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ブログ(日々雑感)

割増賃金のこと、知っていますか。

盧山寺・筆塚(20180316)
民法改正内容の一つに「消滅時効の見直し」があります。これに併せて、今検討されているのが賃金に関する請求期間です。

賃金の消滅時効については、労働基準法第115条の規定で次のように規定されています。「この法律の規定による賃金(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する」
賃金についてはこの規定によって、今は原則2年を経過すると請求できなくなります。これを民法改定に併せて、5年にしてはどうかというのが今後の議論の課題となります。

これで影響を受けるとすれば、未払賃金。例えば、支払われていない残業代がある場合、5年にさかのぼって請求することができるようになるということですが、そもそも残業したとき、割増賃金が発生することを知らない人も少なくありません。ここで復習してみませんか?

まず、割増賃金が発生するのはどんなときか(労働基準法37条)
①1日の法定労働時間(8時間)を超えた時
②1週間の法定労働時間(40時間、一部の事業では44時間)を超えた時
③深夜時間(22時から5時)に労働した場合
週1日の法定休日に労働した場合

の4ケースです。割増率は①②③が25%、④が35%となりますが、それぞれが組み合わさったときには、次のように合算されます。
【1】8時間を超える労働時間が深夜になった場合
①(または②)+③ 25%+25%=50%増   
【2】休日労働が深夜になった
③+④ 25%+35%=60%増     

といったケースです。ただし、④の法定休日の労働時間が8時間を超えたとしても、その時間は①の時間外と合算はされません。なぜなら休日労働は8時間という括りに関係なく、すべてが35%増で計算されるためです。

それともう一つ、現在一定規模以下の中小企業には適用されませんが、時間外勤務が60時間を超えた時間については50%割増となります。また、もしこの時間が深夜時間である場合には深夜割増がさらに加算されるため75%となります。

変形労働時間制を適用している事業所については、1日あるいは1週間の法定労働時間だけでは判断できませんが、時間外・深夜・休日労働をしたときの賃金について、割増の規定があること、知っておきたいですね。

※写真は盧山寺境内にて筆塚(京都市上京区)
2018年03月16日 18:24

早ければ、今週土曜日には開花宣言?🌸

八坂の塔(20180315)
今年の桜、早ければ今週土曜日(17日)には東京で開花宣言と予想されています。昨年の開花は26日だったので、1週間も早くなっています。

今年は各地で大雪に見舞われ、東京でも1月に最低気温が8日連続氷点下と非常に厳しい冬でした。ここでふと疑問が涌きませんか?「こんなに寒かったら、桜のつぼみの育ちが遅くなって、その分、咲くのも遅くなるのでは・・・」

実は逆、これだけ寒かったから咲くのが早くなっているのです。桜は翌年の春の花の準備を前年の夏の間に行います。つまり昨年の夏、あの猛暑だった夏に仕込みをしていたのです。そして秋になり、葉を落とすといったん「休眠状態」になって、じっとある時期が来るのを待ちます。それが、冬の寒さ。寒さが来ることで、桜は休眠状態から目覚め、本格的に開花の準備を始めます。寒さが厳しいほど、準備が進みます。これを「休眠打破」といいます。似たような名前の眠気防止のドリンクがありますが、眠りから覚めるという意味では同じかもしれません。そして、今週のこの暖かさで、蕾は一気に開花に向けてスパートをかけているのです。

今年の寒さが、むしろ桜の開花を早める、寒ければ寒いほど春が来るのが早くなる、とも言えます。ちなみに京都の開花予想は22日、満開が31日となっています。鴨川添いの桜の蕾はまだまだ緑色の固い状態でしたが、さて予想通りとなるのでしょうか。

あまりに時期が前後すると、桜の時期を狙って旅行や観光の予定を立てている人には、自然が相手のこととはいえ、気が気ではありませんね。ただ、京都は高尾や大原、市街地では御室など時期が遅いところもありますので、予定のある人はそのあたりを選択肢に加えてもいいかもしれません。

いずれにしてももう少し、桜の開花を待つことにします。

※写真は八坂の塔(2017.4.6撮影)(京都市東山区)

2018年03月15日 08:08

是非の価値観があまりにずれているように思えます

京都御所の梅(20180314)
3日前に書いたばかりなので、少し様子を見るつもりでしたが、あまりの醜さにホトホト呆れています。

もし、例えば会社でいったん作成した社内文書を書き換える場合、それはどんなときでしょう。
【ケースその1】
作成した内容に間違いがあった。これは言い換えれば「修正」、そもそもの間違いを正すためのもので、何ら問題はありません。もしかすると事前の調査不足とか、チェック漏れといって注意を受けるかもしれませんが、結果としては前向きな仕事とも言えます。

【ケースその2】
そのままでは「自分」にとって不都合であるため、事実を隠した。あるいは虚偽の内容に書き換えた。これは「自己保身のための隠ぺい」です。もちろん、自業自得ですから、組織で相応の処分を受けるべき行為ですが、こういった場合はおそらく、「自分にとって不利なこと」を隠すための行為ではないでしょうか。人の為に自ら進んでするとはちょっと考えにくいですよね。

【ケースその3】
組織やに自分より上席の人にとって不都合なことを隠すために、事実を隠した。これは、「組織や特定の人の保身のための隠ぺい」です。自分にとって全く落ち度がない場合、曲がりなりにも自分を納得させて、こういった行為をするには、相当大きな見返り、大きな圧力(命令)がなければ普通の人はしません。一歩間違えば自分も同罪、あるいは責任転嫁の末に切られてしまいます。

さてさて、この2~3日で報道されている情報から、多くの人はどのケースが該当すると考えるでしょうか。実際、ある特定の人や組織に責任が集約され、隠ぺいされた事柄自体は大勢に影響がないかのように語られています。ケース2とケース3の決定的な違いは、「誰のためにされたのか?」。書き換えた内容をどう解釈しても、官僚自身が自らの保身のためにしたとは思えません。また、もしケース2なら、その本人に公の場で説明させても何ら問題はないはず。それを拒んでいるのは、やはりケース3であるからではと疑われても仕方がありません。

この問題、最終的にどういう結末が待っているのでしょうか。少なくとも責任転嫁やトカゲのしっぽ切りで終わり、というマイナスだけでチャンチャンということだけはないようにしてもらいたいものです。


2018年03月14日 16:51

勤務中の「休憩時間」、法律の規定を知っていますか

荒神橋かいわい(20180313)
1ヶ月ほど前になりますが、大阪市のプレスリリースに次のような記事がありました。

「職員の休憩時間の選択制を導入します」
大阪市は、市役所本庁舎において、職員の休憩時間の充実や、公務能率・生産性の向上を図ることを目的とし、原則12時15分から13時としている休憩時間について、職員からの請求による休憩時間の選択制を導入します。
(以上、大阪市ホームページより)


休憩時間の取り方やその時間は、企業によって異なります。昼の休憩は食堂の混雑を避けるために、あるいはお客様相手の仕事では、交代制が多く採用されています。では、そもそもこの「休憩時間」、法律ではどのように定められているか、以外に知らない人も多いのではないでしょうか。

まず、休憩時間はどれくらい取るのか、使用者は労働者に与えなけれなならないことになっているか。法律では、労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間と決められています(労働基準法第34条第1項)。「少なくとも」となっているので、これ以上の時間を与えても問題ありません。また6時間を超える場合ですから、6時間勤務の場合には、与えなくても構いません。ただし、休憩時間は労働時間の途中に与えなkればなりませんので、労働時間の最初とか最後に与えることはできません。

そしてもう一つ大事な原則があります。それは、「一斉に与えること」です(労働基準法第34条第2項)。これは、例えば隣同士で、ある人は休憩中なのに、隣の人が仕事をしていたら、精神的に休んだ気がしません。そのため、原則として一斉に休むこととなっているのです。しかし、例えば昼休みの1時間、オフィス内に誰もいないということは非効率的で、現実的ではありません。この場合、労使協定を結ぶことで、交代制にするといった変更をすることを可能としています。

また、そもそも「一斉付与の原則」が適用されない事業があります。それは、運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業及び官公署の各事業。これらの事業については、一定付与の適用除外とされており、特例的に扱われています。

法律ではこのように規定されている休憩時間も、実際には仕事の進捗が遅れていた理、トラブルが発生したり、あるいは顧客からの問い合わせなどに対応しているとなかなか取れないということも多々あります。もちろん、ケースバイケースですが、休憩時間は、体や頭を休めて気分転換をすることによる効率アップ、注意力のリセットという目的もあります。臨機応変に、こまめにでも休むようにしましょう。


2018年03月13日 13:45

企業の採用方法が変わってきています

夕焼け20180312)
今年も3月1日から、来年春卒業の学生を対象にした採用活動が解禁になりました。ところで、企業の採用方法が少しづつ変わってきていることをご存知ですか。

採用活動といえば、基本的には学生側からのエントリーをきっかけに、セミナーや会社説明会への参加→選考面接・選考試験→役員面接→内々定というのが一般的です。他には、通年採用やアルバイト・パートからの正式採用などがありますが、新卒採用に限ればほとんどが学生からのエントリーです。

これが最近では、企業側からのアプローチをきっかけに始まる方法が少しづつですが、広まりつつあります。その代表的な方法は2つ、一つは「逆求人就活」、もう一つは「リファラル採用」といわれるものです。

「逆求人就活」とは、学生が企業を探すのではなく、企業が関心のある学生を探してアプローチするものです。予め学生が自分のアピール情報をサイトに登録し、企業がそれを検索します。私が知る企業でも、この手法で実際に採用に結びついたところがあります。サイトの運営主体は、一般企業によるものや、大学が自大学の就活生を対象に運営しているものもあります。

もう一つの「リファラル採用」とは、社員の紹介をきっかけに学生にアプローチするものです。リクルーター制度に似ていますが、大きな違いはあくまでも紹介であり、社員から人事担当者へ、学生の評価や印象といった選考に関する情報提供は行わないことです。つい最近の新聞にも掲載されていましたが、この「リファラル採用」は、大手企業の3割が導入しているとのことです。

大手企業でさえ、こういった複数のチャンネルを使って採用しているのですが、実際、いろいろな企業で「人がいない、採用できない」という話しを聞きます。中小企業ではなおさらです。ただ、私が思うには新人の採用も大事ですが、今いる人材をより有効に活用する、スキルアップする、仕事のやり方を変え無駄を省く、など他にも人手不足を解消できる方法があります。ちょっと見方を変えてみてはどうでしょうか。


2018年03月12日 11:36

どうしてこんなことになってしまったのか

京都御所(20180311)
「いくらなんでもそんなことはあり得ないだろう」とこの1週間の報道を見ていましたが、そのまさかが明日現実のものになるようです。

財務省の官僚による公的文書の書き換え、こんなことがあっていいんでしょうか。一般企業で、事後に社内文書が書き換えられ、それが上司や社外に提出されたら大問題です。少なくとも、何らかの処分を受け、会社としてもその信頼性に大きなキズが付いてしまいます。

財務省の官僚といえば、エリート中のエリートであり、またこの国のもっとも重要な部分を担っている人達です。そんな人達がする仕事とはとても思いたくないのですが、あまりにも空しく感じます。

明日以降、野党は鬼の首を取ったかのように、「辞任だ、倒閣だ」と声高に訴えるのでしょうが、それは最後に政治が取るべき責任。党利党略や政治家個人の思惑ではなく、まずはなぜこういったことが起きたのか、政治家の責任としてその原因を明確にしてほしいものです。とてもこれほどのことを一官僚の判断で行ったとは思えません。まずは原因をはっきりしてください。

「日本の官僚は世界で一番優秀」というのが、残念ながら昔話になってしまったとは思いたくないのですが。


2018年03月11日 11:53

マンション標準管理委託契約書が改定されました

京都御所にて(20180310)
昨日9日、国土交通省のホームページに「マンション標準管理委託契約書」の改定版がプレスリリースされました。

マンションに住んでいる人でも、管理組合の理事等を経験したことがないと、おそらく耳にすることがないかもしれない、この「マンション標準管理委託契約書」。そもそも何か?というと、マンションの区分所有者で構成する管理組合と、マンションの管理を請け負う管理会社との間で、管理委託契約の内容について定めた契約書の雛型のことです。2000年(平成12年)に成立した、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)」に準拠して、契約の内容が定められています。

この雛型、必ずしもこれに倣わなければならないというものでありません。が、多くのマンションの管理組合と管理会社の間で結ばれている管理委託契約書のベースになっています。今回改定された主な内容は、
➀個人情報保護法の適用拡大により、マンション管理組合にも個人情報保護法が適用されること
②マンション管理業者が反社会的勢力に該当する場合には、管理組合は契約を解除できること
③管理組合総会や理事会の業務支援に内容について、管理組合と管理会社がその範囲を協議して決めること
④管理会社が管理するマンションの共有部分に、宅配ボックスを追加すること
⑤管理会社が区分所有者から専有部分の修繕を求められたときの対応方針

といった内容です。どれも昨今の世の中の情勢を踏まえての対応で、どのマンションにも共通すると思われるものです。

管理会社が管理業務の対象として請け負う範囲は、いわゆる「共有部分」と言われる範囲で、その中でも範囲を特定して委託契約書に定めています。マンションによっては、竣工後に宅配ボックスを設置するところもあり、④はこれに対応するものです。

また、各住戸の専有部分については、そもそも管理会社による管理の対象外ですが、現実にはその修繕や改修を専門的な知識のある管理会社に依頼するというのはよくあるケースです。このときの対応の考え方を明確にしたというのが⑤に該当します。

もっとも、管理組合が一番配慮しなければならないのは、➀ではないかと思われます。非常時に備えてマンション住人の名簿などを作成する場合、その目的を明確にし、管理を適切に行うことが求められますので、注意が必要です。

「マンション標準管理委託契約書を改定しました」~国土交通省のサイトはこちら

2018年03月10日 17:36

理想の上司(リーダー)とはどんな人ですか?

真如堂境内にて(20180309)
一昨日の朝日新聞の朝刊にこんな記事がありました。
「理想の上司、2年連続№1 内村さん&水卜さん」

明治安田生命保険が、学生1,100人にネットで行ったアンケート調査結果です。いうまでもなく内村さんはタレント&MCで、水卜さんは日本テレビのアナウンサーとしてそれぞれ人気のある方です。学生へのインターネットによる調査ということで、テレビ画面から伝わる「印象」に左右されるところが大きいとは思いますが、さて実際に会社や組織の中にいる皆さんが思う「理想の上司」とはどんな人でしょうか。

私自身も28年間、組織の中で仕事をして多くの人とご一緒させていただきました。システム業界ということで、自社内よりユーザー先での仕事の方が長かったのですが、ふと考えてみました。上司ではありませんが、同じプロジェクトで仕事をした中で、リーダーとして印象に残っている人が何人か思い浮かびます。それぞれ大手企業の当時は課長職の方ですが、その方々には共通項があります。それは「一貫性」と「多様性」です。

「一貫性」、言い換えると「ぶれない」ということ。これは人の上に立つ時には大切なことです。指示や方針が朝令暮改のように変わったり、自分の部下や上司に対する態度が、相手に応じて変わる風見鶏のようであれば、信頼してついていくことはできません。自社の部下に対してはもちろん、派遣社員や私のように協力会社として入っている人に対しても分け隔てなく接することは、意外に難しいことです。

次に「多様性」、言い換えると「寛容である」ということ。組織にはいろいろな考え方や意見を持っている人がいます。しかし、上に立つ人の中には、自分以外の意見を受け入れない、長年の自分の経験が正しいという前提で、それを前面に押し出していこうとする人がいます。もちろん、経験則も大切で部下の意見や考えが間違っていたら訂正することも必要ですが、まずは意見や考えを聞く、活かせる部分はないか考える、という姿勢がリーダーには必要です。「まずは自分」ではなく、「まずは部下」であること、部下の多様性を受け止めるくらいの寛容さがリーダーには必要です。

この2つを持ったリーダーと一緒にしたシステム開発案件は、それぞれが今でも印象に残っていて、自分の中ではシステム業界にいて良かったと言える仕事でした。おそらく、皆さんもいい上司やリーダーの元での仕事は、同じ思いではないでしょうか。

そう考えると、いい上司、或いはいいリーダーとは、後に部下が自慢できる仕事、記憶に残る仕事を一緒にできる人といえるかもしれませんね。

※写真は真如堂境内にて(京都市左京区)

2018年03月09日 07:49

国民年金の「任意加入制度」を知っていますか

京都御苑にて(20180308)
原則として20歳以上60歳未満の国民に加入が義務付けられている「国民年金」。この国民年金に「任意加入」という仕組みがあることを知っていますか。

「任意加入」といっても、20歳から60歳までの強制加入とされている期間について、加入にするかしないかといった選択の余地を与えるという制度ではありません(一部例外はあります)。

この仕組みの目的は次の2つ。
➀将来もらえる年金額を増やすため
65歳から受け取ることができる「老齢基礎年金」は、40年間(480ヶ月)保険料を納めると、満額の77万9300円(平成29年度価格)受け取ることができます。もし、保険料を納めなかった期間があれば、その月数に相当する分年金額は少なくなります。例えば、ちょうど半分の240カ月納付した場合には、年金額は半額となります。こんな場合に、もし年金額を増やしたいという場合には、60歳から65歳歳までの間、任意加入することができます。ちなみに任意加入で1ヶ月分(平成29年度で16,490円)保険料を払うと、増加する年金額は約1,623円、元を取るには約10年、単純に75歳まで生きなければ元が取れません

②もう少しで年金の受け取りが可能な場合に、受給権を取得するため
老齢基礎年金を受け取るためには、最低10年間(120ヶ月)保険料を納付しなければなりません。「もしあと数ヶ月加入すれば、受給権がもらえるのに」という人も少なくありません。こういった人が受給権を取得するために60歳から65歳歳までの間、任意加入することができます。掛け捨て防止策といってもいいかもしれません。

さらに、②の場合で65歳まで加入してもなお受給権を取得することができなかった場合、昭和40年4月1日以前に生まれた人に限り、さらに70歳まで加入することができます(特例加入制度)。ただし、目的が「受給権の取得」であるため、受給権を取得できた時点で任意加入はできなくなります。

最後に任意加入時に注意しなければならないことを2つ。一つ目は、保険料の納付方法が「口座振替」のみであること。二つ目は、繰上げによって年金の受給がすでに開始している場合にはできないということです。60歳になったとき、繰上げによって本来より少ない年金をもらい始めるか、年金額を増やすために任意加入するか、本人のライフプランや健康状態などをよく検討して考える必要があります。


2018年03月08日 09:49

教育資金はどうやって準備すればいいか

京都御所・建礼門(20180307)
もうすぐ4月、進学の季節がやってきます。特に大学進学を控えた子供を持つ家庭の多くでは、大きな出費は少なからず頭痛のタネ、「あ~、もう少し早めに準備をしておけばよかった」というのが本音。では、この教育費用の準備、どのような方法があるのでしょうか。

大学進学資金は、仮に国公立大学であっても、昔に比べれば負担感は相当なもの。サラリーマンの平均年収は厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、この30年で1.2倍弱の伸びにも関わらず、大学の授業料は1.6倍を超えています。この負担を小さくするためには、なんらかの手を早めに取ることがポイントです。

ではどうやって備えるか、考え方は2つ。一つ目は、事前に準備する方法。その代表とも言えるのが「学資保険」です。学資保険の一番の特徴は、積立期間中に契約者である親に万が一のことがあった場合に、以降の保険料の払込が不要となり、かつ満額の保険金が準備できることです。この点は大きなメリットですが、一方で普通に満期まで保険料を支払った場合、低金利の現在の学資保険は、いわゆる元本割れを起こすケースがほとんどです。例えばかんぽ生命の場合、契約者(親)が28歳、子どもが18歳で満期となる学資保険に加入した場合、130万円を受け取るために必要な保険料総額は138万円。この8万円をどう考えるかということになります。

保険を使うのであれば、終身保険に加入するという方法も選択肢の一つです。終身保険は積立機能があるため、一定期間を経過すると解約時に戻ってくるお金(解約返戻金)が、それまで払い込んだ保険料を上回ります。つまり、元本割れをしないということで(加入年齢や保険期間によって異なります)、学資保険に比べると有利です。ただし、短い期間で解約をした場合には、大きく下回ることもあるため注意が必要です。また、お金の融通性を残すのであれば、積立貯金等で、強制的に毎月一定額を準備するというのも選択肢です。「殖やす」という面ではメリットは小さくなりますが、確実に貯めるという面ではおススメです。

考え方の2つ目、どうしても準備できなかった場合の手段、それは「借りる」。一般的には「教育一般貸貸付」と日本学生支援機構の「奨学金」です。それぞれの違いは、教育一般貸付は「親が借りる、15年間で返済、最高で350万円」、奨学金は「本人が借りる、返済期間は金額による、貸与金額も区分により異なる」。ただし、特に奨学金は学生時代の負債を社会人になってから背負うことになります。昨今いろいろ社会問題になっていることもあり、利用は慎重にした方がよいでしょう。

教育資金は、「いつ」「どれくらい必要か」がある程度明確にできるお金です。逆算して長期で少しづつ、生まれた時から準備を始めるのが、もっともベストな方法と言えます。

※写真は京都御所・建礼門(京都市上京区)

2018年03月07日 08:31
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