少し前の話になりますが、先月9日の厚生労働省のホームページで、後期高齢者医療制度の財政状況がリリースされています。その数字は
「単年度で329億円、繰越金で4951億円の黒字」
そもそも「後期高齢者医療制度って何ですか?」という疑問を持つ人もいるかと思います。
この国の医療保険制度は、0歳から75歳未満の人が加入する制度と、75歳以上の人が加入する制度の大きく2つに分けることができます。0歳から75歳未満の人は、
➀健康保険(5人以上の事業所や700人以上の企業等に雇用されている人が加入)
②共済組合(国家・地方公務員、私立学校教職員が加入)
③国民健康保険(市町村の地域内に住む自営業者が加入)
④船員保険(その名の通り、船員が加入)
このいずれかの医療保険制度の被保険者またはその被扶養者として加入することになります。そして75歳、つまり
後期高齢者になると、上記の➀~④の制度から、都道府県単位で後期高齢者医療広域連合が運営する後期高齢者医療制度に移ることになっています。
原則として75歳人が対象ですが、65歳~75歳で一定の障害状態にある人も対象となります。保険給付の内容は、75歳未満の医療保険制度とほぼ同じですが、医療費の自己負担は原則1割、所得が多い人は3割負担となっています。また高額療養費の限度額についても軽減されています。
では、保険料の負担はどうなっているかですが、
保険料として75歳以上の人が負担するのは全体の制度上では1割、公費負担が5割、現役世代の負担が4割。平成28年度の保険料で大雑把に比べると、それぞれ75歳以上の負担が1兆、公費負担7兆、現役負担6兆円といったところ。
保険料と給付の収支もポイントですが、もっと肝心なことは
被保険者がこの4年間で160万人(1510→1670万人)増えていること。高齢化が進めば当然のことですが、4割の保険料を負担する現役世代の人口は逆に減少していく中で、どうやってこの制度を維持するのか、ちょっと不安になってしまいます。
医療、介護、年金。少なくともこのうち、医療と介護は健康を維持することで負担を減らすことができます。普段の生活にほんの少し健康を意識すれば、後々の負担を大きく軽減できるかもしれません。今日から階段を使いませんか?
※写真は法伝寺境内にて(京都市左京区)
2018年04月18日 15:45