の保険料が、毎月の給与から控除されていて、「なんでこんなに高いの」とぼやいたこともあるのではないでしょうか。

でも皆さん、会社勤めの方の社会保険料は労使折半といい、「労」である皆さんと、「使」である会社が半分づつ折半して負担していることを知っていますか? つまり皆さんが払っている分と同額の保険料を会社も払っているということです。細かく言えば、雇用保険料は事業主だけが負担する部分と、労災保険は全額事業主負担であることから、会社の方がより多く負担していることになります。自営業者は全額自己負担であることと比べれば、会社勤めのサラリーマンは半額負担と恵まれているのです。もし、全額負担だったらと考えると怖くなりませんか?

さらに言えば、自営業者は国民年金(基礎年金)だけに加入していますが、サラリーマンは国民年金+厚生年金保険のいわゆる2階建ての年金制度に加入しています。いざという時のサポートが手厚くなっている点では、給付の面でも恵まれているのです。雇用保険や労働保険はそもそも私のような自営業者本人は加入することができません。この点はサラリーマンがちょっと羨ましかったりもします。

サラリーマンは自営業者に比べて、「自由がない」「組織の中で働くという厳しさがある」などと言った面もありますが、こういった恵まれている面もありことをお忘れなく。
   
2019年07月16日 13:55

管理者の勤務時間の把握が求められています

祇園祭2019(20190715)
管理監督者の勤務時間について把握されていますか。

管理監督者と言えば、労働基準法第41条で「監督若しくは管理の地位にある者」と定義され、労働条件の決定、その他の労務管理等について経営者と一体的立場に立つ者として、労働時間や休日労働、割増賃金等の適用除外とされています。これは管理監督者は勤務時間については自らに裁量権があり、自らの意思で労働するものという考え方によります。そのためこの解釈を乱用して、いわゆる「名ばかり管理職」とすることで、勤務時間や残業手当の対象外として過重な労働を強いるという事件が、過去にファストフード店であったことは記憶に残っているのではないかと思います。

さてこの管理監督者について、今年の4月からは使用者はその勤務時間を把握することが義務化されていることはご存知ですか。これも働き方改革の一環ですが、4月から労働時間の上限が罰則付きで制限されることになりました。これによって、一般の労働者は従来どおり働くことが難しくなると想定されますが、その影響が管理者に来る可能性があります。そのため。使用者は管理監督者についてはその勤務時間を把握し、健康管理面で適正に管理するように義務付けられたということです。ただし、主たる目的は健康管理面のための把握であり、割増賃金を計算するためのものではありません。

企業によっては、管理監督者については出勤簿を作成していなかったり、あるいは毎日定時出勤・定時退社といった出勤簿を提出させているようなことがあるかもしれません。私も現役時代は後者の方法で毎月出勤簿を提出していました。もし、こういった管理をしていたら、一般の労働者と同様に、勤務実態を正しく記載して管理する必要がありますので注意が必要です。
   
2019年07月15日 08:44

京都市の観光は「場所から時期の拡散」

船鉾(2019074)
京都市内ではいよいよ今日から祇園祭の宵々々山が始まり、17日の山鉾巡行まで、前祭の山場を迎えます。

今、京都市内には外国人観光客がどっと押し寄せ、宿泊施設や公共交通機関などがそもそも想定している許容量を超える「オーバーツーリズム」の状況になっているのは、マスコミなどでもしばしば取り上げられています。実際にここに住んで生活をしている一市民の目から見ると、外国人観光客を見かけない日はなく、今こうしてブログを書いているときも、前の通りをキャリーバッグを引いた外国人観光客の集団がゴロゴロ音を立てながら歩いていきます。清水寺や嵐山界隈は確かに外国人で溢れています。

とは言え、京都と言えども観光のピークは桜の3月と紅葉の11月を中心としたその前後1ケ月程度、それ以外の時期は比較的観光はしやすいのが現状です。実際、修学旅行生はちょうど今、5~7月と9月~10月に多くなります。宿が取りやすいということが大きな理由かと思いますが、観光しやすいというのもあるのではないでしょうか。

であればそんな時期にもっと観光客を呼び込もうとする動きに旅行会社が拍車をかけている、との記事が先日の朝日新聞夕刊に掲載されていました。以前に観光地を分散させて混雑を緩和するという取り組みがありましたが、今回は空いている時期にも呼び込もうとする試み、観光地としては喜ばしいことなんでしょうが、年中観光客が溢れる状況が続くというのは、ちょっと複雑な心境というのが正直な感想です。少しは静かな時期があって欲しいのですがどうでしょう?

個人的にお気に入りのいくつかの場所、いつまでも静かであって欲しいものです。
   
2019年07月14日 14:34
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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