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ブログ(日々雑感)

親が子どもの年金保険料を代わりに支払ったとき

光雲寺(20180526)
20歳になると、例え学生であっても国民年金に加入し、毎月保険料を支払わなければなりません。多くの場合、「学生納付特例」によって保険料の納付免除を受けますが、親が代わりに支払うケースもあります。

もし、「子供が社会人になるまで払ってあげよう」ということで親が子供の国民年金保険料を支払った場合、「社会保険料控除」を利用することができます。社会保険料控除の定義は、「納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができる(国税庁ホームページより抜粋)」とされています。親は自分の年金保険料に加えて、代わりに支払った子供の分まで、控除を受けることができるのです。

ただし、ここにある条件「生計を一にする」とは具体的にどのような場合が該当するのかがポイントになります。「生計を一にする」とは、一言でいえば同じ一つの財布で生活をすることを意味します。例えば、遠方の大学に進学し、同じ家には住んでいないが、仕送りによって生活費や学費を負担している場合には、この条件に該当することになります。必ずしも同じ屋根の下で生活をしている必要はありません。

また、学生納付特例を受けていて免除になっていた過去の期間の保険料を、後に一括して親が支払った場合でもその全額について支払った年の控除対象となります。控除を受ける場合には、年末に「扶養控除申告書」を提出する際に、代わりに支払った保険料額を記載し、日本年金機構から加入者宛に送付されてくる「社会保険料控除証明書」を添付する必要があります。

ちなみに、代わりに支払っても社会保険料控除の対象とならないケース、それは「生計を一つにする」という条件に合致しない場合です。例えば、結婚や就職で独立した家計を営んでいる子供の国民年金保険料を代わりに支払った場合です。いささか過保護かもしれませんが、若い子供の経済的な負担を軽くするために、親が支払うということも現実的にはあります。しかしこの場合、社会保険料控除の対象にはならないので注意が必要です。

※写真は光雲寺境内にて(京都市左京区)

2018年05月26日 16:33

お客様のためか、自己の利益のためか

さくらんぼ(20180525)
今日は、最近あった少し考えさせられるお話しを紹介します。

昨年の末に顧問先となった企業様から、ある日にいただいた問い合わせです。「昨年の春、A会社からの勧誘で助成金申請を依頼したが、その関係で少し助けてほしい・・・」
よくよく伺うと、その助成金の給付申請をするにあたり、最新の就業規則が必要で、その電子データが欲しいとのことでした。実はこちらの企業は、顧問先となった今年初めに就業規則や賃金規定を作成し、管轄の労働基準監督署へ提出していました。そのため、助成金の申込申請時の就業規則が旧のものとなったことによるものでした。

ところでこの旧の就業規則は、よくよく見ると顧問先の就業実態とはおおよそかけ離れているものでした。おそらく助成金申請を生業とするA会社が、簡単な聞き取り調査を元に、あくまでも申請時の添付書類として作成したもの。実態を反映していないばかりか、誤字や脱字、インデントの不揃いなどちょっと首を傾げたくなるような品質のものでした。最新の就業規則を送付するにあたり、顧問先からのご依頼もあって、直接A会社の担当者と連絡を取りあう必要があったため、就業規則の品質について、僭越ながら指摘させていただきました。担当者いわく、作成にあたりアンケート形式の事前調査はしたとのことでしたが、途中の打ち合わせや、完成後の確認などは一切なし。あくまでも助成金申請のための添付資料として作成されたもので、電話を切った後にいろいろと考えさせられました。

助成金の申請に関する書類の作成や届出代行は、社会保険労務士の仕事の一つです。このA会社も常駐はしていないものの、外部の社会保険労務士と提携をしているようなことでした。おそらくこの就業規則も法律が定める最低限を満たすひな型が予め用意されていて、そこに顧客からのアンケート結果を機械的にはめ込んで作成されたのでしょう。全く役に立たないとまでは言いませんが、申請のためだけにその場限りの就業規則を作成し、相応に高い成功報酬を得ることには疑問を感じてしまいます。

顧問先社長に伺うと、A会社に支払う費用は着手金30万円プラス成功報酬(受け取る助成金の20%)とのこと。私の感覚からするとその4分の1程度が妥当なところ。これほどの報酬を受けるであれば、A会社はもっと使える就業規則をご提供すべきだったはずですが、どうなのでしょうか。本来企業や労働者のためにある助成金制度である以上、質を伴わない申請・代行業務には、残念ながら疑問を感じてしまいます。


2018年05月25日 07:21

労働基準法における未成年者の扱いとは

宗像神社(20180524)
現在の20歳から18歳へ成人年齢を引き下げる議論がありますが、労働基準法での未成年者の扱いはどうなっているかご存知ですか。

民法における未成年者は20歳未満の人を指しますが、労働基準法では次の様に年齢を区切っています。
➀年少者・・・満18歳未満の者
②児童・・・・満15歳に達した後、最初の3月31日が終了するまでの者

②について「最初の3月31日が終了するまで」とちょっと難しい表現ですが、要するに中学を卒業するまでの人を、労働基準法では「児童」と定義しています。また、18歳に達すれば、大人(成人)と同じ扱いとなります。

では、年齢による就業制限はあるのかという点ですが、法第56条では「児童が満15歳に達した後、最初の3月31日が終了するまでは使用してはならない」としています。ただし、これには例外があり、その労働が軽易であったり、児童の健康に影響がない、あるいは就学時間外であれば、満13歳以上の者を働かせることは可能です。また、映画や演劇の事業では、満13歳に満たない児童についても同様となります。

年少者や児童に対する制限としては他に労働時間の扱いがあります。例えば、原則として年少者に対しては、
➀変形労働時間制(1ヶ月変形やフレックスタイム制など)
②労使協定(いわゆる36協定)による時間外・休日労働
③法定労働時間の特例(週44時間労働)
④休憩時間の特例

が適用されません。また児童については就学時間を通算して1日7時間、1週間に40時間を超えて労働させることができません。就学時間、つまり学校にいる時間と併せてということになります。また、例外はありますがいわゆる「深夜労働」として年少者は午後10時から午前5時、児童は午後8時から午前5時までの労働が禁止されています。その他では、坑内労働や重量物を取り扱うような危険有害業務に対する就業制限もあります。

余談ですが、ゴルフ場にキャディーとして年少者が働くことができるかという点で厚生労働省は次のような見解をしています。
「ゴルフ場におけるキャディーの業務は、特に「児童の健康及び福祉に有害」でなく、年少者労働基準規則第9条第3号にいう「娯楽場における業務」には該当せず、かつ、「労働が軽易である」と考えられる法第56条の使用許可(=労働基準監督署長の就業許可)を行って差し支えない」(平成6.3.31基発181号)

でも、昨今の夏の猛暑を考えると、少なからず健康に影響があるようには思うのですが、どうなんでしょうね。

※写真は宗像神社にて(京都市上京区)

2018年05月24日 07:05

最終的に大人が果たすべき責任はどこにあるんでしょう

もみじ(20180523)
昨日午後、遅い昼食を取りながらたまたまつけたテレビでは、危険なタックルをした日大アメフト部の学生本人の日本記者クラブでの会見が生放送されていました。

すでにネットでは本人の顔写真や経歴などが拡散しています。それだけでも例えようのない恐怖心だと思いますが、生放送される会見の場に、多くのカメラや記者の前に顔と実名を晒す、同じ年の息子を持つ親の立場として何とも複雑な思いで見ていました。

もちろん、あの事故(事件)のいわば加害者であり、どんな理由があっても肯定されるものではないのですが、これだけの行為を一学生の個人的な行動だけでしたとは考えられないというのが、会見を見ての個人的な意見です。言葉の解釈の方法に問題があったというのが、部として発表された回答のようですが、自分よりはるかに年長で大きな力を持った監督やコーチの指示、というより「命令」された言葉から、もしかしてそこにあった「真意」を汲み取ってプレーするというのは無理でしょう。もっとも、汲み取るべき真意などなかったようにも思います。

学生スポーツとは言え、勝負事。勝ち負けにこだわることも必要で、闘争心を鼓舞するために発せられた言葉の一部であったかもしれません。本人も話していましたが、行動するかどうかは本人の判断次第だったことも確かです。が、最終的にその行為に至ってしまった、そこに追い込んだ監督やコーチの責任は、選手以上に重いはずです。この点がいまだはっきりしていない、責任者が責任を明確にしていないことに疑問を感じます。言い換えれば、大人が子どもに原因と責任を一方的に押し付けているように見えます。

相手にけがをさせたことに対して謝罪をする、当たり前のことをしたまでとはいえ、テレビ画面に映る学生の様子を見て、「大学や、監督・コーチといった周りの大人は一体何をしているのだろう」という腹立たしさが沸いてきました。もし、監督やコーチが、自分たちのキャリアのために、教育という名を借りて学生にこういった行為をさせたのであれば、もう教育者ではないでしょう。

誰一人として幸せになれない今回の行為、20歳を過ぎたばかりの学生が長く深く頭を下げて謝罪する姿はもう見たくありません。


2018年05月23日 13:42

「2020」「2050」の実現に向けて

建春門(20180522)
昨日は、お招きをいただいた顧問先企業様の経営計画発表会に出席してきました。

オーナー様のプレゼン、顧問税理士の先生からの講演に引き続き、私も顧問となってからの実績や働き方改革、これからの取り組み課題等について30分ほどお話しをさせていただきました。当初10分ほどと連絡を受けていたのですが、会場に到着後に進行役の社員さんから依頼を受けた時間は30分。急遽3倍に膨らませてのお話し、いつも通り100%満足とはいかないものの、なんとかお伝えすることはできました。

さて、オーナー様のプレゼンの中で出たキーワードが「2050」、こちらの企業は先々代が営業を始めてから2050年に設立100年となります。そこに向けてまず今後3年でどこを目指すか、という明確な、分かり易いものでした。またそのオーナー様の考えがスタッフの皆さんにしっかり伝わっている、共有できているところがこちらの企業の強みなんだろうなと感じました。

「理想」と「利益」の両輪で前に進んでいこうという思いのもと、近々目指すところは、創業70年となる2020年。私もその目標の実現に向けて、しっかりサポートさせていただきたいと思います。

※写真は京都御所・建春門(京都市上京区)

2018年05月22日 07:48

内定率の怪、表面の数字だけでは判断できません

比叡平にて(20180521)
最近新聞やネットのニュースで報じられた2018年度卒の大学生の内定率が、過去最高の93.1%だったそうです。

確かにここ数年、毎年過去最高の超売り手市場と言われています。が、現実には正規採用は減少し、非正規採用が増えているという一面もあります。この数字は額面通り受け取ってよいものなんでしょうか。

私が採用担当者であった数年前、いえそれ以前から言わずと知られたことですが、この数字にはカラクリがあり、よほどの氷河期でもない限り相応の数字になることをご存知ですか。それは、この比率を計算するときの分子と分母が調査ごとに減っていくことです。簡単に言うと、時間の経過により分子(内定者)は増え、分母(就職希望者数)は減るのです。

年度の初め、まだ就職活動が始まった頃は多くの学生が就職を希望するため、分母となる数字は多くなります。徐々に内定を得て就職先が決まった学生は分子に加算されます。一方で、就職がうまくいかず、途中でその年の就職をあきらめたり、あるいは大学院への進学を決めた学生は、「就職希望者」ではなくなるため、分母から外れていくことになります。そうして分母と分子の数が近づいてくるという訳です。

もし、現実的な内定率を求めるのであれば、分母の数字は当初就職を希望した学生数のままにしておくべきです。今の内定率は、最終的な就職希望者に対する内定者数の比率であり、当初は希望していたがあきらめた人が含まれていないということ、これが実態を表しているとは言えないのではないでしょうか。

もっとも、専門学校や特に私立大学は学生募集という点からも、当初の希望者や、卒業学生数に対する内定率は公表したくないという面もあるようです。経営を考えればやむを得ない気もしますが、これでいいんでしょうか。


2018年05月21日 06:28

今週の京都新聞の記事から徒然なるままに

清水二寧坂と八坂の塔(20180520)
今週の京都新聞のデジタル版を読んで思うところを2つほど

【夜の京都観光PR、混雑分散へ】
京都市が米大手旅行誌「トラベル+レジャー」の人気都市ランキングで2年連続1位から、一転6位になったのが2016年。翌年には4位と少し盛り返しましたが、この「首位陥落」の大きな要因とされているのが、観光客が増えすぎたことによる混雑。今、清水寺や嵐山、伏見稲荷大社といった人気エリアへ行くと季節や曜日に関係なく、まるで海外にいるような錯覚を起こすほどの外国人観光客で溢れ返っています。ここ数年の観光客の増加の影響は、ホテルの予約が取れないというのは言うまでもなく、市民の移動手段である市バスにも乗れないなど、市民生活への影響も大きくなっています。

この混雑緩和にと、京都市が力を入れるのが夜の観光と文化財の公開の拡大、つまり観光客の時間と場所の分散。これによって混雑がどの程度緩和されるのか、という点はさておき、少し気になることも。それは観光客を意識しすぎて、本来の伝統やわびさびといった「京都らしさ」が薄れてしまうのではないかということ。何でもライトアップしたり、コンビニ化するのもどうなんでしょうか。

【嵯峨で竹100本に落書き】
嵐山・嵯峨野の竹林といえば、皆さんもテレビや雑誌などで一度は目にしたことのある、非常に風情のある地域です。この竹林の竹の表面を削って落書きをするというもので、漢字やアルファベット、ハングルなど外国人観光客もその一部ではとのこと。こういう記事をみると本当に悲しくなりますね。こんな行為のどこに何の目的があるのか、まったく理解できません。おおよそ「記念」とはかけ離れています。今後の対策として、注意の張り紙だけでなく、立ち入りができないような囲いも検討されているようです。想像してみてください。囲いで覆われた竹林のどこに風情があるでしょうか。京都でなくても、どこでも見ることができる光景になってしまいます。

特にここ数年こういったことが多く、観光客が増えることが、その反面で「らしさ」を失いつつあることのように感じてしまいます。ここからは、少し乱暴な独り言です。
「10年前の方が静かでよかった」と思う人は少なくないのではないでしょうか。

※清水・二寧坂と八坂の塔(京都市東山区)

2018年05月20日 07:39

退職後に傷病手当金を受け取れるか

真如堂本堂(20180519)
ある事業主さんから受けたご質問、「傷病手当金って退職した後も貰えるんですか?」

傷病手当金とは、組合健保や協会けんぽなどの健康保険の加入者が、「業務外」の事由によるケガや病気の療養のために労務に服することができない場合に、その間の生活費の補填を目的として給付を受けるものです。給付されるための主な条件としては
➀療養中であること
②労務に服することができないこと
③連続3日間の待期期間が終了していること(支給されるのは4日目からということ)

この条件を満たした場合、支給開始から1年6ヶ月を経過する日までの間について給付を受けることができます。給付される金額は、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2。大雑把に言えば標準報酬日額の67%、概算ですが、例えば月給20万円の場合なら、20万÷30×3分の2=4,444円となります。

さて、退職後もこの傷病手当金を受けることができるかという点についてですが、一定の条件を満たせば退職後、つまり資格喪失後も受けることが可能です。その一定の条件とは
➀資格を喪失した日の前日(退職日)まで引き続き1年以上被保険者であったこと
②退職日に労務不能であること
③退職日の前日までに連続3日間の待期期間を満たしていること
④資格喪失の際、現に傷病手当金の支給を受けているか受けうる状態であること

となっています。給付される期間は在職中に受ける場合と同じ、支給開始から1年6ヶ月を経過する日までの間となります。ただし、退職日に出社した場合には「労務不能」と判断されないため、支給されないことに注意が必要です。

また、退職後の注意点を2つ、一つ目は傷病手当金の申請を行う場合、事業主の証明は不要となること。二つ目はいったん労務に服して傷病手当金が不支給と決定されると、治癒しているいないにかかわらず、再度労務不能となっても傷病手当金の支給が再開されることはありません。

くれぐれもご注意を。

※写真は真如堂本堂(京都市左京区)

2018年05月19日 14:50

来週の定期訪問に向けての準備の一日でした。

夕焼け(20180518)
昨日は自宅の机に向かっての資料作りの一日。

来週は顧問先のお客様へのご訪問が集中しているため、持参する資料を少し早めに準備したものです。私は顧問先へは最低毎月1回はお邪魔するようにしています。特に大きなトラブルがなくても、もちろんトラブルがないことがベストですが、いまどういったことを考えておられるのか、どういったお仕事のニーズがあるのか、終始世間話で終わることもありますが、いろいろなお話しを聞ける貴重な時間でもあります。

その際に持参するのが、この1ケ月間にご提供した業務内容やこちらからの確認事項や相談事項を纏めたA4サイズ一枚ものの資料。毎月顧問料を頂いている以上、最低限この1ヶ月に何をご提供したかはお伝えする義務があります。またこの資料から次のご依頼を受けることもあります。1ヶ月を振り返りながら作成することにも意味があるように考えています。

来週、ある顧問先からは取引先や従業員、社長の親族を招いた営業方針の発表会へのお招きをいただいています。顧問先となって初めて出席する機会、ここでも会社を下支えする立場としてこの半年でお手伝いできたこと、今後することをご説明できる簡単な資料を纏めてみました。顧問先名や企業秘密を含むため、資料をアップすることはできませんが、ビジュアルで簡易かつ分かり易い資料ができました。

これを持って、顧問先社長様やオーナー様にお会いできるのが何よりの楽しみです。


2018年05月18日 05:15

正規社員と非正規社員の格差をなくす方法にこんな手が

八坂神社境内にて(20180517)
取り置きした新聞記事から少し古いものですが、気になることを一つ。

どの企業でも社員の給料に基本給や職務給といった本給の他に、扶養手当や住宅手当といった労働者毎の事情によって支給している手当があります。またこういった給与の金額や手当が付く付かないの差が、正規社員と非正規社員、パート間で少なからずありますが、実はこれは適切ではありません。

昨今の「働き方改革」のもと、「同一労働同一賃金」というキーワードをよく耳にします。厚生労働省も仕事の内容が同じであれば正社員と非正規社員において賃金や手当に差を認めないというのが基本的なスタンスです。今回の記事はこの考え方において、日本郵政グループが採用した是正策について。

日本郵政グループでは、正規社員にのみ支給されている住宅手当について下を引き上げるのではなく、上を引き下げるという手段を用いました。つまり非正規社員に新たに住宅手当を支給するのでなく、正規社員に支給していた住宅手当を廃止するという方法です。同一賃金を優先すれば、こんな方法もあるのでしょうが、労働者の賃金自体は下がるというなんとも皮肉な結果とも言えます。

想定外とも言える方法かもしれませんが、同一賃金を実現する一つの方法としては今後広がるかもしれません。特に賃金総額を引き上げることが困難な企業にとっては、経営を維持して社員の雇用を守り、かつ同一賃金を守るためとなれば致し方ないのでしょうね。正規だからすべてが守られるという考えはもう通用しない時代です。ただ、あまり給料を引き下げれば、雇用の確保という面で影響が出かねませんので、さじ加減が難しいところです。

もっとも私の個人的には、属人的な条件で変動する手当は支給しない方がよいのではと考えます。その条件に合致するかどうかを常に把握する手間や、何より誤支給が生じる原因ともなります。

「シンプル イズ ベスト」が一番公平なのかもしれません。

※写真は八坂神社境内にて(京都市東山区)

2018年05月17日 08:46
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
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