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ブログ(日々雑感)

時効と労働基準法の関係、意外にあるある

富良野の道(20190305)
2020年4月、民法が120年ぶりに大幅に改正されます。その改正が労働基準法に意外な影響を及ぼすかもしれません。

今回の民法の改正は多岐に及びますが、労働者として私たちの生活に影響が及ぶかもしれないことに、労働基準法で定める時効が考えられます。時効とはその状況が一定期間継続した場合、その状況を事実として認めてしまおうというもの。その結果として権利が発生するものを「取得時効」、反対に権利が消滅してしまうものが「消滅時効」です。よく日常会話の中で、「そんな昔のこと、もうええやん。時効や時効・・・」というのは、消滅時効ともいえるでしょう。

さて、労働基準法で定める事項には、大きく分けて4つあります。
①賃金の請求権・・・2年
②退職金の請求権・・・5年
③災害補償(労働基準法による休業補償や障害補償など)・・・2年
④その他の請求兼・・・2年


上記のとおり、未払いの給与があっても2年を経過すれば時効によってその支払を請求することはできません。同じように退職金は5年、病気やケガなどで働けなかった期間に対する休業補償や療養補償、解雇予告手当などは2年を経過するとその請求権を失います。このように今は2年もしくは5年の時効までの期間、民法改正によって、民法の特別法の位置づけにある労働基準法の時効がもしかしたらすべて5年に統一される可能性があります。

もし5年となると、過去の未払い賃金の請求期間が大幅に延びることになりますが、これは企業によって大きなリスクになります。未払い賃金が生じていないか、あるいは生じないようにしていくことが求められます。それともう一つ、有給休暇の繰越が5年まで認められるとなると、今は最高で20日×2年で40日が限度ですが、これが×5年で100日まで繰越ができることになります。今年4月からの義務化と併せ、より計画的に取得していくことが必要になるでしょうね。

 

 

2019年03月05日 16:58

意外に知らない、休日の違い

富良野の道(20190304)
皆さんは職場の休みには2種類あることをご存知ですか。

その2種類とは、「法定休日」と「法定外休日」、「法定外休日」の方は職場の就業規則等では「所定休日」と定義しているところもあります。まずは「法定休日」ですが、これはその名の通り、法が定める休日のことです。労働基準法第35条第1項では「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。」と定められています。また第2項では「四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。」として例外を認めていますが、この条文に基づいて付与されるのが法定休日とされるものです。法律では週休1日制と言えます。

そしてもう一つの「法定外休日」、これは法定労働時間の制限によるものです。労働基準法第32条第1項では「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」、第2項では「使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない」と規定しています。これにより、就業規則で1日の労働時間を休憩時間を除いて8時間と定めた場合、1週間の法定労働時間である40時間に収めるためには、労働日数は5日間となります。そのため、法定休日でない残りの1日を「法定外休日」として休業日としているのです。

労働者からみれば、法定休日も法定外休日も同じ休日であり、それほど差はありません。でも使用者からすれば大きな違いがあります。それは給与計算時の割増率、この法定休日と法定外休日では出勤させた場合の割増率が異なるのです。法定休日に働かせた場合の割増率は35%であるのに対し、法定外休日は法定労働時間を超える場合のみ25%となります。少し難しいかもしれませんが、例えば日曜日を法定休日、土曜日を法定外休日とする会社で、祝日のある週に以下のとおり出勤したとします。
【例1】
月~木曜日     それぞれ8時間勤務  
金曜日(祝日)   休み
土曜日(法定外休日)8時間勤務
日曜日(法定休日) 休み

土曜日に出勤していますが、1週間の労働時間は40時間に収まっているため、割増賃金を支払う必要がありません。

【例2】
月~木曜日     それぞれ8時間勤務  
金曜日(祝日)   休み
土曜日(法定外休日)休み
日曜日(法定休日) 8時間勤務休み

1週間の勤務時間は40時間に収まっていますが、日曜日(法定休日)の勤務については40時間を超えているいないに関わらず、35%割増の賃金を支払わなければなりません。

みなさんの給与明細に時間外手当が、時間外・休日・深夜と分けて記載されているかどうか、またその計算が所定の割増率となっているか、一度確認してはどうでしょう。

 

 

2019年03月04日 12:37

外国人材活用の研修会に参加しました

外国人活用(20190303)
昨日2日、外国人材活用についての研修会に参加してきました。

この研修会の主催は、以前にも紹介したことのある福井・大阪・京都・東京を拠点に広く業務を展開されている、行政書士・社会保険労務士法人坪川事務所です。講師は同事務所で入管取次行政書士をされている本多先生と吉田先生のお二人、グループワークも含めて3時間、とてもためになる知識をインプットすることができました。

以前から多くの顧問先で相談されるのが、特定の業界に限定されず「人手不足」。採用したいが人がいない、仕事はあるが人がいないということ。そんな状況で外国人を採用することを検討されているところもあります。そんなご相談にお応えするため、我流で相応に勉強はしていましたが、昨日の研修で点であった知識が体系付けられて線になったような感じがします。

研修の中で改めて考えさせられたこと。それは外国人に限らず日本人であってもやってはいけないことなのですが、「人前で叱る」ということです。みなさんの周りでも、あるいは皆さん自身も何気にしていませんか。もちろん程度の差はあり、仕事上の注意は必要ですが、パワハラにもなり得るような、本人のプライドを傷つけるような叱り方はするべきではありません。これは誰に対しても同じであるということです。

ちょっとした裏話もあり、顧問先にもご提供できる、有意義なお話しを聴くことができました。

 

 

2019年03月03日 08:44

最近おきた残念なできごと

夕日(20190302)

今日は私事です。

 

フェイスブックを利用されている方は多いかと思いますが、最近ここで非常に残念なコメントを目にすることがありました。

 

コメントの内容は、その方が退職にあたり、ご自身の部下である人との写真とともにその人の優秀さをアピールするものです。部下の優秀さを上司として評価し、その旨をSNSで発信すること自体は問題とは思いません。評価された部下の方の気持ちになれば、上司からの評価は嬉しいものです。ただ、残念であったのは何の根拠もなく特定の士業者と比較し、また士業者を批判しているコメントです。

 

部下の方の社内での業務と、特定の士業者の業務とを比較し、士業者より秀でていると評価する一方で、いかにも士業者が劣っているかのようなコメントはいかがなものでしょうか。他人を悪く批判することである人を評価する方法は、私は良い方法とは思えません。比較すること自体はあってもいいのですが、あえて悪く評価して比較することはどうかと思いますがいかがでしょうか。

 

コメントされた人の社会的な地位が高いほど、そのコメントの意義は重くなります。その点でもやはりこのような評価を発信されたことがとても残念で、以降この方のコメントは読まなく(読めなく)なり、フォーローも解除してしまいました。皆さんは人を評価するとき、その比較の対象となる人のことを考えていますか。

 

 

2019年03月02日 12:23

一月は行く、二月は逃げる、三月は去る

八坂の塔(20190302)
今日から3月、毎年思うのですが年が変わってからあっという間にもう3月です。
昔から「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」といいますが、まさにその通りです。

そんな今日、ニュースや情報番組で度々取り上げられていたのが、新元号の発表まであと1ヶ月となったことと、4月末から5月初めまでの10連休のこと。今回の元号改正は昭和から平成になったときに比べると一転、自粛ではなく祝賀ムードの中で行われるだけに、4月1日の発表から5月1日の改元当日まで、いろいろとあるんでしょうね。終わりつつある平成と新しい時代、昭和63年度に大学を卒業し、平成元年度に社会人となった私にとってもなんとも複雑な思いです。

ところで、政府は10連休の対策の一つとして保育施設への補助金を加算する制度を創設するとのことです。その他、救急医療や日雇労働者等の対策を講じるとのことですが、補助金を加算してまで対策を打たなければならないというのであれば、そもそも5月1日だけを休みにすればよかったのではないかと考えてしまいます。今回のようなことはそう何度もあることではないのでしょうが、税金を使ってまで休みにするというのはちょっと疑問を感じますがどうでしょうか。

以上、とても10連休など望めない、あるフリーランスのつぶやきでした。

 

 

2019年03月01日 07:33

仕事を評価していただくこと

御所の梅(20190228)
今日は私の仕事に関することです。

午前中、明日新規の顧問先に持参する調査・改善に関する提案書と契約書を作成していました。こちらの企業さまとはまず現状の勤務時間と賃金についての問題点とその改善方法の提案、それを踏まえた諸規定の策定や、4月以降の労務管理をお受けすることになっています。その内容を含めた契約書を取り交わすことになります。

一部に2~3年契約もありますが、私はほとんどの顧問先と、原則1年間の契約を結び、都度更新するというスタイルを取っています。初めて顧問契約を結んだ企業さまは一昨年の7月、昨年4月以降に顧問先となった企業さまを除き、最低1回は更新させていただいたことになります。その更新の際に必ずご提示するのが、前の1年間の予定とそれに対する実績、次の1年間の予定です。お約束してできていないものはないか、また次の1年間に何をご提供するかをオーナー様に確認していただいています。

こうすることによって、前1年間の仕事を評価していただくタイミングができます。「毎月同じルーチンワークをしていれば定期的に顧問料が振り込まれる」というのでは、新たなものをご提供することができません。あるいは慢心が出てきます。評価というチェックポイントがあることで、オーナー様にも納得して新しい契約を結んでいただくことができます。

どんな仕事でも、評価は必要です。それはサラリーマンでも士業者でも同じこと。また明日から顧問先となる企業様にも、1年後に評価していただけるよう、提案型の業務を心がけていきたいと思います。

 

 

2019年02月28日 13:16

確定申告に行ったときのできごと

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本日午前中、左京税務署へ平成30年分の確定申告書を提出してきました。

退職した年以降の定例行事になっていますが、これが終わるとなんとなくホッとします。郵送や電子申請の方が時間が省けるのでしょうが、幸いなことに税務署が自宅から近いこともあり、またその場で控えへの受付印が貰えるという、ほんの小さな満足感を味わいたくて持参しています。でも、郵送や電子申請の人が多いのでしょうか、年々並んでいる人数が少なくなっているように感じます。

さて、順番待ちをしていたほんの数分の間、前に並んでいた人と職員さんとの間でちょっとしたやり取りがありました。
Aさん 「提出した書類ってコピー貰えるの?」
職員  「いいえお渡しはていません。必要なら事前にコピーをしておいてください」
Aさん 「じゃあ、コピーしてくれませんか」
職員  「申し訳ありませんが、ご自身で準備をお願いします」
Aさん 「税務署にもコピーあるよね、するから案内して」
職員  「同様のお願いにすべて対応できないので、税務署のコピー機はお貸ししていません」
Aさん 「なんやそれ、ええやん・・・」


その後も押し問答があったようですが、結局Aさんはコピーはせず、提出のみして出ていきました。私は職員の対応はやむを得ないと思いますがいかがでしょうか。コピーを都度受け付けていたらきりがありませんし、税務署の業務も滞ってしまいかねません。またそもそも、国税庁の確定申告書作成作成コーナーや会計ソフトを使って確定申告書を作成すると控えが作成されるようになっています。税務署にその控えを持参すると受付印を押印してもらえるのですが、Aさんはもしかしてこのことを知らなかったのでしょか。

ただし最近では、控えに受付印を押すのではなく、原本に受付印を押したのちに役所の方でそれをコピーして返してくれるところもあります。それぞれの事情があるのでしょうが、職業柄役所に行く機会が多い者としては、統一してもらえると有り難いのですが。

 

 

2019年02月27日 11:42

こんなとき保険料が免除になります(厚生年金・健康保険)

北浜駅にて(20190226)
サラリーパーソンが毎月の給与から控除されている健康保険料と厚生年金保険料、この保険料が免除される期間があることをご存知ですか。

その期間とは「産前産後休業期間」と「育児休業期間」の2つ。それぞれの条件に該当すると、この期間中は被保険者と事業主の保険料がともに免除になります。

まず、「産前産後休業期間」についてその対象となる期間は、労働基準法等でいうところの産前産後休業と同じです。出産日以前42日目(多胎妊娠のときは98日目)から出産日の翌日以降56日目までの期間で、被保険者が会社を休んだ期間が該当し、給料が支払われているかどうかは関係ありません。申出は事業主が申請書を提出する必要があります。

次に、「育児休業期間」。こちらは育児休業を開始した日から最長で出生時が3歳に達する日の属する月の前月までがその対象となります。ただし育児休業とは無条件ではなく、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に定める条件に該当する必要があります。申出は産前産後休業と同様に、事業主が申請書を提出する必要があります。

それぞれの期間、保険料は免除されますが、休業前と同額の保険料を払ったものとみなされるため、将来年金を受ける際などに減額されることはありません。また、産前産後休業や育児休業が終了し、仕事に戻った際、育児などを理由にフルタイムで働くことができな場合など、給与が休業開始前より大きく下がる場合があります。そうすると休業開始前と同額の社会保険料が大きな負担となりますが、この場合に本人からの申出によって、休業終了の翌月以降3カ月間の給与に応じた社会保険料に改定し、負担を軽減することができます。

ちなみに、「産前産後休業」は女性しか該当しませんが、「育児休業」は男性・女性ともに該当します。企業の総務や人事部門の方は、該当者の手続きを忘れずに行うようにして下さい。

 

 

2019年02月26日 14:26

甘い言葉にはくれぐれもご注意を

お月さま(20190225)

先日、ある顧問先のオーナーさまからご相談がありました。

「〇〇〇という会社から助成金申請をお手伝いしますという電話がかかってきたんですがどうしたらいいですか」

 

その後いろいろお話しを伺うと、対象となる助成金はキャリアアップ助成金というもので、その目的は有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップ等を実現した事業者に対して支給されるものです。「対象となるかどうかの調査だけでも」と称した簡単なアンケートに対して電話で回答すると、業者からは「間違いなく受給できますので、契約書等をお送りします」と一方的に話が進んでしまっているとのこと。ここで不安になってご連絡いただいたという経緯でした。

 

そもそもこちらの顧問先さま、今回の助成金が該当するかどうかは以前に検討したことがあり、そもそも該当する社員がいないことからオーナー様へのご提案はしていませんでした。今回その業者がどう判断して「受給できる」と言ったは分かりませんが、もしかすると該当する従業員があたかもいるようにして申請をしようとしていたかとも思われます。さてこの業者は何をどのように受給しようとしていたのか、別の意味で関心があります。

 

助成金はもし不正受給となると、もちろん犯罪(詐欺罪)であり、刑事告訴される可能性があります。支給された助成金の返還は当然のこと、その後3年間助成金を申請することはできません。今回の手続きが仮に進んでいたらあり得たかもしれません。「助成金コンサルタント」と称して一部に悪質な業者がいて、着手金と称して高い報酬を得たり、助成金の条件に該当するように申請書類などを作成するという話を聞いたことがあります。そのような業者を見分けるのは難しいかもしれませんが、今まで社内にない書類を準備してほしいと言われたり、実態にはないものをあるように見せかけたりしている、これは不正受給の可能性があります。

 

甘い言葉にはくれずれもご注意ください。

 

 

2019年02月25日 06:59

量より質

岡崎神社(20190224)

京都市では昨年10月から宿泊税を導入していますが、京都新聞ではこれに関連する記事が掲載されていました。

 

その概要は、宿泊税を払いたくない、あるいは払わない外国人観光客がいること、あるいは税が高いために観光客が大阪市に流れたり、そもそも税金の導入が経営を圧迫している云々。観光客や宿泊事業者からすればお金に関する問題であるがゆえに不平不満しかないのでしょうが、しかしこの問題の根本は違うところにあるように思います。

 

そもそも今の京都市内の状況はある意味で異常です。すべての外国人観光客とはいいませんが、マナーの悪さには呆れるほど、恐怖を感じることさえあります。先週のブログでも書いていますが、外国人からすれば京都市内の観光地は今やテーマパークと同じ感覚。文化や芸術・自然を感じるのではなく、自分本位で楽しんで騒ぐ場所、何をしても娯楽の一つとして思っているんでしょうか。

 

無制限に観光客を受け入れることで、ごく普通の市民生活がどんどん圧迫される、宿泊施設を無制限に許認可することで過当競争・価格破壊が起きる、この連鎖では市民にも観光客にも観光業者にも不平不満が溜まる一方。そろそろ何らかの制限を設けて観光客の量ではなく、質を求める必要があるように思います。そもそも京都の観光の魅力は文化や芸術の質であり、他では見ることができない希少性です。「郷に入れば郷に従え」ではありませんが、京都らしい観光ルールを考えてもらいたいものです。

 

 

2019年02月24日 08:27
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ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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