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ブログ(日々雑感)

0117001

真如堂の紫陽花(20180615)
今日の午後、ある顧問先に伺います。

こちらの企業様は、ちょうど1年前の6月にファーストユーザー、言い換えると最初に顧問契約を結んでいただいた企業様です。当事務所では顧問先のデータをパソコンで管理する際にシリアルナンバーをつけています。番号体系は、契約形態(01:顧問契約、02:スポット契約)+初めて契約を締結した年の西暦下2桁+通し番号。こちらの顧問先の場合は「0117001」です。この番号は当事務所では背番号1のような存在です。

契約更新はとても有り難いお話しです。更新とはこの1年間の業務内容に〇を付けていただいたということですから。サラリーマン時代の仕事の評価は、昇給・昇格や賞与といった形だったものが、フリーランスでは契約更新がそれに該当します。当事務所では社会保険や労働保険に関する書類作成や、届出代行業務はあまり手掛けていません。その分、ご提供している業務は顧問先によってそれぞれ。こちらの顧問先には主に勤務時間管理を中心とした労務管理と、情報セキュリティ、新入社員研修が主となっています。

契約更新後の2年目は、これに加えて無期転換ルールの作成と人事評価制度の導入コンサルティングが加わります。特に後者は、評価が給与に繋がる制度であるために難しい業務になりますが、しっかり顧問先の業務内容を把握して、社員の方が納得できる評価の仕組みをご提供できればと思います。

昨日のブログでも書いた通り、どの顧問先に対しても毎年同じことをやっていただけでは進歩がありません。また他の同業者でもできることをしていては差別化になりません。毎年少しづつご提供できることに変化をつけて、かつ当事務所しかできないことをプラスしてお役に立てるようにしていきたいと考えています。

来月から、新たに飲食関係の企業様と顧問契約を結ばせていただきます。初めての分野となるだけに、学ばせて戴けることも多いはず。更新となる顧問先にも、新たな顧問先にも気を引き締めて取り組ませていただきたいと思います。


2018年06月15日 04:50

富士フィルムから学ぶ「先読み」と「応用力」

真如堂の紅葉(20180614)
皆さんは「富士フイルム」という企業をご存知ですか。私たちの世代では緑と白の箱に入ったカメラ用フィルムや、「写ルンです」といった使い捨てカメラが思い浮かぶ企業です。でもこの企業の実態は今や「凄いんです」

この企業の最大の強みは、従来持っていたフィルムに関する技術であることは言うまでもありません。でも富士フィルムはいずれカメラがフィルムからデジタルへ変わることをちゃんと見越していたのでしょうか。基幹となっていた技術を縦横に展開・応用し、今や3つの領域に展開するマルチな企業になっています。

その3つとは、従来のフィルムを中心とした「イメージングソリューション」、化粧品や医薬品を中心とした「ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション」、子会社の富士ゼロックスによる「ドキュメント ソリューション」。例えば化粧品では「アスタリフト」というブランド名、テレビCM等で有名ですが、これが富士フィルムが販売する基礎化粧品のブランド名であることを知らない人も多いのです。

この化粧品には、フィルムに利用するコラーゲンに関する技術を応用して開発されたものです。そして富士フィルムは、すでに売り上げではフィルムメーカーではなく、化粧品メーカーといっても過言ではないのです。先ほどの3つの事業の売上比率は順に、16%・41%・43%(同社のホームページより引用)、フィルム分野は2割にも満たないのです。

一つの分野に注力して独占的なシェアを誇る企業はたくさんあります。かつての富士フィルムもフィルムについてはそうでした。がそこに胡坐をかくことなく、次の一手のために持っている技術を最大限応用した、理想的な企業とも言えます。もちろん、このような取り組みは富士フィルムだけではありません。が、先を読み次の一手を打つ千里眼、小さな1事務所の主として持っていたいものです。


2018年06月14日 14:56

2022年から18歳が成人になります

鴨川(20180613)
本日(13日)の午前、今後に大きな影響を及ぼす法律が成立しました。成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる、いわゆる「18歳成人法」です。

影響の大きさは実際の施行日までの期間が長いことからも分かります。この法律の施行日は2022年4月1日、約4年後からの施行となります。ちなみに成人年齢の変更は明治9年以降なんと146年ぶり、それだけに社会の仕組みだけでなく、人の考え方も変えていくのには時間がかかりそうです。

すでに選挙権は18歳に引き下げられていますが、18歳成人は成人としての権利義務に関する年齢を引き下げるものです。例えば、クレジットカードを作ったり、消費者金融でお金を借りたりすることもできるようになります。また、身分に関しては婚姻年齢が男女とも18歳になり(女性が16歳から18歳に引き上げられる)、国籍を選択できる年齢も18歳となります。

ネットの記事などでは、クレジットカードや消費者金融について経験のない若者によっては危険云々と言われていますが、どうでしょうか。そうなればなったで学ぶ場や相応の情報が発信されるでしょうし、20歳成人である今の時代でも破綻する人はいるわけです。18歳成人にしたとしても激増するとは思えません。ある意味で与党に反対するために、野党が無理に付けた理由のようにも見えます。

一方で、飲酒や喫煙、ギャンブルに関する年齢は現行通りに据え置かれました。これちらは正解、健康面や射幸心をいたずらに刺激するものは避けるべきです。いずれにしても、味方によって良い面、悪い面があるのはやむを得ません。ただ、「責任や自覚を持って社会で生きていく」という動機づけになればいいのではないかと思いますがどうでしょうか。


2018年06月13日 07:12

扶養控除の対象となる扶養親族って誰のこと

御所(20180612)
納税者に一定の扶養親族がいる場合、扶養控除によって所得から一定の控除をうけることができます。ではこの扶養控除の対象となる親族の条件はどうなっているのでしょうか。

扶養控除の対象となる扶養親族とは、その年の12月31日時点で次の条件を満たす人のことをいいます。
➀納税者と生計を一つにする配偶者以外の親族(6親等以内の血族および3親等以内の姻族)であること
②青色事業専従者、事業専従者でないこと
③合計所得金額が38万円以下であること(年収103万円以下)
④16歳以上であること

平成22年までは16歳未満の子供も扶養控除の対象となる親族でしたが、子ども手当(児童手当)が設けられたことで対象外となっています。また「生計を一つにする」とは、同じ財布で生活をしていることが条件で、同じ家に住んでいるかどうかは問いません。例えば、遠方で下宿し、仕送りをしている子どもは該当しますが、同じ家に住んで生活が独立している子どもは該当しないことになります。

ちなみに、➀から④に該当する親族がいる場合、利用できる控除額は、一般の控除対象扶養親族(16歳以上)が38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)が63万円、老人扶養親族は70歳以上で同居の場合に58万円、同居でない場合に48万円となります。該当する親族が複数人いればその分適用できます。

扶養親族であるかどうかの判断は、12月31日時点で判断されます。もし、年の途中に親族で失業した人がいたり、定年退職や病気などでやむを得ず退職した人がいるといった場合でも、その年を通じて扶養親族とみなされ、所得税を節税することができます。

なお、扶養控除を受けるか受けないかはあくまでも申告に基づくものです。会社や税務署がわざわざ扶養親族に該当するかどうかを調べてくれるものではありません。ただ利用できる制度があるものを使わない手はありませんよね。


2018年06月12日 09:15

地震保険について意外に知らないこと

鴨川のカモ(20180611)
先日、衝撃的な数字がネットや新聞に掲載されていました。その内容とは、「南海トラフ地震で発生後20年間で最悪1410兆円、首都直下地震で778兆円に達すると算定した」というもの。額面通り受け取れば、両方合わせて国家予算の20年分以上、国が倒れてしまいかねない数字です。

この被害額はさておき、個人で地震に備える手段として「地震保険」がありますが、皆さんは加入していますか。調べてみたのですが、損害保険料率算出機構の資料によれば、2016年で全世帯の30.5%、意外に低いと思いませんか。

生命保険と同様で、よく聞かれる質問に「地震保険はどこがいいですか」があります。でもこの質問の答えはひとつ、「どこに入っても同じです」となります。意外と知られていないのですが、地震保険は財務省の「地震再保険特別会計」という財布で運営されています。生命保険は、民間の生命保険会社が多様な商品を開発して販売していますが、地震保険は一つしかないということです。唯一の違いは、建物がある都道府県と建物の構造によって保険料が異なること。地震のリスクが大きい地域・建物ほど高くなります。

地震保険は、単独で加入することはできず、火災保険とセットで加入することになります。保険金額は主契約となる火災保険の30~50%の範囲内で、建物は5000万、家財は1000万円の上限額が設定されており、実際に保険金が支払われる場合には、損害の程度に応じて保険金額の5~100%が支払われることになっています。

ところで、地震は東日本大震災や阪神淡路大震災のように広範囲に甚大な被害を及ぼします。被害が大きい分、保険金額も膨大になるため、民間ではなく国がその財布を管理している訳ですが、といっても限度があります。その金額はいくらくらいか、財務省のホームページによれば、1回の地震における支払限度額は11.3兆円、東日本大震災や阪神淡路大震災の支払額はこの範囲で収まっています。しかし、冒頭の数字がいかに大きな数字かがわかりますね。

※写真は鴨川・御池大橋付近にて(京都市中京区)

2018年06月11日 08:10

12日の会談がパフォーマンスでないことを期待します

真如堂の紫陽花(20180610)
12日、初めての米朝首脳会談が開催されます。

新聞やテレビではここ数日はこの話題で持ちきりになるのでしょうね。国際問題に精通していない素人の意見ですが、どこまで本気でこの会談が行われるのかも含めて、その成り行きには関心を持っています。

二国間の交渉事は、この米朝の2国間に限らず、魑魅魍魎が跋扈し、権謀術数をめぐらされある意味で腹の探り合いからそれぞれの国益に少しでも有利にするために行われるもの。その点ではこの2か国の直接のせめぎ合い、どんな展開になるのか、その影響は少なからず周辺国にも飛び火することになります。日本として今後どう向き合うのか、外交力が問われることにもなりそうです。

いうまでもなく、日本もかの国とは解決すべき大きな問題を抱えています。直接対話のルートが限定されるため、アメリカの働きかけに頼らざるを得ないのでしょうが、もっと直接的に解決のための手段が必要な気がします。

もっとも、一番あってはならないのは、この会談が選挙のためのパフォーマンスに利用されること。政治家の行動には多少のパフォーマンスはつきものですが、今回の本当の目的が何なのか。残念ながらトランプ大統領のみぞ知る、なのでしょうか。

答え合わせは12日にできそうです。

※写真は真如堂境内にて(京都市左京区)

2018年06月10日 14:28

収入印紙のデザインが一新されます

上御霊神社(20180609)
一定金額以上の領収書や契約書等に貼る「収入印紙」、来月7月1日から形式が改正されます。

収入印紙には、額面1円から10万円まで実に31種類ありますが、今回改正されるのはそのうちの19種類、一般によく利用される200円以上の額面の印紙が対象になります。その理由は偽造防止(国税庁のホームページより)、昨年12月にも200円の偽造収入印紙が大量に発見されるなど、後を絶たない偽造印紙の防止があります。

ここで少し復習ですが、そもそも収入印紙とは何でしょう。収入印紙を貼るということは、「印紙税」という税金を納めていることになります。言い方を変えると、国が印紙税を徴収するために用いる手段が収入印紙となります。よって、貼る必要がある、印紙税が課税されるものは、「課税文書」として法律で定められたものに限られます。

今回の偽造防止、最も偽造が難しいといわれる日本の紙幣に使われている、例えば見る角度でパール色の光沢模様が現れる技術(パールインキ)などが採用されています。紙幣も印紙も製造元は同じ国立印刷局、そう考えれば同じ技術が使われるのは不思議ではありませんね。

さて、収入印紙は課税文書を作成した人が契約金額や売買金額によって決められた印紙を貼り、これに消印することで納税となります。契約書のように2部作製し、双方が1部づつを保管するような場合、それぞれが印紙を貼り、割り印をして相手方に交付するといった方法が一般的です。

私も顧問先と取り交わす業務委託契約書には印紙を貼っていますが、来月以降に手にする印紙、一度じっくりと眺めてみます。

「収入印紙の形式改正について」に関する国税庁のホームページはこちら

※写真は上御霊神社にて(京都市上京区)

2018年06月09日 08:35

「知らなかった」から始まった挙句の果てのできごと

新緑(20180608)
3ヶ月ほど前、話題になったあの会社が淘汰されました。

日本年金機構がデータ入力を委託した企業の杜撰な入力ミスによって、年金の過小支払が問題となったのが今年の3月。当ブログでも2度ほど取り上げましたが、この委託業者が解散しました。日本年金機構はこの業者に対して約2億円の損害賠償請求をしていますが、どの程度賠償されるかは未定とのことです。

年金という社会的影響の大きい業務の委託を受け、その結果大きな瑕疵があった訳ですから、相応の責任を取ることは当然です。今回の場合、あまりに影響が大きく、また賠償請求額の大きさも解散することとなった一因と報じられています。

解散の原因を作った社長をはじめとする経営陣は、言葉は悪いですが自業自得。ただ、80人近くいたという社員にとってはなんともやり場のない思いではないでしょうか。IT業界には実に多様な仕事があります。その中で、日本年金機構からの委託業務という公共性の高い、社会的貢献度の高い仕事ができるというのは、社員にとっては少なからず誇りしていたのではないかと思います。それが一転して最悪の評価を受けて解散という事態に追い込まれたわけです。社員が負ったさまざまな傷を、最高責任者である社長はどのように考えているんでしょうか。

社員にとっては、経済的な負担も避けて通れません。会社が倒産した場合、労働者に支払われるべき賃金等の労働債権は、一定の範囲で他の債権よりも優先順位が与えられています。ただし、この会社に残された資産にもよりますが、賃金の支払いが遅れたり、一部がカットされる可能性もあります。

「再委託が解約違反とは知らなかった」から端を発した挙句の果てが、会社の解散という社会からの淘汰。社員のことを思うと、経営者の判断の重さを改めて考えさせられる出来事です。


2018年06月08日 13:57

「適材適所」、今日の朝刊から考えたこと

6月の梅雨の晴れ間(20180607)
今日の朝日新聞朝刊、今年から大リーグに移籍して活躍している元オリックスの平野投手の記事がありました。タイトルは「あの平野佳寿が…適材適所の妙 大リーグ13試合無失点」

新人の年こそ活躍した平野選手が、その後は故障や精神的なストレスで、思い通りの成績が上げられなかった時期が続いていました。そんなときに当時の岡田監督が、その気質と技術を見抜き、先発から中継ぎ・抑えに配置転換をして成功し、今の大リーグでの活躍に結びついているというもの。

野球の世界に限らず、その人の性格や技術、持って生まれた個性に見合った仕事や役割を与えられたことによって大きく変わることって皆さんの周りにも、あるいは皆さん自身が経験されていると思います。会社組織の中でも、今までは全く日が当たらなかった人が、配置転換によって大きく成長したという話はよく聞きます。

会社組織では、定期的な配置転換などによって一通りの業務経験を積ませる、いわゆるゼネラリスト的な人材を育成することもある意味では重要です。仕事が属人化して、その人しかわからない、できない仕事を無くすためです。でも、私は個人的にこの考え方は、社会人になったときから受け入れ難いものでした。人にはそれぞれ専門分野や得手不得手があります。それを無視した配置によって成果を求めたり、成長を期待するのは会社にとっても、本人にとってもメリットがあるように思えません。

会社組織では、その人の適性を見抜き最も能力を発揮する仕事で成果を出してもらうことは、限られた労働力で収益を上げていくためには不可欠なことです。また多くのコストをかけて採用した人材が、早々に離職していくことを避けるための一つの手段とも言えます。社員全員の好きな仕事を希望通りさせることはできませんが、適材適所の配置は会社と社員の双方が成長するには不可欠なことです。

ただし、最も重要なことは適材適所を見抜く管理職や会社上層部の「目」なんでしょうね。


2018年06月07日 11:28

「無期転換ルール」って聞いたことありますか

相国寺・庫裏(20180606)
「無期転換ルール」、今年の4月からこの適用を受ける人が出てきていますが、一体どのようなものか御存知ですか。

無期転換ルールとは、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときには、労働者の申込みによって、以降期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールのことです。労働契約法第18条の規程で、平成25年4月1日から施行されているため、ちょうど5年超となる今年の4月1日以降、具体的にこのルールによって無期労働契約に転換できる人が出てくるということになります。

有期契約社員がいる企業では、これまでに就業規則の変更や、各種規定の作成、無期転換に必要な申請書や受理通知書等の準備を進めてきました。また、有期契約社員が無期契約社員となる場合のメリット・デメリットを説明するための場を設けたりもしていますが、もっともポイントとなるのは、デメリットの説明とその理解です。

多くの企業の場合、有期契約社員と無期契約社員の間には大きな差があります。それは給料や手当といった金銭面だけでなく、転勤の有無や職場における責任の大きさといったもの。有期契約社員がこのルールを利用して、無期契約社員になるということはそういった今までにはなかった責任を負うことがあるということを理解して、申請する必要があります。また、会社側もその点を事前に説明しておかなければなりません。

なお、冒頭の「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたとき」の通算5年には、法律施行以前(平成24年3月)の期間を含みません。また、期間の途中に6ヶ月以上の空白期間(クーリング期間)があると、通算期間がリセットされてしまうという規定があります。

私の顧問先の企業さまでは、近々に該当する有期契約社員はいないのですが、就業規則改定の折に、随時無期転換ルールに関する規定を併せて修正しています。すぐに該当しない場合には急ぐ必要はありませんが、条件に該当する社員がいる場合、早めに対応されることをおススメします。

※写真は相国寺・庫裏(京都市上京区)

2018年06月06日 16:59
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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