8月9日、京都市のホームぺ時にこのような情報が掲載されました。
【広報資料】民泊に関する分譲マンション管理組合への周知について
以前のブログにて、京都市内では民泊が急増していることを取り上げました。7月末現在で1766施設、今年に入ってからでも既に300施設の増加となっています。その中には、分譲マンションの所有者が、営利目的で営業しているところもあり、マンションの管理組合や他の居住者との間でトラブルとなっているところもあります。
今回の京都市の広報は、マンションの一室を民泊として利用することを禁止する場合には、
管理規約の変更を早急に行うことを呼びかけるものです。
管理規約とは、マンションにおける様々な決まり事を定めたルールブックのようなものです。この規約の中で、例えばペットは買ってはいけない、とか、管理費や駐車場使用料はいくらといったことを定めます。また使用目的として、住居用に限定する、あるいは第三者に貸す(賃貸として貸し出す)場合の規定なども同様です。
仕事の都合で転居はするが売却はしない、あるいはそもそも不動産運用目的で買った場合など、自分がオーナーとなってマンションを第三者に賃貸することはよくあることです。実際、私が住むマンションでも、賃貸として住んでいる方がいらっしゃいます。管理規約でも、あらかじめ賃貸を想定して、これに関する規定を定めているものがほとんどです。民泊も広義には、「賃貸」と同じことになるため、それ自体は何ら問題にはならないのです。「特定の人に長期で貸す」か、「不特定多数の人に短期で貸す」といったくらいの違いです。
とはいえ、実際に民泊は多くの問題があります。例えば
・入れ替わり不特定の人が出入りする
・セキュリティが意味をなさない(キーが複製される可能性や、オートロックの解除コードを不特定の人が知ることになる)
・共用部分で事故があったとき、マンションの居住者がその費用を負担しなければならない可能性がある
・住環境が壊される など
もし、マンションとして民泊を禁止する場合には、できれば
民泊として利用する部屋が出てくる前に、管理規約にてその旨を定めておくのがベストです。なぜならもし既に利用されていると次の
2つのハードルが想定されるためです。
一つ目は規約の変更には、区分所有者(マンションの各住戸の所有者)総数の
4分の3以上の同意を必要とすることです。もし、民泊を既に始めている人が相当数おり、この人たちが反対に回った場合、クリアできなくなる可能性もあります。
二つ目は、仮に4分の3がクリアできても、民泊をしている区分所有者の同意を得られない場合には、規約を変更できない可能性があることです。区分所有法では、規約の変更が特定の区分所有者に
「特別の影響」を与える場合には、その人の同意を得なければならないとしています。この場合では、民泊をしている区分所有者の「財産権」を犯す可能性があり、これが
「特別の影響」にあたると想定されます。先にも書いたように「第三者への賃貸」は認められている訳で、後から一方的に「民泊はダメ」とは言えないのです。
実際、私のマンションでも昨年、民泊の禁止を管理規約に定めました。民泊の禁止を考えているマンションの方は、早急に対策されることをおススメします。
「【広報資料】民泊に関する分譲マンション管理組合への周知について」の京都市のホームページはこちら
2017年08月19日 05:55