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ブログ(日々雑感)

皆さんの会社は今日で仕事納めですか?

八坂の塔(201812228)

今日28日、多くの企業・職場では仕事納めでしょうか。

 

今年は比較的カレンダーに恵まれ、三が日明けの4日を休むと9連休となります。有給を一括取得したり、社員の福利厚生にと一斉休業となる企業も多いのではないでしょうか。お付合いのある企業さまもいくつかは休業とされるところがあります。

 

さて、よく最後の営業日を「仕事納め」、最初の営業日を「仕事初め」といいます。これと似た表現に、12月28日に「御用納め」、1月3日には「御用始め」と書いてあるカレンダーがありますが、これは何のことか分かりますが。おそらく今日の夕方や夜のニュースでも流れるのではないかと思いますが、「御用納め」「御用初め」とは、行政官庁での仕事納め・仕事初めのことをいいます。「御用」は、江戸時代に役人や宮中に使える人が幕府や宮中での仕事を「御用」と読んでいたことに由来します。よく時代劇で十手持ちが「御用だ!、御用だ!」と言いながら今でいう犯罪現場に踏み込むシーンを見かけますが、まさにこの「御用」とは今でいう公務のこと。その言葉が今も使われているのです。

 

では、なぜ28日が御用納めで、3日が御用始めとなっているのか。行政官庁のことですからその根拠は法律にちゃんと書かれています。その法律とは、「行政機関の休日に関する法律」というもので、その第一条には次のように書かれています。
第一条 次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとする。
一 日曜日及び土曜日
二 国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日
三 十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く。)

行政機関は12月29日から1月3日までは原則として業務を行わない、と決まっているのです。今年のように29日が土曜日になれば企業と同じ様に前に繰り上がります。もちろん、警察や消防や医療機関といったライフラインに関わる公務に関する場合には例外です。

 

ちなみにこの法律の第ニ条にはこんな条文もあります。
国の行政庁(各行政機関、各行政機関に置かれる部局若しくは機関又は各行政機関の長その他の職員であるものに限る。)に対する申請、届出その他の行為の期限で法律又は法律に基づく命令で規定する期間(時をもつて定める期間を除く。)をもつて定めるものが行政機関の休日に当たるときは、行政機関の休日の翌日をもつてその期限とみなす。

もし何か行政機関に提出しなければならない書類があって、その提出期限が行政機関の休日と重なる場合、その期限はその直後の開庁日となるということです。知っておくとちょっとお役に立つかもしれませんね。

 

 

2018年12月28日 16:02

壁に耳あり、障子に目あり

マンションアプローチにて(20181227)

昨日はFPとしてのお仕事で大阪に出かけました。

 

こちらのお客さまは最近ご結婚された方で、「これからのマネープランの問題点と、今考えているイベント(ご本人の退職とご主人の起業や不動産購入など)にどう備えたらよいのか、そもそも可能なのかについてアドバイスが欲しい」ということが最初のご相談でした。10月末に2時間ほどの面談でいろいろとお話しを伺い、先日作成したレポートに基づいて1時間半ほどご説明をしてきました。

 

いろいろと未確定な要素があったり、今までのプランニングにはない特殊な事情を多くお持ちのお客さまで、昨日の午前中まで修正を繰り返すなどレポートの作成には苦心しました。が、面談を終えた時には笑顔で御礼をいただき、いいお仕事をさせていただきました。まずは年明けに大きなイベントが控えているとのこと、「落ち着いたところで何かあればまたご連絡ください」とお伝えしました。ライフプランやマネープランは1回ご提供したら終了というものではなく、継続的な見直しが欠かせません。ご縁のあった方とは継続ご支援をさせていただいています。

 

さて、FPとして個人の方と面談をするときに最も気を付けるのが「どこで面談をするか」ということ。話の内容がすべて個人情報といっても過言ではありません。昨日の場所は大阪市内のホテル内のレストランでしたが、できるだけ周りに人がいない、人の通りが少ない奥の方のテーブルを選んでいます。また、ご説明の中でも個人名は極力使わないように気を付けています。もちろん、説明を始めるのは飲み物が届いたあと。まぁ、当然のことですが、まさに「壁に耳あり、障子に目あり」、注意が必要です。

 

昨日のホテル内のレストラン、時間帯もあったのかもしれませんが、ほとんど宿泊客の出入りがなく非常に静かな中で落ち着いてお話しができました。「次回以降も使える良い場所かも」と思いつつも、「こんなにお客さん来ないで大丈夫?」と余計な心配も。私にとっては人がいない静かな場所が一番なのですが。

 

 

2018年12月27日 07:28

未払残業代はありませんか

落柿舎(20181226)

今年、最も多く受けた相談は「残業代」に関することです。

 

法律では1日8時間・1週間40時間を超えれば、事業主には時間外手当(=残業手当)を支払う義務が発生します。変形労働時間制を導入することによって日々の凸凹を一定の範囲で平準化することはできるものの、それでも1週間・1カ月間・1年間の区切りで所定労働時間を超えた場合には残業手当の支払いが必要になります。

 

もし労働者や退職者から「未払いとなっている賃金を払ってください」と申し出があった場合、どこまで支払わなければならないか、事業主にとっては大きな問題です。残業手当の請求ができるのは支給日から2年間とされ、それを超えると時効となります(労働基準法第115条)。よって労働者や退職者からすればもし過去2年間に未払い賃金があれば、その支払を事業主に請求できるということになります。

 

話は少し変わります。私の顧問先ではありませんが、雑談の中でこんなことを言われたことがあります。

「会社として全く知らない、指示も何にもしていないところで勝手に残業をしていた。それでも支払わないといけないのか?」

こんなケース、意外に多いかもしれません。が、原則として支払い義務はあります。事業主には労働者の勤務時間を管理し、把握する義務があるため、「知らなかった」「残業の指示はしていない」という言い分は認められないというのが、厚生労働省のガイドラインや過去の多くの判例です。ただし、過去には労働者が起こした裁判で、残業代の支払いが認められなかったケースもあります。それは会社が残業を禁止する業務命令なり、上司からの指示があり、与えられた業務量も時間内に遂行できる範囲内であったにもかかわらず、労働者がこれに反して残業をしたといったものです。命令に反し、本来できる仕事をわざわざ残業した場合はダメということです。

 

実際に残業がまったくない職場というのはほとんどないでしょう。ということは残業代の支払いはほぼすべての職場で発生しているとも言えます。会社としては法定労働時間を超えて労働をさせる場合には36協定を締結し、社員の労働時間をキチンと管理する。残業については会社としての指示、労働者からの申出といったルールを明確にし、その上で生じた残業手当は支払うことが求められます。

 

ちなみに未払いとなっている残業手当の請求ができる期間は2020年の民法改正に合わせて、2年を5年にするかどうかを厚生労働省の「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」で議論されています。まだ結論は出ていないようですが、今後は「過去5年間まで請求できる」ということになるかもしれません。もし残業代を支払っていないということであれば、早めの対応が求められます。

 

 

2018年12月26日 12:35

子や孫への贈与税非課税が延長されます

八坂の塔(20181225)

昨日はクリスマスイブ。今日の朝、子供達の枕元にはサンタクロースからのプレゼントが届いたのでしょうか。

さて、こちらのプレゼントは来年度から仕組みが少し変わります。

 

そのプレゼントとは、祖父母や親から教育資金や子育て・結婚資金を一括で贈与されたときに、贈与税を非課税とする特例措置のこと。この制度は本来であれば来年3月31日までの「特例」として、教育資金については2013年4月から、子育て・結婚資金については2015年4月から始まった制度でしたが、この期限が2年間延長されることになりました。ただし、それと引き換えに従来にはなかったいくつかの制限が設けられることになっています。

 

その条件の一つが、もらう側の制限。現行の制度の条件は、教育資金、子育て・結婚資金のいずれも年齢制限(教育資金は30歳未満、子育て・結婚資金は20歳以上50歳未満)のみでしたが、来年度以降は年齢制限に加え、年間所得1,000万円以下の子や孫に限られることになります。そもそも年間所得1,000万円超もある人が、教育資金、子育て・結婚資金を親や祖父母からの贈与を受ける必要性があるとは思えません。そもそもこの制度の目的が、資金の流動化を促すことなのか、若年層の負担軽減のためだったのかどちらだったんでしょうね。個人的には「相続税対策としての単なる富の横滑り」に一定の制限がかかったことはやむを得ないのだろうと思います。

 

もう一つ、その利用目的にも制限がかかります。教育資金については、学校への入学金や授業料の他、500万円までなら塾や習い事、自動車教習所等の費用にも使うことができました。これが、来年度以降は贈与を受けた人が23歳以上の場合には、来年7月以降は趣味の習い事(ピアノのレッスンやスポーツジムなど)には利用できなくなります。一般常識の範囲内で「教育資金の範囲とはどこまでか」を考えれば当然のことではないでしょうか。

 

この制度自体は決して悪い制度ではないのですが、どんな制度でも弊害はつきもの。匙加減が難しいのでしょうが、延長されたことを良しとして、うまく利用すればよいのではないでしょうか。

 

 

2018年12月25日 08:27

今日から3年目になります

旭川にて'20181224)

2016年12月24日に当事務所のホームページがオープンしました。

今日から3年目になります。

 

この2年間で約3万2,000人の方に訪れていただきました。お問い合わせのメールやお電話をいただいたり、あるいは顧問先の社員さまからも「よく見てますよ」とお声をかけていただいたりします。ありがとうございます。

 

ブログ「日々雑感」ではほんの少しですが、何か皆さんの生活の中でお役に立てることや、おトクになることをと考えて日々思いつくところを書いています。今後とも「毎日・少しづつ」をモットーに書き加えていきたいと思います。

 

3年目もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

2018年12月24日 12:34

インバウンドが去ったときどうなるんでしょうか

京都駅クリスマスツリー(20181223)

19日(水曜日)の朝刊1面に掲載された記事です。

「訪日客、初の3000万人超え」

 

国策として観光立国を目指すことを目的として観光庁が設立されたのが2008年、アベノミクスの経済政策の一つ「円安」の効果もあったのでしょうか。2013年に1000万人を超えてから、わずか6年で3倍というのは驚きです。東京オリンピックが開かれる2020年には4000万人を目指しているとのことですが、これだけ大きなイベントがあれば「達成」は難しいことではないかもしれません。

 

京都でもここ数年、驚くほど外国人観光客が増えたことを実感していましたが、3倍ともなっていれば当然ですね。観光庁のプレスによれば、外国人観光客が日本で使うお金は平均15万円、総額で4兆円を超えることになります。少なからずこの恩恵に預かっている業界があり、そこで働いている人がいるわけで、インバウンドの効果は無視できません。京都に住んでいれば、回り回ればすべての人が何らかの恩恵を受けているとも言えます。

 

でも少しに気なるのが、「山高ければ谷深し」ではないですが、この反動はいつかくるのではないでしょうか。そのきっかけは円高、日中関係の悪化、オリンピック終了による達成感による反動などいろいろ考えられます。安倍首相があと3年、政権交代でアベノミクスが転換することもそのきっかけになるかもしれません。

 

奇しくも、今の京都の実態を表している記事がネットに掲載されていました。決してもろ手を挙げて喜んでいられる状況ではなくなりつつある、まんざらあり得ない話ではない記事です。

京都で観光客排斥運動が起こる恐れアリ…!インバウンドの深き闇

 

それにしても冒頭の19日の朝刊の写真、国土交通大臣が関西国際空港で、「3000万人目」の人と握手をしながら収まっている写真を見てふとつぶやいた疑問です。「なんで超多忙の国交大臣がこんなピンポイントで関西国際空港にいるの?」。決まっていたんですよね、この人だって。

 

 

2018年12月23日 10:05

来年から12月の祝日がなくなります

メタセコイア並木(20181222)

昨日顧問先へ定期訪問に伺った際のオーナーとの雑談。

「来年から12月の祝日なくなんるんよね、この年末の祝日は結構ありがたかったんやけどね」

 

現在の天皇陛下は来年4月末に退位されるため、12月23日の天皇誕生日は今年が最後。皇太子さまの誕生日は2月23日、即位後の最初の誕生日は2020年となるため、来年は天皇誕生日が祝日となることはありません。その代わりといっては失礼かもしれませんが、5月の即位の礼やその前後が休日となることで、何かと話題の10連休になります。

 

先ほどのオーナーとの雑談のとおり、皆さんにとっても年末最後の1週間にある祝日、何かと嬉しい存在ではありませんでしたか。クリスマスに近く、年末の御用納めにも近いため、「最後の数日間、頑張ろう」と気持ちを入れるにはちょうどいい日。今年のように3連休ともなると年末年始休暇前のちょっとした前祝いのような存在、気持ちも軽くなりますよね。

 

さて、皇太子さまが即位された後、新しく2月23日を天皇誕生日とするため、祝日法が改正されることになります。この祝日法ではいくつかの理由で日付が定められていない日があります。その理由の一つ目はその月の第二もしくは第三月曜日とされている日。当初は「ハッピーマンディ」とも言われ、必ず連休となるように移動するようにされている祝日で、成人の日・海の日・敬老の日・体育の日が該当します。二つ目は春分と秋分の日、この2日間は地球の公転のズレなどの影響で日が移動します。よって毎年2月に確定し、官報に翌年の春分・秋分の日が掲載されます。

 

そしてもう一つが建国記念の日、今でこそ2月11日となっていますが、祝日法ができた昭和23年の時点では、占領軍の意向によって法律には盛り込まれたものの、日付については別途政令にて定めることとし、祝日とすることは見送られました。そして政令で2月11日と定められたのは昭和41年のこと、その翌年から施行されました。祝日法では現在も建国記念の日は「2月11日」とは明記されていないのです。

 

少し話がそれましたが、今年最後の3連休と当面なくなってしまうだろう12月の祝日、皆さんゆっくり休んでくださいね。

 

 

2018年12月22日 08:45

次の時代の終わり、この国はどうなっているのでしょうか

雨の中の紅葉(20181221)

今日、厚生労働省からリリースされた数字、平成という時代の30年間でいかに日本が変わったかを考えさせられるものです。

 

その数字が含まれている資料は、「平成30年人口動態統計の年間推計」。単年だけでは実感できないのですが、ここに含まれる統計表では、過去60年間の推移をみることができます。では平成元年と30年を比較してみると

 

年次 出生数 死亡数 自然増減数 婚姻件数 離婚件数
平成元年 1,246,802 788,594 458,208 708,316 157,811
平成30年(推計) 921,000 1,369,000 ▲448,000 590,000 207,000

 

この30年間で、出生数は3割減少、死亡数は1.8倍、自然増減数はプラスマイナスが逆転しました。平成30年は兵庫県の尼崎市とほぼ同じ人口分が減少したことになります。自然減は平成17年から始まっていますが、これまでに減少した総数は約266万人、これは大阪市の人口に匹敵します。これからも毎年、全国どこかの中核都市が消えていくといった状況が続くことになるんでしょうか。

 

適齢期の人口が減少すれば、婚姻件数が減少するのはわかりますが、離婚件数は逆に増加しています。実は離婚件数のピークは平成14年の約28万9千件、この年は芸能界で離婚が相次ぎ、特に今年引退した超大物歌手の影響でちょっとした離婚ブームになった年です。個人の価値観の多様化や、女性の社会進出、バブル崩壊後の雇用の流動化などこの30年で大きく変わりましたが、そういった要素が集約されたのが、婚姻件数や離婚件数の増減に表れているように思います。

 

次の時代の最後の年、平成の終わりと比べてさてどうなっているのでしょうね。

 

「平成30年(2018)人口動態統計の年間推計」~厚生労働省のホームページはこちら

 

 

2018年12月21日 07:20

忘年会・新年会の帰りのケガは労災になる、ならない?

真如堂境内にて(20181220)

12月は忘年会、年が明けて1月は新年会と飲み会が続く人も多いのではないでしょうか。ところで、こういった飲み会の帰りにケガをしたとき、労災の対象になるのでしょうか。

 

労災保険では、業務中の怪我や業務に起因する病気だけでなく、通勤途中の怪我についても給付の対象となります。ただし、通勤と認められるには一定の条件があります。通勤の概念としては「労働者が、就業に関し、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除く」とされています。一般的には次のいずれかの条件を満たすことが必要です。

➀住居と就業の場所との間の往復であること

②厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動であること

③➀に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る)であること

ただし、労働者が、上記の移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の移動は、通勤としないとされています。例えば、仕事が終わった後に同僚と飲みに行ったり、そのまま旅行に出かけたといった場合には、その時点で通勤には該当しないということになります。もっとも例外として認められるケースもあります。以前にもこのブログでも取り上げたことがありますが、次のようなケースです。

❶日用品の購入その他これに準ずる行為

❷職業能力の開発向上に資するものを受ける行為

❸選挙権の行使その他これに準ずる行為

❹病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為

❺要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母並びに同居し、かつ、扶養している孫、祖父母及び兄弟姉妹の介護

 

どこにも「新年会」や「忘年会」というキーワードはありません。では認められないのかというと決してそうでもありません。会社の行事として考えると、過去に次のような要件を満たした場合、忘年会や新年会を「業務」と認め、自宅への帰路を通勤と認めたケースもあります。

Ⅰ.忘年会や新年会が会社からの業務命令によるもので、参加が義務付けられていること

Ⅱ.忘年会や新年会が業務と関連するものであること(打ち合わせがその目的であることなど)

Ⅲ.会社がその費用を全額負担していること

Ⅳ.残業代など賃金が支払われていること

 

多くの忘年会や新年会でⅠからⅣの条件を満たすことはないと思いますが、お客様の接待を目的とした飲み会などでは該当するケースもあるかもしれません。いずれにしても、お酒が入った帰り道、千鳥足でうっかり転倒など、くれぐれもお気を付けください。

 

 

2018年12月20日 17:13

続・マイナンバーカードの普及率が発表されています

圓光寺境内にて(20181219)

総務省のホームページでマイナンバーカードの最新の普及率(12月1日現在)が公表されました。

 

マイナンバーについては、前職で利活用が始まる以前に、ある機関での影響についての分析案件にかかわったこともあり、個人的な思いもあってこのブログでもしばしば取り上げているお題です。前回は9月13日、そのときの表に今回の普及率を追加してみました。

年月 交付率 前回からの増加率 1ヶ月あたり
平成29年3月8日 8.4% 0.6%
平成29年5月15日 9.0% 0.6% 0.3%
平成29年8月31日 9.6% 0.6% 0.2%
平成29年12月1日 10.2% 0.6% 0.2%
平成30年3月1日 10.7% 0.5% 0.16%
平成30年7月1日 11.5% 0.8% 0.2%
平成30年12月1日 12.2% 0.7% 0.14%

毎回、「着実に」増えていますが、ここまでくると統計的に平均化してくるのでしょうか。なかなか進んでいないように思えます。

 

マイナンバーカードの発行が始まったのは平成28年1月、丸3年が経過しようとしています。単純計算すると50%を超えるまでにあと10年程度必要となります。でも少し気になるのが、マイナンバーカードには「有効期限」があること。カードの表面に記載されていますが、その期限とは20歳以上の人は発行から10回目、20歳未満の人は5回目の誕生日までとなっています。また、マイナンバーカードに内蔵されているICチップを利用して、予め電子証明書の発行機能を付加している場合には、5年毎に更新が必要となります。もっともこちらはICチップの書き換えのみでマイナンバーカードはそのままとなります。

 

気になることとは、何らかの目的を持ってマイナンバーカードを取得した人はともかく、なんとなく取得した人が有効期限を迎えた時、再度取得するかどうかです。今の交付率はプラスしかあり得ませんが、有効期限を迎えた人が再度取得しなければマイナスになることも考えられます。「維持」できるかどうかは、そのときにどれくらいこのカードを利活用することに利便性があるかどうかにかかっているんでしょうね。使えないものを再度取得するようなことは考えられません。

 

もっとも、マイナンバーカードの取得率は、65~94歳までの高齢者では20%を超えています。この年代の人にとっては運転免許証に変わる身分証明書として使われているようですが、今後高齢化や免許証の返納が進むことが理由でマイナンバーカードの普及率が上がるかもしれません。

 

やはりもっとも劇的に普及を進めるには、健康保険証機能を持たせることが一番と思うのですが、そのためには法律改正はさておき、全医療機関に読み取り装置の設置が必要となります。厚生労働省の調査によると今年3月末の全国の医療機関数は約17万9千施設、カードリーダーを仮に1,500円とすると2億6,850万円。1医療機関1台とはいかないでしょうし、システム改修も必要ですが、さてこのお値段、戦闘機1機よりは割安だとは思うのですがいかがでしょうか。

 

 

2018年12月19日 06:52
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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